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シルクロード day3 緑の都アルマトイ

ウルムチに来た場合、中央アジア方面に抜けるのは主に3通り

①ウムルチから北上、カザフスタンに入りキルギスへ。ビシュケクやシムケント経由でタシケントに抜ける。シルクロードのオアシス都市及び未承認国家のカラカルパクスタンやトルクメニスタン行くならこちら。

②ウルムチから西進、カシュガルからイルケシュタム峠を抜けてウズベキスタン南方のオシュへ。ワハーン廻廊やパミール高原といったタジキスタンの秘境エリア行くならこちら。

③同じくカシュガルに入り、クンジュラブ峠からカシミール地方を抜けてパキスタンのフンザ峡谷へ。そのままイスラマバードやラホールにも。イランやインドに抜けたいならこちら。

今回の僕の選択肢は①。
タリバンとかいう怖い人達がウヨウヨいる②は論外だし、最近ドンパチ始めたカシミールを通る③も拘束されてブタ箱フラグだ。
社会人はリスク管理が大事やからね。
パスポート切れる2025年までは死にたくない。

2040ウルムチ発…のはずが何故か30分前倒しで離陸。のんびり向かったので危うく乗り遅れるラスト客の僕である。

2時間ほどでカザフスタンのアルマトイに到着。時差も2時間あるので現地時間も20時を過ぎたところ。時計の針は動いていない。

ともあれ
46カ国目、カザフスタン入国

↑カザフスタン入国

予想外の早めの到着に、やるやん!と思うもそこは旧ソ連、イミグレが全く進まない。結局定刻通りと何も変わらず。ようやく順番が来るもカザフイミグレ、あろうことかパスポートの1番後ろのページにスタンプを押印。前から詰めたいのに空気を読んでほしい。これでマイパスポートの最後尾スタンプはエジプトを更新してカザフスタンになった。

到着ロビーを出るとわんさか大集合のタクシードライバー達。これだよこれこれ、外国に来た感が一気に湧き出す。とりあえずウルムチの余りの中国元と一部米ドルをカザフスタンテンゲに両替。紙屑みたいな紙幣が出てくるかと思いきや普通に綺麗だった。

↑アルマトイ空港

アルマトイ空港は予想以上に小さめ。一応中央アジア最大級の都市らしいのだが、伊丹空港の半分もないだろう。その分バス停も近いので迷う心配もないのは安心だ。

群がるドライバーをガン無視し目の前の路線バスに乗車、そのままアルマトイ中心部に向かう。 イミグレで時間食ったので中心部到着はもう22時。ここから宿探しはなかなかにハードだが文句も言っていられない。
野宿はコリゴリやで。

が、行き先がおかしい。グーグルマップに従って降りるもどうも周りの建物と合っていない。
2度繰り返すが野宿は嫌。歩いて見つけたホテルにそのままチェックイン。

まさかの高級ホテル。しかも四つ星。

財布が泣いているが背に腹は変えられない。
泣く泣く課金。
ホテルのワイファイに繋いでびっくり、グーグルの位置情報が3.4キロほど南西だった
もうなにも信じられない、、、。

↑これが四つ星の力や!

8時起床。
高級ホテルなので朝食も優雅。
とりあえず体力回復したので市内散策。

ここアルマトイは南の天山山脈の裾野に広がる街。裾野なので南側から北側に向かうにつれ、標高が低くなってくる。
市内はとても広く、道路は碁盤の目状。かつてソビエトの自治共和国時代は首都であり、今も100万を超える人々が住んでいる。
また緑が非常に多い街。昨夜到着した時は灯りが少なく暗い街と思っていたが、その原因は木。ほぼ全ての道の両側を街路樹が覆い尽くしている。日光絶対遮る強い意志を感じると共に、そりゃ暗いわと納得。

↑市内からは天山山脈が見える。

↑緑の都アルマトイ

数少ない見所まで距離があるが、ここまで緑が多いと散策も楽。日光なんてあってないようなもんだ。

まずは戦士公園へ。第二次大戦の戦死者の記念碑があるかららしい。決して戦死公園ではない。戦士達の像は本当に片隅にポツンと佇んでいる。虚しいなぁ。像に変わって人々が集まっているのがゼンコフ正教会だ。1904年建立と100年以上の歴史を持つ、世界で2番目に高い木造建築らしい。英語版ウィキペディア曰く、釘が一本も使われてないらしい。すご!

↑戦士の像。自己主張が激しい真ん中の人が将軍らしい。

↑ゼンコフ正教会。あまり高さは感じないが…

続いて北側にある中央バザールへ。上述の公園と並んで地球の歩き方様がアルマトイどころかカザフならここに行け!と激推しするスポット。露店が立ち並んでいるかと思いきやまさかの室内。どちらかというと中央卸売市場だ。

↑中央バザール西門

内部に入ると、右は果物野菜コーナー、左は肉コーナーとなっている。
問題はその肉の陳列のやり方で、豚とかヤギの頭部がそのまま積み上げられており、艶々な腸や肝臓といった内臓さんも散らばっている。せめて焼くとかしてほしい。
グロいしヴィーガン様が見たら卒倒モノである。
これは写真撮らない方が良かったのかも知れない。

↑豚の気持ちを考えてみよう。

若干気分悪くなりながらバザールの端っこのお土産屋に。(ここで買わないと他に買える場所がある気がしない。)
一応シルクロードの端くれらしく布製品も多いが、ガラスケースに入っているのはまさかのソビエトアイテム。
社会主義的なデザインのキーホルダーやライターやバッジが売られている。
この国ではまだソ連は滅んでないんやなぁ。 6000テンゲをソビエトアイテムに課金。

お金もないので歩いてアルマトイⅡ駅へ。
アルマトイ駅はⅠ駅とⅡ駅があり、Ⅱ駅の方が国際線が出たりと立派…らしいが案外ショボい。なんなら薄暗くて陰気臭いし。
スロベニアのリュブリャナ駅に近い。
こちらも内部は撮影禁止。いや撮るほど立派なもんじゃないぞ。

↑アルマトイⅡ駅。

↑駅内の時刻表。下にワイファイとあるが何も飛んでなかった。

アルマトイⅡ駅からはこれまた歩いて宿に帰還。荷物を引き上げて市内西部にあるサイランバスターミナルに向かう。
だって…アルマトイ …微妙やもん…。

ただの教会と像付きの公園とバザールをあそこまでピックアップできるのはもはや才能ではないか地球の歩き方様よ。

アスタナに移っても良かったが意外と遠いらしいのでここは針路を西に取ることに。
ターミナルは宿から10キロ以上離れてるから徒歩は無理のことで、近くまで路線バスが出る場所まで地下鉄を使うことに。一律40テンゲ。
ここアルマトイはタシケントと並ぶ中央アジアの大都会。地下鉄があるのだ。
こちらも烏魯木斉と同じく最近できた様で構内、車両共に清潔である。

↑地下鉄駅舎。薄暗いが清潔

↑地下鉄車両。

終点まで乗り路線バスでターミナルに向かう。ここで渋滞に捕まり1時間もロス。
そもそもこのバスターミナル。地球の歩き方には「西の方」としか書いてないので非常に分かりにくい。地下鉄のサイラン駅だととんでもないところに着くので注意が必要だ。

↑サイランバスターミナル。

シェアタクシーを捕まえてサイランを14時出発し、一路キルギスに向かうことに。値段は1人3000スム。高くね?と思うが現地民も同額取られてたので文句言わずに払うことに。景色見たいし助手席座りたいと言うが拒否され、助手席には貫禄あるオバ様が着座。なぜだ…

アルトマイからビシュケクに向かうルートは草原の中を突っ切る一本道のみ。左手に天山山脈を眺めながらのドライブだ。
絶景は絶景なのだが、一本道故に交通量が多すぎて風情がぶち壊し。どの車も我先に前に行こうと追い越しの機会を虎視眈々と伺っており、まるで穴埋めのように前の車が追い越すために出て行ったスペースを後続車が埋めていく。
助手席がダメな理由が分かった。このシェアタクシーの助手席とは、追い越し可能かをドライバーに伝えるまさに「助手」だったのだ

ビビる僕をよそに、道中ちょくちょく事故現場に遭遇。フロント部分が消滅し、鉄のオブジェと化した車の残骸が転がっている。
明日は我が身である。

にも関わらず何度も正面衝突寸前のドラテクを見せる我がドライバー。

調子に乗りすぎたのかパトカーに捕まって連行されていった。
おーい客おるぞー。

20分ほどで不貞腐れた表情で帰ってきたドライバー。改心するかと思いきや、吹っ切れたのか更にやばいドラテクを披露。乗客は右に左に揺られ疲労困憊だ。**
そして2回目の連行**。

流石に懲りたのか少しゆっくりになった。
いや最初から反省しよう。

↑牛を積んだトラック。吹きさらしだ。

↑国境地帯に広がる風力発電の風車群。

#海外旅行 #カザフスタン #アルマトイ #バックパッカー #一人旅 #日記 #エッセイ

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