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ガンジャ先生。4-6

雨のカオサン

ひっくり返すように雨が降ってくる。
大通りにいた人が一気に姿を消した。
Zedd,Alessia Cara - Stay

ちょうどスタバに先生と避難する様に入り込む。
 「ダメだ。振り出したなこりゃ」
「傘とか持って来てませんよ?」
「こっちはすぐ止むよ。しかし足場が悪くなってしまうがな」

ちょうど観光客も一斉避難しにきたらしく、席が埋まりだす。先に座れて良かったな。
「何か飲むか?ミルクだけもあるぞ」
「むー子供じゃありません!フラペチーノ小さいの!」

ケラケラと笑いながら先生は注文を終え、大きなラテと小さいフラペチーノを持って帰ってきた。
外は暗くなり、露天片付けなど始まっている。

「とりあえずしばらくは動けないだろ。まぁ南国特有のスコールだ。タイだしな(笑)」
「‥‥びっくりしました」
席も賑わい店舗はすぐに埋め尽くされていく。あちらこちら立ってる人もいる。
「お♪あっち見てみろよー匠達だろ。うははwびしょ濡れ」
「先生ひどい。。」

「ねぇ先生。。。?私達の事って聞いていますか?」
未亜が真面目な顔をして聞いてきた。

「山本から聞いているが詳しくはしらん。学校行ってない問題児くらいか」

「・・・」

「ただお前達にも理由があるんだろ?」

「・・はい」

「別に言いたくなければ言わんでいい。仕事は旅行案内だしな」

「いいのですか?」

「構わん。ただ未亜。お前には個人的に聞きたい。辛いなら言わなくていい。未亜?両親から殴られているのか?

「・・・」

口を開いてすぐに助けてもらいたい。
少なくともガンジャ先生は守ってくれそう。
しかし言おうとしたら涙が溢れてきた。

だめだ 止まらない

「‥‥‥泣けと言った訳ではない」

「ウグッ。ウグッ。ごめんなさい。。」

先生は紙ナプキンを渡してくれた。
落ち着く様に私は話だす。



――両親は仲良く普通の家庭だった。中学生の頃までは。

ただ父親が事故で亡くなり、一時は保険でなんとかなったが、それからは金銭的に苦しくなった。と思う。中学まで上がる私は詳しくは知らない。

 母親は高校に入る前に再婚したが、それは私の学費、ゆくゆく大学のお金になる事を母親から聞いた。

 新しい父親は初め優しかったが、リストラされてから性格変わってしまう。。。
ちょうどその頃、証券会社が潰れる事件が多かったし、再婚した父親も商社マンだった。
 今は遠距離トラックの仕事しているので、常時家にいることはないが、ある日を境に私を殴りだした。

 原因はわかっていないが、母親はケンカをしながら庇ってくれる。そういう時期が続いていた。
高校2年になる前に暴力はエスカレートしひどくなり。
私は目の上を骨折してから学校にいけない状態になった。

起きたら病院だった。

片眼が腫れて、顔に包帯が巻かれ
。。お母さんが「ごめんね!ごめんね!」
と大泣きしているのが印象的だった‥‥‥

私はその時の事は覚えていない

その時

私は犯されていたみたいだ

その日の夜。。下半身がジンジンして‥泣いた



 その後学校に行く余裕もないーー



 勉強で図書館に通っているが、それ以降父親と顔を合わすと殴られるのが当たり前に。

‥‥‥見てない所で、母親も酷いことをされている。

最近。父親の部屋で白い粉と注射器を見つけた。

――先生。私はどうすれば良い?

どう。。すれば。いいです。。。。か?

涙が外の土砂降りに勝るほど。

 未亜は嗚咽(おえつ)していて何度も言葉を詰まらす


■■■


単純な話。
これは未亜の手で解決できる事はまずない。
家族環境によって異なるが、これは最悪のケース近い。
外部が手を打つにしろ慎重行動すべきだ。
軽はずみな言動は抑えることにする。

「わかった。ありがとう」

少し泣き止んだ未亜は、ずーっと言えなかったんだろう。
少し笑顔で「うん!」と頷いた。


「未亜ね。高校が嫌な訳ではないの。お母さん心配なだけ」

「そうか」

「後ね。まだまだ我慢できるから。未亜強いんだ!」

「そうか」

「だから心配しないで」

「そうか」

「ごめんなさい。。。助けて先生」

「そうだな。」

それからまたゆっくり頭をなでて上げた。

全てをぶち壊したくなった。
先生はコップを握り潰し。我慢する。


山本。この問題はそっちの案件だ。だけど。

酷すぎる。

未亜を笑顔にできるだろうか?

◇◇


先生は小さな暖かいココアを持って来てくれた。
少し雨の勢いが収まる。

その後止むと小さな虹が見えたようで。
コーヒー屋はまた騒がしくなってた。
みんな来ないで。ずっとここにいたい。


□□□


‥‥‥一方迎いの露店の先では。

「うわぁ〜びしょ濡れ。。」
「ほらタオル使えよ」
「ありがと〜準備いいね匠君♪」
うっ。。
眼の前でオバちゃんがタオル売っている。
委員長に向けて、親指立ててサムズアップして!
それいらないから!

「ありがと〜匠。気付くの早いねw」
「しかしこんな感じ初めてだな。ゲリラ豪雨ってこんな感じ?」
「だね〜みんな無事かな。」
そういえばタカシ忘れっぱなしだ。電話かけるか。

「‥あれ?タカシ繋がんないや。携帯壊したかな」
「本当?まぁ大丈夫でしょ。タカシ君だし」
「あ〜。さっき買ったクッキーがびしょ濡れ。。」
「茜も写真撮ってないで速く拭かないと。ブラ透けてるよ」
「マジか」
再びキッ!と女性陣から睨まれる。
あれ?最近俺悪くなくね?

路上にはすでに水溜まりというか、小さな川になっている。
 とりあえず動けそうもないからタツヤにメールを打つ。ローマ字だからわかるだろ。

歩と委員長はおばちゃんとキャッキャッしてる。
 豚の(?)柔らかいボールみたいなの出して販売していた。小さな板に投げつけて貼りつき。。
ネバーっと落ちて遊んでる。
 ‥たくましいな!オバちゃん!そして歩!買うな(笑)

少し茜がボーッとしてたんで声をかえた。

「いつも眠そうだけど。。大丈夫?」

「ん?大丈夫だよー少し座りたいかな」

「んじゃ俺の上に座る?(笑)」

「ありがとう〜遠慮なく」

それからしゃがみこんでる俺のヒザに茜が座る。。
あれれ?冗談じゃないのか。
 茜のお尻の感触は暖かく、少し冷えた体に温度が戻ったようだ。人肌って安心する。透けるブラも眼の前だ。
 周りは意外にも気づかず、そこそこ感触を堪能しつつ足がめっちゃしびれたごろ。。

「何してんじゃー」と歩&委員長に蹴飛ばされる事になる。
・・・世の中理不尽極まりない。


しばらくすると、ふと先生から電話がかかってきた。

「もう雨も止んだし買い物はいいだろ。スタバって場所解るか?」
「はい。真ん中のとこですよね。近いと思います」
「ああ。そっちは楽しそうにしてたな♪(笑)店内に座っているからーみんな連れて来い」
どこから見てたんだこのおっさん・・

そうして全員揃い。
とりあえず風邪引くから着替に帰るとなった。
カオサン通りでまたタクシー捕まえて乗り込む。

え、タツヤ?普通に歩いて合流してたけど、なんかボーッとしてた。なんか変なもんでも喰ったんかな?


――少しずつ問題が解きほぐすされ
 
  また知らない所で増えて行く

  ガンジャ先生。みんな笑顔になれますか?――

経験はチカラです。 若い頃行っとけば良かったな〜と思う事も多かった。 世界は広いです♪ ٩(ˊᗜˋ*)و