TADF MAGAZINE 🔴🟢🔵 - #3 ブランディングについて

長谷川泰斗（長谷川）：実行委員長
多辺田風香（多辺田）：副実行委員長
田中陽（田中）：デザイン統括
熊澤佑悟（熊澤）：デザイナー
以上の4人で、2021年度芸術祭のブランディングについて振り返りました。

1. 発端

長谷川「どこから振り返るのがいいかなぁ。今回、発端としては例年の芸術祭のロゴが更新されていないから一回しっかり考え直したいよねってところから始まったよね。

例年芸術祭をブランドとしてかっちり考えるってことが今までなかった気がするけど、今年はロゴの形と色を最初からガッチリ決めて制作物のデザインに統一感を持たせられたの、良かったよね。」

田中「今までブランディングって、色も形もルールをきっちり守ってやっていくものだったけど、フラットなデザインとRGBっていう自由度の高い制限の中で、それをどう組み合わせてビジュアルを見せて行くのかっていう新しいワークショップみたいな感覚でみんなでクリエイティブができたのがよかったかな。」

長谷川「シンプルゆえに（サイトでも）ちょっとはみ出たり、ちょっとロゴが重なったりどんなデザインをしてもそれが味になったりカッコよく見えるようなルールを作れたのかなと思ってる。」

田中「その分大変だったけどね（笑）RGBだけが画面にあるとなんだこれ！？ってなって」

長谷川「RGBって言い出したのいつだっけね？」

多辺田「私がインスタの画面作ってる時！」

長谷川「そうだそうだ、インスタ画面作ってるの見ていいなって思ったんだ。その頃メインビジュアルとかポスターとか作ってる時だったよね。」

熊澤「最初はブランドのカラーとして何色か決めて作ろうとしてました。」

長谷川「そこからRGBっていう弾丸が飛んできて、、、（笑）」

田中「結構俺反対したもんね（笑）議論深めてから決めないと後から大変になっちゃうからね。結果、予想してた通りやばかったし、予想通りバチバチになったと思う。」

長谷川「今回芸祭としてはRGBを押し出して、各企画は自由に色を選択してもらうっていうストーリーも良かったよね。

最初芸祭として作る場としては原色のRGBを使って、その3つの色が重なり合うことでそれぞれの企画の色が生まれるっていうストーリーを持たせられたのは結果まとまりよかったね。

RGBってデジタル空間でしか出せない色ってことでオンラインらしさも出せたし。」

2. ロゴについて

長谷川「ロゴをリブラッシュしたけど、道のりだいぶ長かったよね。

田中「２ヶ月くらいかかったもんね？」

長谷川「そうそう。テーマ自体もそうだったけど、ロゴも議論するときは投票取ったりみんなでなるべくオープンな感じでできて、みんなでこれから芸祭をやってくぞーっていう感じがでたよね。あとみんなで決めていく文化もできた気がする。」

最終案まで残った3つのロゴ

田中「ペース配分は間違えたけどね（笑）」

長谷川「それはある（笑）ちょうどロゴが決まったくらいの頃にオンライン開催が決まったけど、オフラインでもオンラインでもどっちにも耐えられるロゴになった気がするね。」

3. メインビジュアルについて

田中「特にやばかったのはメインビジュアルというものが存在しなかったことだね。RGBをつかったビジュアルを場面によってどんどん作り続けるのはほんとに大変だったね。造形力はついたかなと思う。」

長谷川「最初オフラインで開催予定だったのもあって、紙を使ったクリエイティブを通してメインビジュアルが決まればいいよねって話してたけどオンラインになっちゃってからポスターもポシャっちゃっていつの間にかメインビジュアル不在で色々進んで行っちゃったね。」

田中「途中積み木みたいなメインビジュアル作ろうとしてたよね。」

長谷川「うんうん。SNS運用とかでも何をモチーフにデザイン作ればいいのかわからないいっていうのはしばらく悩んでたね。

でも抽象的だけど熱があるみたいな、ぱっと見ですぐわかるわけじゃないけどなんか情動的というか、そういうデザインができた気がするんだよね。。。」

熊澤「なんかRGBとかそういう実態のないものがメインで押し出されていた分、Re.っていうテーマがより濃く反映されるようなビジュアルが展開できたのかなと思います。」

田中「デザインしながら、色に頼ってるんじゃねえ！って言われてるような感じしたよね（笑）」

長谷川「ほんとに（笑）白黒で作って造形だけで考えろみたいなね。」

田中「文字とかも明朝とか装飾的なもの使うとか特徴がわかりやすい文字を使うんじゃなくて、よく使われるあんまり味が出ないフォントを使ったりしてて、ほんとにいろんな意味で原点に戻ったような感じで全部作ってたね。」

長谷川「色々排除した先に残ったものをビジュアルにできた感じするね。最初は作りやすさを重視して作ってたけど、途中から何かあるごとにRe.を一から考え直したビジュアルを作ったことで、デザインのスタンスまでRe.っぽい感じになったんじゃないかな。デザイナー陣はほんとに大変だったけど（笑）」

田中「自分は結構いつもデザインする時は色選びで見せてあとはシンプルにってして作ることが多かったけど、一番初歩的なRGBだけでやらなきゃいけないのが大変だったね。RGBは扱いづらかったけど場面によって何回も色の使い方を考えることで最後の方は扱いが慣れてきた気がするね」

対談内容は以上です！
芸術祭が生まれた原点についてのお話だったので、全ての企画に通づるものがあると思います。この話を思い出しながらサイトを見てみると感じ方が変わると思いますので、11/6-11/7絶対にサイト見にきてくださいね！

筑波大学 芸術祭 2021 / TSUKUBA ART&DESIGN FESTIVAL 2021
11/6-7 ONLINE開催
公式サイト：https://tadf.site/2021/
Twitter：https://twitter.com/TADF_2021
Instagram：https://www.instagram.com/tadf_2021/

執筆者：多辺田風香