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三菱UFJ銀行との合弁会社設立に向けて

先日、マネーフォワードは、三菱UFJ銀行様との合弁会社である 株式会社Biz Forward 設立に向けた合弁契約締結を発表しました。

株式会社Biz Forwardの目的は「中小企業のお客さまの資金需要に対する新たな金融サービスの提供」

2021年内を目途に ①中小企業のお客様向けのオンラインファクタリング事業 ②三菱UFJフィナンシャル・グループの法人のお客さまを主な対象とした請求代行事業 の2事業を開始すべく、まさに動き始めたところです。

マネーフォワードからは、主にマネーフォワードケッサイ(マネーフォワードのグループ会社)のメンバーが経営・開発を牽引します。

このnoteでは、実際にこの合弁会社プロジェクトに関わるマネーフォワードケッサイ代表の冨山さん、取締役の田中さん、今回のプロジェクトメンバーの山本さんに、お話をお聞きしました。

「合弁契約に至るまでの経緯」「合弁会社設立に向けた現在の取り組み」「目指す世界」についてなど、お伝えさせていただきます。

冨山直道(以下、冨山):
2014年に株式会社マネーフォワードに入社。バックオフィスSaaS『マネーフォワード クラウド』の事業戦略立案や新規事業展開に従事後、MF KESSAI株式会社(現マネーフォワードケッサイ株式会社)代表取締役に就任。Biz Forwardの設立を先導し、同社においても代表取締役就任予定。
田中謙太朗(以下、田中):
2018年にマネーフォワードケッサイ株式会社に入社し、決済事業の営業本部長として、営業/アライアンス/新規事業全般を管掌。2020年2月に取締役就任。
本プロジェクトでは事業戦略策定や事業スキームの構築などを担当。
山本隆弘(以下、山本):
マネーフォワードケッサイ新卒第一号。マネーフォワードケッサイの設立、運営をコアメンバーとして担当。本プロジェクトでは冨山と共にBiz Forward設立からその後の事業運営までを牽引。


マネーフォワードケッサイについて

――マネーフォワードケッサイの事業について教えて下さい。

冨山:マネーフォワードケッサイは2017年にマネーフォワードの100%子会社として設立されました。請求業務を効率化しキャッシュフローを安定させる『マネーフォワード ケッサイ』、売掛金を早期資金化する資金調達サービス『マネーフォワード アーリーペイメント』を事業の柱としています。

会社設立4年で三菱UFJ銀行様との合弁会社設立が決まった背景

全員②

調印式でのプロジェクトメンバー集合写真

――設立から4年で三菱UFJ銀行様と協業というのはなかなかチャレンジングなことだと思うのですが、今回の合弁会社設立に向けてはいつから動き出していたんですか?

冨山:最初に話をしたのは2020年の10月下旬頃ですね。ちなみに、きっかけ、というともっと前に遡って、三菱UFJファクター様にOEMプロダクトの『SEIKYU+』を提供したことなども関連してくると思います。

田中:そうですね、その件で最初にコンタクトをとったのは2018年の10月。そこからのご縁や実績もあって今回の話につながっています。

――2020年10月下旬から動き始めて8ヶ月後の2021年6月に契約締結のプレスリリースというのはかなりのスピード感ですね。

冨山:私達と三菱UFJ銀行様がやっていきたい方向性が合致したということが設立の理由として大きいです。具体的には、マネーフォワードグループはFintech領域でSME(中小企業)の顧客基盤があり、今後もそこに向けて金融サービスを提供したいと考えていました。三菱UFJ銀行様もSMEに対しての金融サービスを強化していきたいという思いがあり、この2社であればよいシナジーが生まれると双方が確信できたからこそ進んだ話です。

田中:マネーフォワード側の話をすれば、過去オンライン融資サービスに取り組んだ時期もありましたが、当時のビジネス環境などにより撤退しました。しかし、SMEの資金調達のペインを解決したい想いはずっとあります。マネーフォワード単独では上手く行かないことも、三菱UFJ銀行様と一緒なら可能になると思うんです。また挑戦できる機会がこれからもある、という期待もあってスピード感をもって進められたのだと思っています。

――山本さんは会社設立当初から新卒第一号として活躍してきました。今回、合弁会社設立を牽引してきてどうでしたか?

山本:合弁会社の設立は、マネーフォワードにとって新しい取り組みなので、難易度の高いプロジェクトだと思いました。ただ、三菱UFJ銀行様と組むことで、マネーフォワード単独ではできない、大きく、新しいことに取り組めるということ自体にすごくワクワクしましたね。

――正直なところ、設立4年で銀行とこのような形で協業するということは想像してましたか?

冨山:事業立ち上げ当初より、金融サービスを提供する場合には、より多くの利用者様に、よりリーズナブルなコストでサービス提供するために、いずれかのタイミングで金融機関様とご協業する形が良いのではないかと考えていました。

――設立が決まってどのように思いましたか?

冨山:当初想定していたマイルストーンを1つクリアしたな、とは思いました。ただ、事業自体はこれからなので、そこに安心することなく上手く軌道に乗るように尽力し、設立の目的であるSMEのペインの解消を行っていきたいです。

――私達にとっても大きな1歩ですね。設立までで苦労された点もあるかと思いますが、どんなことが大変でしたか?

冨山:初めてのことだらけで大変でした笑 マネーフォワードグループとしても合弁会社を設立するのは今回が初めてで、決まっていない点が多く、そこを整備しながら進めていきました。それに加えてマネーフォワードも三菱UFJ銀行様も、それぞれが譲れないポイントというのはあったので、そこをどのように落とし込んでいくかといった点も大変でした。

山本:そうですね、僕もそういった合弁会社設立に関する双方の調整やアドリブ的な対応は今回が人生で初めてだったので、僕自身も慣れていなかったということもあり苦労しました。

ただ、最終的には「両社で解決したい世の中の課題」は一致している前提で協議が進んだので、両社の合意を得ることができました。

合弁会社で行っている取り組みについて

――社名の「Biz Forward」もそういった思いの現れでしょうか?

冨山:そうです、日本のビジネスを前に進めていきたいという思いからこの社名に決定しました。他にも「Value Forward」や「JP Forward」などの案もあったのですが、三菱UFJ銀行様がBiz◯◯というシリーズでサービスを展開されていることや、合弁会社のミッションである「すべての企業を前に進める」というところからこの社名になりました。

――いよいよ合弁会社が設立されようとしていますが、今はどういったことをしているのでしょうか?

山本:今まさに事業開始に向けて動き始めています。事業戦略立案から、各サービス開発、事業運営に必要な契約の整理など、事業に必要な事柄を両社のプロジェクトメンバーが一体になって急ピッチで進めています。マネーフォワードケッサイ立ち上げ時に経験した、「0から立ち上げ」に近いイメージですが、様々な知見・経験を持ったメンバーが関わって進めているので大変スピーディーに進捗していると感じています。

――その中で山本さんはどんなことを担当されているのでしょうか?

山本:私は特に、Biz Forwardで開発・提供予定のオンラインファクタリングサービスのサービスデザイン・開発を担当しています。マネーフォワードらしく、デイリースクラムをやりながら進めていて、Biz Forwardとしてワンチームで新規サービスの立ち上げを進められていると実感しています。
デザインスプリントの形式でサービスデザインを進めているのですが、色んなバックグラウンドや経験を持ったメンバーが意見を持ち寄ってフラットに議論しながらやっているので、刺激的で、とても楽しいです。

ちょうど先日もマネーフォワード側からは、エンジニア、デザイナー、私、それに加えて三菱UFJ銀行様側からは今まで法人営業、融資等を経験してきたメンバーが集まって、オンラインホワイトボード上で付箋を貼りながら意見を出し合ってどんなサービスにすべきかワークショップをしていました。

株式会社Biz Forwardの目指す世界

――背景の部分と重なるかもしれませんが、Biz Forwardとしてどのような世界を目指しているのでしょうか?

冨山:端的に表現すると、SMEが成長したいと望んだときに、資金面で成長を止めてしまわないような世界を作りたいです。実際、運転資金は慢性的に不足しており、金融サービスが行き届いていないために、成長が滞ってしまっているという現実があります。今回の合弁会社ではそのペインを解消できるようなサービスを提供していきます。

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山本:そのサービスを広く届けたり、より便利にしたりするためには、パートナー様との協業も不可欠だと考えています。加えて、将来的には金融に関するオープンなプラットフォームとなっていきたいという構想もあります。例えば資金需要について最新の状況がわかったり、そこでマッチングができたりというようなイメージです。

――なるほど。そのためにどのような組織にしていきたいですか?

山本:そうですね、合弁会社では三菱UFJ銀行様のブランドを使って三菱UFJ銀行様のお客さまにもサービス提供を行うことになります。ブランドの保全や顧客保護という観点も重要になってくるので、その点で特に三菱UFJ銀行様の知見を活かせる体制にしていく必要があると思っています。一方で、サービス開発においてはものづくりの会社であるマネーフォワードの知見が活きるような組織がいいと思っており、ユーザーフォーカスだったり開発のスピード感だったりといった要素は合弁会社においても大切にしていきたいと思っています。

――今回、いわゆるメガバンクと組むことで事業のスピード感などで変化は感じてますか?

山本:いえ、スピードが遅いとか、検討が進まないといったような課題は感じていません。合弁会社に関わるメンバーはできるだけ早くお客様に必要なサービスを届けようと、スピード感を持って進めています。どちらかというと、ベンチャー企業のような文化であると個人的には感じています。

田中:これからもっと双方の企業のカルチャーが交わっていくので楽しみです。先方とやり取りしている中で、「さすが日本を代表する金融機関だな」と思うところが多く、フラットで、非常に動きが早いです。
例えば「銀行はこういうルールでやっているから難しい」という声が現場から出たときに「それをどう変えていくか考えましょう」というような声を先方の責任者が発信するような場面もありました。

――それはすごいですね。今後の事業展開が楽しみです!最後に意気込みをお聞かせください!

山本:この合弁会社でいいものを早く作ってマーケットに届けたいです。そのために顧客ニーズを汲み取り、その上でサービスづくりにフォーカスできる組織を作り上げていくことが必要です。様々な人の力を合わせてワンチームとなるように頑張っていきたいです!

マネーフォワードケッサイのサービスや、合弁会社の立ち上げにご興味を持っていただいた方は、是非ご連絡ください。合弁会社設立に向けて、まだまだ仲間を募集中です。採用はマネーフォワードが行い、マネーフォワードからの株式会社Biz Forwardへの出向という形で合弁会社の立ち上げに関わっていただきます。

▼マネーフォワードケッサイ サービス概要
https://mfkessai.co.jp/

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