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ガンジャ先生。4-4

聖地 カオサン

この通りを歩くと安心する。ああ今日も賑やかだ。
歩くと若者がイキイキしている。ここはある意味到着点なんだろうか?彼らの旅は、まだまだ続いていく。
LOSER - GENSHI YONEZ

 賑やかな音と露店がのき並ぶ。
近くにお寺もあるようだ。時おりお香の匂い、タイ独特の油で炒めた匂いがする。

「よし着いた。ここで自由行動だ。ちょっと気が早いが、お土産など購入してもいいぞ。携帯電話はもったか?17時くらいまでゆっくりしていいから集合の連絡をする。個人行動は見える範囲でするんだぞ。俺は用をしながらあそこのコーヒー屋にいる」
簡単に案内してくてた先生は、大通りの真ん中にあるスタバを指差す。
「「はい!」」
先生は、さらにみんなに千バーツ追加でくれた。

 カオサン通りは週末にかかり本当に混み合っていた。
英語の手書きの看板、左右のレストランでは爆音のミュージック。
ビールで赤くなってる白人と大声で呼びかける物売りのタイ人。少し怖いが危害はなさそうだ。
ちょこちょこアジアの人もいるが、日本人か韓国人、中国人かもわからない。特に欧米の若い白人層が目立つ。

高い建物はホテルなんだろう。家族連れが大荷物で入っていく。
ここだけで丸一日潰せそうな勢いだ。
今日も祭りは続いていく。

 「匠君、何かほしいものあるの?」
「ぶらぶらかな〜。委員長はなんか欲しいものあるの?」
「んー少し羽織るものとか日傘欲しいかな。ほら、日焼けしたし。。」
 確かに昨日一日だけど軽く腕の辺りは日焼けしていた。
恐るべし南国の日差し!
雑貨屋を周りながらメンソーレータムとかお香、ストールを委員長が選びながら買っている。
僕はというと、雑貨屋でストールの柄に惹かれて、ゆっくり拡げながら選んでいた。

「バァ!!」
!!!
「‥‥‥なんだ歩か。驚かすなよ」
ストール裏に回っていきなり顔を出してきた。
ケラケラ笑う歩の後ろには茜がついている。
「なんか見かけたからー驚かそっかーてなってさー。いいもの見つかった?あ、これ似合うじゃん」
ラスタ模様のニット帽を僕にかぶせる。
「イケるイケる♪買っちゃいなよ」
「アハハ♡匠君似合ってるよ」

180バーツ。。高いんか安いんかわからないけど。
まぁいいか。
そんな感じで僕らは路地でからかわれながら4人揃ってあちらこちらで買い物をしていた。

‥‥‥あれ?タツヤはどこいった?


■■■


「んで‥‥買い物行かねえのか?未亜?」
「はい。先生について行きます!」
「ちょいちょい知り合い周り挨拶しながらまわるだけで面白くもなんともないぞ?」
「先生と二人っつきり。。ふふふ」
未亜は何か変な事呟いている。
まあ迷子よりはいいか。はぁ。

 ガンジャ先生は知ってる道のりをすいすい歩いて、ホテルに隣接してある小さなオフィスに入っていく。
『久しぶり。田丸いるか?チケットを取りたい』
『ガンチャン!元気?イマ、ゴハンタベニデタ。ケドスグモドルョ』
『ではバスで7人分。タオ島着でよろしく。フェリーもつけてな。パンガン経由で戻り』
『OK、イマノジキハ‥多い。アラ?フルムーン?若いね♪』
『アハハ。パンガン、ホテル行けそう?4人部屋2つ。2泊くらいかな。』
『ダイジョウブ。マカセテ!当日と翌日3日分なら行けそうです。ア、バスハ夜発デイイ?ナラスグイ取れる』
『うーん。まあいいか。いつ?』
『アシタノヨル。カオサンカラネ。タオ直通。昼前着カナ?』

ドアが開くと人が入ってくる。
「お?珍しい客人じゃねえか!岩屋生きてたか?‥‥‥お前子供いたっけ?」
「田丸相変わらずだな。俺に似てかわいいだろ〜」
「マジか!おいおい。。日本人だよな!‥なんか納得いかん!嬢ちゃんコーヒーでいい?」
「は、はい!」
タイ語の会話のあと、いきなり日本語で話しかけられると戸惑う。

田丸というよれたシャツに半パンの日本人は温かいコーヒー入れてくれた。
それで話は盛り上がって、私が子供ではないという事はバレた。先生は面倒なんで親戚の子にしてた。

クーラーは良く効き、広くはないけど整理されている。
田丸さんはここでチケットの手配をしているみたいだ。
似たような店は多くあるが、カオサンツアーと日本語で書いてあるし他にもいろいろあるみたい。
世間話でこの辺りもようやく戻ったよ。と田丸さんは話していた。
 暴動は平和的だったみたいだが、カオサンではパトカーを燃やされるなど事情徴収やポリスが多く大変だったみたいだ。その間にもお客はくる。繁盛しているみたい。
的確に英語で答えているビアさんはかっこいい。

なんかタイ語と英語と日本語。。すごいとこだよねココ。。ぽーとしてるなあたし。

「あ、あといつものもランお願いしていいか?」
「おう。それは大丈夫だ。だけどお前行かなくていいのか?休み前といってもフルムーンだぜ。ジャーマンもオージーも泊まってるぞ。安定してきたしな」
「だよな〜飛行機で行くか。帰りは俺も入れて8人分手配でお願いするわ」
「毎度あり♪『ビアー追加注文頂いたぞ』。。と。あと降るな今日は。避難しとくか?」
「いや、買い物もあるし出るわ。よろしく頼む。未亜行くぞ」


『チケットデキタノハコレ。アトハ2時間アトキテ』
おう。また後で。そんな会話しながら出ていく。

「水着あるか?2着くらいある方がいいぞ」
「‥先生は胸の大きな人が好きですか?」
「‥‥‥何のはなしだ?ほらそこで買ってこい。浮き輪買うなよ」
「は~い。一緒に選びますか?やっぱりビキニでしょうか?白が好きですか?」
「だから何の話だ。流行ってるのか‥はぁ」

私と先生のデートは続いていく。
道行く人紛れ先生の服を軽くつまんだ。
うふふ♪外国楽しいな〜

外は今日もいい天気で…
「ゴゴゴッ‥‥」
 
 あれ?雲っている?

 南国特有の入道雲が大きくなり。

次の瞬間夕立ちがカオサンを襲った。
「未亜。避難するぞ!」
先生は手をつないでコーヒー屋へ向かう。その手は大きくて。とっても暖かかった。

□□□

その頃また事件が起こる。
想像もつかないような事を知ったのは。僕が最後だった。

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و