〈Don't look back in anger〉

2019年7月18日―あの事件から二年、私は〈Don't look back in anger〉という言葉に唐突に出会いました。なんだかひどく心を揺さぶられて、その言葉が背負ってきた歴史を少し調べることにしました。英語なので各々の翻訳、解釈は分かれるでしょうが、「怒りによって振り返らないで」とそういっているように感じました。

京都アニメーションが制作した映画、「聲の形」は私の心のよりどころです。「生きていていい」と背中を押し続けてくれる作品です。母と二人で映画館に行ったのをよく覚えています。原作がもともと大好きで京都アニメーションさんがどのようにこの作品を扱ってくれるのか本当にドキドキしていました。本当に最高の映画でした。京都アニメーションを応援し支持する全ての人にそんな素敵で大切な宝物があるはずです。

悲しいことは「京アニ」と聞いて一番に思い出すのがあの事件になってしまったことです。勿論とても大きく許しがたい事件でした。でも本当はそれ以上に京アニは素晴らしい作品を生み出してくれた存在だったはずです。たくさんの言葉が悪意や悲しみ、恐れに飲まれていきます。「東北」と聞いて「震災」を思い出すように、「京アニ」と聞いて私の脳裏にはあの黒く焼け焦げた建物が浮かぶようになってしまいました。それが悲しい。

悲しみと同じくらい京都アニメーションがくれた感動や喜びも思い返したい。そしてこれからも応援したい。そう思います。

終わりに、お気づきの方も多いと思いますが藤本タツキ先生の「ルックバック」を読んだおかげで〈Don't look back in anger〉という言葉を知ることができました。考える機会をいただきました。ありがとうございました。


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