マガジンのカバー画像

奏墨日記

31
画家・浦正のこころの中に浮かんだことの覚え書き
運営しているクリエイター

記事一覧

金彩と色即是空

私の作品には意図的に金銀の色や箔を使っています。 金や銀は他の色と違い光を反射しますが、印刷物には反映されないので、古今東西の作家があえて高価な金や銀を使う部分には、原画でしか表現できない作者の想いが何かしら込められていると考えて間違いありません。 そして私にとっての金彩に込めた想いは、般若心経の「色即是空」を私なりに描く仏教哲学へのオマージュ表現であり、「色即是空」みたいな「金即是空」です… 全て同じ金色を塗っても、金箔を貼っても、金彩は観る人の視点(角度)で色味が変

神獣になった心の森の主

「神獣森主図」 「モリスのコトリ」巡回展ファイナルのフラッグシップ作品『神獣森主図』 長い旅を続けて覚醒を遂げたモリスの目にはどんなふうに世界が見えているのだろう… モリスになった気持ちで描いていると、たくさんのインスピレーションとともに、景色や言葉が心に現れてきました。 あるとき、いつものように心の声が囁きました。それはまるであの白い鹿のような優しい声でした。 * 浅い呼吸に気づいたら 深呼吸をしてごらん。 覚醒とリラックスの基本は 呼吸を整えること… まずは息

絵本が教えてくれた✨とても素敵な天啓✨

『コトリの存在を実感する』 絵本「モリスのコトリ」の物語を何回か読み返すと、自分の心にも本当にコトリがいることを、ある時ふと実感するようになります。 初めのころに現れるコトリはたいていネゴルのほうが多いから、あなたが気づいたコトリがネゴルばかりだとしてもまったく残念に思わないで下さい。 ポポルは現実が楽しくなるときに現れるので、あなたが気づいていないだけで、誰にでもポポルの時はたくさんあります。ちなみに、普段から瞑想や坐禅をしている人以外で、楽しい時に内観している人は

集合意識ってきっとあると思うんです

2011年、311のとき僕はしばらく絵が描けなくなった。 こんな時にも絵を描くことにいったい何の意味がある? 家族四人暮らしを支えるのでやっとの毎日、遠くの被災者を助けに行く時間も余裕もないことを心苦しく思っていた。 絵描きの存在意義に疑問を抱く日々。じわじわと無力感と絶望感が肥大化した震災一年半後の秋、僕は師匠と兄弟弟子たちと岩手・陸前高田市の産業祭りに呼ばれた。 2年ぶりの秋の収穫祭、少しでも元気になってもらえたら… 朝から皆で一所懸命に水墨画ライブドローイングのリレ

絵本「モリスのコトリ」原画巡回展 in 福岡@TAGSTÅ

1月20日から福岡で個展を開催します!! 今年は辰年🐲✨ 昔から龍が大好きな私は今までたくさんの龍を描いてきました。 そして毎回心に浮かび上がる龍を描くうちに、 龍とは我々の心の中に蠢めくエネルギーだと思うようになりました。 ネガティヴ、ポジティブ、さまざまな心の状態は まるで手がつけられない暴れ龍のようです。 でも長年心のなかの龍(衝動的に蠢めく心)の観察を続けていくうちに、 最近ではだいぶ上手く付き合えるようにもなってきました なので今年は龍の背に乗って飛龍雲乗

ピプノセラピーを受けて15年経った今

●15年前の2007年に一度だけピプノセラピーを受けました ピプノセラピーはセラピストの誘導によって催眠状態に入り、自ら潜在意識下にある前世の記憶までさかのぼって、魂レベルのトラウマの原因を知ったり、今世に影響する不可解な負の感覚を根本から癒したり、今世に生まれた目的や意味を知ることができる催眠療法です。 僕はある時代に生まれた前世の自分の一生をはっきりと思い出しました。 そのおかげで、今世において意味不明に自分の心を苦しめる感覚や、現実に起こる嫌な事象の因果や、自らの思

Two of Us / contradiction ~ 矛盾 ~

戯れあっている様でもあり 喧嘩している様でもあるキツネ title: Two of Us / contradiction ~ 矛盾 ~ 絵のメッセージは観る人それぞれが受け取るものだからどちらも正解。 そして分からないという答えもまた正解。 「ソクラテスに勝る知者はいない」という神のお告げを聞いたソクラテス。 しかし「自分が知者ではないことを知っている」ソクラテスは、世の中で知者と呼ばれている人たちを訪ねてみたところ、「本当は知らないのに知っていると思い込んでいる」彼ら

もう一人の自分(左脳理解不可能なお話)

今朝の瞑想🧘‍♂️は不思議だった。 今朝もいつものように瞑想をして40分くらい経ったころのこと… さて今日はそろそろ終わろうと深呼吸をしていたとき… 心に1人の若い男が現れた。 彼は冷たい目をして、物言いたげに僕をみている。 僕は瞑想を終わろうとしていたのでそのまま彼のイメージを流そうと思ったけれど、なんとも胸のあたりが重苦しく感じたので、再び瞑想状態に入って彼と向き合うことにした。 彼は僕に対して正面を向かない。 批判的で、卑屈で不快なオーラを感じると同時に、拗ね

Two of Us / sympathy ~ 共振 ~

私は昔、狐があまり好きになれませんでした... いえ、、正直に言うととても恐れて嫌悪していました。 その頃の私が抱いていた狐の印象はこんな感じです。 狐は怪しくて、ずる賢くて、卑怯者。 妖力を使って人を騙して、取り憑いて災いをもたらす魔獣。 全く不可解で、触らぬ神に祟りなし。 お稲荷さんも狐狗狸さんもクワバラクワバラ... しかし15年ほど前に私は突然目が覚めました。 狐に対する全ての悪しきイメージは嘘っぱちのでっち上げで、それは誰かが捏造した印象操作のプロパ

過去も未来も忘れて「今」に夢中でいたときに生まれた心の動物たち

今年は絵描きを生業にして30周年、独立して20周年です。 振り返れば長い年月ですが、二十歳の頃も今も一所懸命に描くことに向き合うエネルギーは全く変わっていなくて、我ながらよく飽きずに続けてこれたと感心します。 将来の展望など全く見えない絵描き人生は、明確な人生設計も余裕もなく、ただ今ここに全力を注ぐことを最重要とし、常に崖っぷちでも下を見ずに空を見続けるというシンプル且つクレイジーなライフプランです。 小舟に妻子を乗せて大海に漕ぎ出す無謀な人生航路ではありますが、たくさんの

再生

東福寺塔頭 光明院 奉納 雲龍図|水墨画家 浦正

2021年10月に京都の東福寺塔頭 光明院で開催された水墨画家浦正による奉納雲龍図の揮毫と水墨画展の記録映像です。

ライブペインティング in 京都

光明院 奉納 雲龍図 揮毫 去る10月23、24日に京都の東福寺塔頭「光明院」の本堂にて 雲龍図の揮毫(ライブペインティング)をし奉納させていただきました。 写真提供: Katsumi Hirabayashi 
奉納後記以下長文です。よろしければ — 
龍には昇竜と降龍があり、龍は天に登り如意宝珠という何でも願いを叶える宝の玉を取って降りてきます。 今回私が描いた龍はその降龍。 どんな願いも思うままに叶え、病を治し、災いを避ける神聖な如意宝珠を持って天から降りてくる

浦正水墨画展 2021  [ こころの動物たち / 楽・覚・和・猛・遊・幽 ]

この度、Freedom Dictionaryの桑原茂一さんにお声がけいだいて、10月1日から31日まで京都の古刹「光明院」さんで水墨画展をさせていただくことになりました。 室町時代初期に臨済宗大本山東福寺の塔頭として創建された光明院には「虹の苔寺」の異名をとる美しい枯山水庭園があります。苔と砂の見事な調和を見せる主庭「波心庭」は昭和の作庭家・重森三玲によるもので、秋の光明院はまたさらに格別です。10月はぜひ古都の優雅な懐で癒されてみませんか。 ☆開催期間中の私の京都滞在は

「君が代」

中学音楽教科書1年〜3年共通の「君が代」の絵を描きました。 「君が代」は10世記初頭の古今和歌集の「読み人知らず」の和歌を初出とした歌詞で、世界の国歌でも最古の作詞といわれているそうで、そして世界で最も短い国歌だそうです。
 『君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで』 
絵を描くにあたり改めて、見て詠んで歌ってみて、いろんな思いを巡らせていると、さざれ石になった先祖代々からのメッセージが聞こえてきました。

 それはとても暖かく、穏やかで、静かな口調で、