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高校3年生の球児たちへ

どんな言葉を探しても、どんな言葉を選んでも君たちの気持ちを軽くすることは出来ないでしょう。私の人生の中でもこんな事態は初めての経験です。

「甲子園」

それは私たち野球を大切にしている者なら誰もが憧れる特別な場所、どうしても行きたい場所です。その為に歯を食いしばって頑張って、その為に犠牲にしてきたことも多いと思います。今回、そこに向かってのチャレンジする事さえ出来なくなってしまいました。

今は現実をポジティブに受け止めて頑張ろうなどとは言いません。我慢することはないです。思いっきり涙を流してください、思いっきり泣いてください。

しかし、人生はまだまだとても長いのです。日本語とは実によく出来ているもので、「涙」という字は、氵(さんずい)に戻ると書きます。氵とは水を意味するものです。つまり、涙という水を流したら、元の自分「戻る」事を意味します。「泣」も氵に立つと書きます。思いっきり泣いたら、また「立ち上がろう」という意味です。

私は、高校2年生の時に、肩肘を壊しボールが投げられなくなりました。そして、部の不祥事で出場停止ということも経験しています。その頃を思い返すと、絶望しかなかったです。しかし、その絶望感が後々の人生に大きくエネルギーとなってくれました。間違いなくこの経験が今の仕事に繋がっています。

今まで頑張ってきたこと、積み上げてきたことは、絶対に無駄にはなりません。これから野球を続ける人も辞めてしまう人もいるでしょう。野球続ける続けないに関係なく、私がそうだったように「あの時の悲しみ」があるから「今の自分」があると思う日が必ず来ます。

出来るだけ客観的な話をしなければいけない私が、このように主観的なことしか言えなくて恥ずかしいのですが、野球の先輩として、人生の先輩として、経験論ですがこれは間違いないのです。

困難は人を強くします。困難の時に頑張った人は、その後必ず大きく成長するのです。

君たちの人生は、まだ2回裏くらいです。勝ち負けどころか試合成立さえしていません。いっぱい悲しんで、泣いて、そして、再び次の目標に向かって歩いて行こう!この経験を力に変えて!

最後に、どうかコロナなんかのせいで野球を嫌いにならないでください!どうか皆さん野球好きでいてください!野球好きはお互いを引き寄せると思います。だから、いつかどこかで会えるでしょう!その時に、成長し大人になった君たちに会えることを楽しみにしています。

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