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忘却の螺旋は。砂漠の砂でも消えない 3-5

動き出す事件

帰り道は少し慣れてきた。
僕は砂漠の音を忘れない。
風が通り過ぎると沈黙だけが体を駆け回る。

少し目眩がする。
ふと親父の事を思い出し、吐きそうになった。

忘却の螺旋は、砂漠の砂でも消えない。
Edward Maya & Emilia - Harem ft, Costi remix

ついたのは10時くらいだろうか。
思ったより早くラクダの集まるキャラバンに戻ってくる。

多くのラクダと、それを世話をするインド人。
彼らはずっと同じ様に生きていく。
少し羨ましく思えた。

『あれ?清水さん。もう来てたの?』
『ようパダム。元気そうだね。バイク調子いいか?』
『あはは。じゃあ紹介はいいね。みんなお疲れ様』

一同はタクシーに乗り込みパダムのホテルに向かう。言葉はなく、何とか生き残った、って感じだ。早くシャワーを浴びたい。

「匠くん。。なんかあったかな?怖い顔してる」

「ユッキー。大丈夫だよ。ちょっと砂漠で思い出してね。親父」

「・・そっか。私何考えてたのかな?ずーっと。。前見てた」

「星空は良かったけど。もう砂漠はコリゴリだ」

「ちょっとわかるかも。でも良かったと思わなきゃ!あの音は。。地球の音かな?」

 言いたい事は解る。言葉では表現がしにくい。単に風が耳元を過ぎるわけでなく耐えず廻っている。それが当たり前なると感覚が狂う。もちろんコケたり、上下がわからないわけでなく。。 

地球の音はいい線いってる。


気がついたら手をつなぎ。ガンガンで冷え込むタクシーの中でふっと安心した。
帰りは順調に。ムスリムの白い軍団もいないまま城壁に戻れた。


□□□

「んー移動か。ケララまではそこまでかからんが。。いると思うか?」

「難しいでしょう。でも何かヒントありそうな」

「雪菜さんって言ったかな?気をつけてな。インド人は日本人女性に弱い」

「・・そうなんですか?通りでよく頭撫でられたような。。」

「あたしも日本人ですけど!」

「・・小さいと子供に思われる。歩ちゃんで良かったか。まぁその方が安心だ」

「えっと。。大丈夫ですか?」

「離れない様に。さらわれるぞ。インドの南はどちらかといえば穏やかだが。逆に宗教色が強いんだよ。ヒンドゥーだけじゃないしな。狂宗教色が強く、当たり前にコミュニティがでかい」

「ケララは危ないのですか?」

「危ないというか女性一人は無謀だ。10人行けば半分以上犯されるだろ」

言葉につまる。。そういう可能性があるのか。もちろん無事な可能性あるが、低いと。
単純ビジネスの一貫なってる部分、安心な事など少ない。

「今日は情報集めてみる。WiFi治ったか?パダム」
「バッチリ。停電しなければ。。」
「岩屋に聞いてみるか。ガンジャ先生は元気だったかな?」
「「バッチリ(元気!)」」

モモを食べる。昨日同じ店にしたのは風通りがいいし、この店僕ら以外いない。
出るのがゆっくりなのは、奥で餃子必死に巻いてるんだろうな。。
小さい子もビール買ってくる。
お婆ちゃんは外でお皿洗う。
パダムが言うとおり。この街は下手に観光観光して無い分いい所だ。ゆっくりと時間が過ぎる。


□□□

「よしSkype繋がった。あーもしもし?岩屋か」
「清水さん。お久しぶりです」
「まず古畑から連絡を聞こう」
「3日まではコテージに住んでいたみたいですが。それから宿変えたみたいです。5日目にインドの青年と歩いているのを見たらしく、それ以上は情報がないと。そのコテージに古畑はいます」
「・・金(キム)はなんて?」
「大きな話しは何も来てないと。ただムンバイでもそういう話はないと。中国人はどちらかといえば始末されますからね」
「ふむ。。手がかりなしか。。Yhudahに聞いてみるか。金にプネーも調べてと。あとカード情報の履歴を古畑に聞いておくように」
「わかりました。また報告します」
「これが終わればバンコク行くか。楽しみだね」
「・・はい」


Skypeは切れた。どうもガンジャ先生はこの坊主に頭が上がらないらしい。


「パダム。とはいってもクジャラートの話だ。ハイデラバードとまでは行かないが、パキスタン沿いの軍部に送られる可能性もある」
「!清水さんスゴイね。軍部の親戚に聞いてみる。アジア人は目立つだろう」
「とりあえず情報が足りない。カード履歴で場所がわかればはやいが。。ん?どした」

・・みんな話ついていけないようだ。
英語と日本語。思った以上のやり取り。半分ボーッと聞いていた。


そして晩御飯はリッチなレストランに。
メインはカレーだけどとても美味しい。またナンもバターナンで日本で食べるときと同じだ。

「あの、、清水さんいれば俺たちいらないかと。。」
「何も役立ってないです」
「ん?お前達は遊びに来たんじゃないのか?まぁもう少しインドを楽しめ。豆スープも美味いぞ♪」
・・なんか吹っ切れた。
早めの食事だったが、暗くなるに連れて屋外のテラス席はきれいに輝く。
多分☆つきレストランだろうな。。パンおかわり自由だし。サラダも冷えてる。

「・・ここ高いんですか?」

「心配か?4000ルピー行かないくらいかな。7人なら全然安い。あ、ワインも頂戴」

「物価が。。わかんなんくモクモグ」

「パダムの所は1泊600ルピー。最後払えよ(笑)」

インドの物価は本当にわかんない。サンダルも買おうかな。
ワインがきたらプイさんの出番だ。
流石接待がうまくパダムも楽しそう。。

「パダムさんはお酒いいのですかね?」
「インド人はうまく使い分けてるんだよ。知り合い入れば絶対飲まない。ホテル関係者な。しかしこういう外人多い場所ではうまく合わすのもビジネスだ(笑)アサーティブ・コミュニケーションか。パダムはあー見えてやり手だぞ?」
プイさんに注がれてデレてる気がするが。。
まあパダムはパダムで凄いかもと思えた。

聞けばシンの名がありクラスが高いらしい。
インドにきてからカースト制度のこと、また生まれの重要さを学んだ。
日本人で良かったと思うが。
決められた人生というのも迷うことないなんだろうな。

屋根がないテラス席は星空が見える。
昨日と同じ配置の星なのに。なぜか光が弱く吸い込まれる事もない。

人生は得として不思議だった。
わかんないことばかりだ。


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経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و

ありがとうです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و
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海外が好きです。広島出身。 よくいる広島人で。燃えやすく冷めやすい(笑) 香港とバンコクで働いていました。  いろいろな経験を小説やマガジンで説明できればいいなと思います。 この世界は素晴らしい。 Twitter @tactvv
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