第13話　総資産３５００万からの滑落人生

バケモノ銘柄　ガンホー

私が全力投資したガンホー株は

その後も順調に上がり続け、

何度かストップ高を記録します。

2013年　5月14日

ガンホー株が最高値を付けた日

私の含み利益は２９００万円になっていました。

口座の資金６００万と合わせると

総資産　３５００万円にまで膨れ上がっていた。

ごく普通の平サラリーマンが

資産運用を初めてたった４ヶ月で

資産が約２０倍になったのだ。

普通に考えると、これは異常な事である。

しかしこの時は既に感覚が麻痺していて、

資産を1億円を目指そうとまで考えるようになっていた。

もう麻痺してしまっているのだ。

結局ピークでは売らず少し下がった

5月17日に全てを手放した。

利益は目減りして

総所持金　２３７０万に落ち着いた。

株をやり始めた当初は、

自分のような素人が勝ち続けるはずなどない。

今は特需だから上がっているだけ。

通常の相場に戻る前に

ある程度まとまったお金ができたら

さっさと撤退しようと考えていた。

このタイミングで辞め、

銀行に２００万返せば手元に２１７０万の現金が残る。

10倍以上のリターンで終わることが出来ただろう。

利益としては十分だ。

先物取引で損をした分を差っ引いても

余りある金額でした。

しかしまだまだ上がりそうな日本株の様子に

完全に飲み込まれている私は

他の銘柄で資産を増やす事に頭が一杯だった。

さよなら西川くん

そんななか西川くんから次の情報が舞い込む

新規上場して一気に高騰した株を勧められた。

私はこの時、

他に目星を付けた銘柄が特になかった。

相場全体の雰囲気はガンホーの高値を付けてから

全体的に調整が入っていて不穏な空気に包まれていた。

しばらく様子見るべきその不穏な空気感を

無視して、私は西川くんの勧めた銘柄に

現物２０００万投資してしまう。

その新規上場から一気に上がり

高止まりしていた銘柄は、

私が投資した日から下げ始める。

新興で発行枚数の少ないこの銘柄は

崩れるように下げ始め、

ついにはストップ安を記録

人生初のストップ安を経験する。

結局、翌日に全て売れたが

マイナス35％以上だった。

数日で740万を溶かしてしまう。

そこからは資産の上下を繰り返しながら

徐々に資産は減っていくのだ・・・

その後も自分の判断で売り買いしたり、

西川くんの勧める銘柄を売り買いしたり

したが、ガンホー株ほどの

勢いのある銘柄に恵まれる事はありません。

完全に負のループに入っていた。

この頃の私は資産が目減りした不安と

もう一度ピークに返り咲きたい焦りで

頭がおかしくなっていました。

金銭感覚も普通ではありません。

そんななか、

西川くんの情報で資産を大きく減らす取引が

立て続けに起きてしまいます。

余計な情報に翻弄される、自分が嫌になり

連絡を絶ってしまいます。

本当に身勝手な事をしました。

株式投資を退場　芽生える自殺願望

当時、売り買いしていた銘柄

ガンホー、コロプラ、ミクシィ、エイミング、

クルーズ、gumi、ドリコム、ミクシィ、

エニッシュ、クラブ、アドウェイズ、ユナイテッド

などのスマホゲーム関連の他にバイオ関連、

自動運転関連、オリンピック建築関係などでした。

最終的には

2015年　8月下旬

日本株に大きな下落が連日続き

レバレッジを掛けていた私は

耐えることが出来なくなり

事実上の退場となります。

この時、銀行融資２００万の他に

クレカキャッシング５０万も借りて

追証に耐えてました。

それでも下落に耐えられなくなり

全て売却した時には10万円も残りませんでした。

・・・

大引け後の15時

たまたま休日だった私は、

スーパーの駐車場にいました。

乗用車の運転席でスマホを持ったまま放心状態です。

この時私はメモ機能に家族に宛てた遺書を書きます。

本当にゴメン　〇〇

本当にゴメン　〇〇

本当にゴメン　〇〇

と家族全員の名前を書きました。

私は真剣に自殺を考えました。

本当にダメ人間だと自分を責めました。

投資に失敗して自殺する人の気持ちが

痛いほどわかります。

もう自己イメージも崩壊し

自己肯定感も皆無な状態でした。

生きなければならない？

しかし家に帰宅すれば

何も知らない妻が笑顔で迎えてくれます。

何度も死にたいと思います。

しかし家族の顔を見て何度も踏み止まるのです。

そんな気持ちの変化が激しい

不安定な日々を何日も過ごします。

資産が目減りしだしてからの数ヶ月

体重もずいぶん落ちました。

顔もげっそりやつれています。

食欲もなく

深い眠りにもつけず

それでも家では悟られないよう笑顔でした。

全て自業自得です。

逆に退場して安心した事もありました。

寝ている間のNY市場が気にならなくなり

毎朝の不安なチェックがなくなりました。

資産もこれ以上減ることがないので、

漠然とした不安感がなくなりました。

もう第3者に振り回される事はなく

相場のストレスから解放されたのです。

しかし本当の地獄はここからでした。

つづく