ジャン・リュック・ゴダール監督作品『アルファヴィル』(カルチュア・パブリシャーズ、200 0)

1984年、探偵レミー・コーション(エディ・コンスタンチーヌ)は、惑星都市アルファヴィル(α都市)に到着する。
アルファヴィルは、全体主義社会であり、巨大コンピュータ<アルファ60>が人々を支配し、詩人や芸術家は死刑の対象となっていた。ここは、「愛」や「涙」といった言葉さえ、非論理的感情ということで、辞書から抹消された恐怖政治の世界なのだ。
果たして、探偵レミー・コーションは、巨大コンピュータを破壊し、この都市を創りあげた天才科学者フォン・ブラウン教授を暗殺できるのか。
そして、天才科学者の娘で、第二級プログラマーのナターシャ(アンナ・カリーナ)に、愛と苦悩の意味を教えることができるのか。
ナターシャに「ジュ・テーム」と言わせたら、レミーの勝ち。言わすことが出来なければ、お陀仏。
ゴダール作品の中で、最もシンプルで、ストレートな愛の物語。
当初のタイトルは、『ターザンとIBM』。
1965年製作。フランス・イタリア合作。1時間38分。白黒。スタンダード。1965年ベルリン映画祭金熊賞受賞作品。

初出:2005年06月29日 14:45 ソーシャル・ネットワーキングサイト[mixi(ミクシィ)]内レビュー


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