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クラウド会計を就職に活かす!福岡職業訓練施設での取り組み

みなさまこんにちは!マネーフォワード広報部の田淵です。

2021年8月と2022年3月に福岡の職業訓練施設にて『マネーフォワード クラウド会計』を使った、訓練が開催されました。福岡県内の職業訓練施設でクラウド会計の訓練が開催されたのは、これが初めてとなります。

職業訓練とは、ハローワークに登録した求職者の方が新しい仕事につくための知識や技術を身につけることができる制度です。身につけた技術を再就職に役立てたり、資格を取得することで未経験の業界にもチャレンジしやすくなります。

今回は、福岡県から委託されて職業訓練を運営している、株式会社日税サービス西日本の中嶌さま、クラウド会計の訓練で講師を務めた税理士法人アーリークロスの久我さま、そして職業訓練施設でクラウド会計の訓練を受け、その後アーリークロスさんへ就職された牧園さまへお話を伺ってきました!

クラウド会計利用企業の増加を背景に、職業訓練へ

ーまず初めに、職業訓練の全体像について教えていただけますか?

日税サービス西日本 中嶌さま(以下敬称略):私たちが委託を受けている職業訓練は半年間の会計の訓練で、定員は毎回30名です。受講生の方は事務の経験が無く、これから事務に挑戦したいという方がほとんどです。そのため、訓練ではExcelやWordの使い方、納品書や給与計算の仕方などの基礎の勉強から簿記や会計ソフトの使い方まで、経理業務に必要な幅広い知識を勉強します。そうした半年間の訓練の中に、クラウド会計の訓練も組み込まれている形です

また、訓練期間中には簿記2級などの資格取得を目指します。複数の資格を取得できるということで会計の訓練は人気があり、いつも定員の2〜3倍程度のお申し込みをいただきます。

株式会社日税サービス西日本 中嶌さま

ー今回、新たにクラウド会計の訓練を導入したのはどうしてですか?

中嶌:もともとは、クラウド会計の訓練を担当されたアーリークロスさんからのご提案でした。私たちは2003年から職業訓練の委託を受けていますが、毎回県で企画競争があるので、時代に合わせて内容を常に改善しています。今はクラウド会計を使用する会社が増えてきているので、インストール型の会計ソフトだけでなく、クラウド会計も追加で学べるのは、これから経理業務を行う方にもプラスになると思い導入しました。

ークラウド会計の訓練を実施して、受講生の方の反応はいかがでしたか?

中嶌:クラウド会計を知らない人がほとんどなので、機能の便利さに驚いていましたね。クレジットカードと連携して、「仕訳データが自動でクラウド会計の画面上に入ってくるのがすごい」という声がありました。

クラウド会計の訓練を開催してみて

ー今回、アーリークロスさんから日税サービス西日本さんへのご提案により、クラウド会計の訓練が実現しました。訓練の提案にはどういった背景がありますか?

アーリークロス 久我さま(以下敬称略):弊社では現在採用を強化しており、職業訓練施設の方へもアピールできる場を探していました。そこで、職業訓練施設のカリキュラムを見せてもらったところ、クラウド会計について学ぶ時間がなかったのです。日本でもクラウドサービスの利用が普及してきており、クラウド会計も使える方が求職者の方にとって強みにもなると思いましたし、私たちもクラウド会計を勉強された方を採用したいという想いがあったので、日税サービス西日本さんへ訓練への導入を提案させていただきました。

↑  アーリークロスさまは『マネーフォワード クラウド』の導入支援を進めてくださっています。

ー実際の訓練はどうでしたか?

久我:2日間(1日6時間)の訓練では、クラウド会計ソフトを使った経理業務(記帳業務)を実際に体験していただきました。受講生の方は先に勉強したインストール型の会計ソフトとの操作性の違いに、最初は戸惑っていたようです。ただ、途中からみなさん操作に慣れて、ほとんどの方は間違いなく仕訳の入力ができるようになっていましたね。

クラウド会計の訓練の様子(写真は2022年3月開催時のもの)

ー実際にクラウド会計の訓練を受けた牧園さんはいかがでしたか?

アーリークロス 牧園さま(以下敬称略):経理業務のイメージが変わりました。これまではPCを使って仕事をしていたので、簿記で習ったような、手で帳簿を書いたり、小切手をきったりという手作業の仕事は、私自身が実際に行う業務としてイメージできませんでした。自分のやりたいこととして、PCを使った先進的な仕事というのがあったので、クラウド会計の訓練を受講するまでは、手作業がメインになるなら経理以外の業種の方が良いのかなと考えていた時もありました。しかし、クラウド会計の訓練を受けて、まさに希望と合致したと感じました。個人的に『マネーフォワード クラウド会計』は他のツールよりも操作しやすく、自分に合っていると感じました。最終的に、この訓練がきっかけでアーリークロスを志望しました。

久我:牧園さん以外にも、経理業務のイメージが変わった受講生の方がいます。3月に訓練をした際、受講生にアンケートをとったのですが、「AIなどの技術を使ったクラウド会計の訓練で経理業務への考え方がポジティブに変わった。」という声もありました。また、「クラウド会計ソフトを使えるスキルを身に着けてキャリアの選択肢が増えると思いましたか?」という設問に対しては、22名中17名の方が「非常に思った」、5名の方が「少し思った」という回答をしてくれました。

ーアーリークロスさんが担当された2日間の訓練で印象に残っているエピソードはありますか?

久我:2日間の訓練の最後に、アーリークロスで活躍している職業訓練を修了した社員にZoomで出演してもらいました。入社時に苦労したことや仕事のやりがいについて話してくれたのですが、とても反響が良かったです。「実務をされている方の話を聞くことで、働くイメージが具体化されました」という声もいただきました。

牧園:私は当時その場で質問したのを覚えています。自分はお金に弱いのが課題だと思っていたので「経理の仕事を経験して、お金の意識に変化はありましたか?」と質問しました。「色々な会社の経理を見ることができるので、お金の動きが分かる。意識は大きく変わっていないが、視野が広がりました。」と回答してもらいました。

今まさに同じことを実感する毎日です。財務支援部という部署で、数百の企業の経理を見ていますが、お金の使い方ひとつをとっても千差万別。社会はこうやって回っているんだと実感しますし、私の視野も広がっていると感じます

会計の知識を使って貢献したい

ー牧園さんが経理の仕事に興味を持ち、訓練を受けることになったきっかけは何ですか?

牧園:お金について学びを深めたかったからです。私は元々NPO法人で働いていました。NPO法人は非営利の団体なので、補助金や助成金が主な収入源になります。ただ、補助金や助成金も期限付きのお金です。やりたいことはあって、やる気もあるのに資金が不足していくNPO法人を見てきました。そのため、非営利の団体であってもお金の知識は重要だと思ったんです。その後、ベンチャーに転職しましたが、そこでもお金は簡単に作れるものでは無いと実感し、これからの人生を考えたときに、「お金」という自分の課題を仕事にして解決していきたいと思いました。そこで簿記について学べる職業訓練を受講することにしました。

アーリークロスに就職した現在は、『マネーフォワード クラウド会計』を使って企業の会計処理をして財務諸表を作るところまで行っていますが、職業訓練施設でクラウド会計の使い方を勉強していたので、スムーズに業務に入れていると思います。

ーこれから先取り組んでいきたいことはありますか?

牧園:私の部署には経理のプロフェッショナルが揃っています。アーリークロスで働き始めて3ヶ月(2022年3月時点)が経ちましたが、まだまだ知らないことがあり、先輩方に頼ることが多いので、この1年は自分がプロフェッショナルになるための修行の1年にしたいです。

また、将来的にはNPO法人の支援もしたいと思っています。NPO法人は熱い想いを持っているけれど、ビジネススキルの側面では支援が必要な団体がたくさんあります。そのような団体の財務基盤を作れるような支援をしていきたいです。

アーリークロスの久我さま(左)と牧園さま(右)

あとがき

福岡の職業訓練施設で初めて実施されたクラウド会計の訓練は、「これから経理業務を担っていく方にはクラウド会計が必要なスキルになる」という想いから始まったと聞き、マネーフォワードの一員として、とても嬉しかったです。『マネーフォワード クラウド会計』が多くの方にご利用いただけているのは、今回お話を伺った日税サービス西日本さまやアーリークロスさまなど、たくさんの支えてくださる方のお陰だと改めて実感することができました。

現在、国内企業の約4割がDXを前向きにとらえている一方で、DXを進めるためのスキルや人材が不足していると課題に感じている企業が約半数存在しています。※ 政府はデジタル田園都市国家構想の基本方針に「職業訓練のデジタル分野の重点化」を盛り込むなど、国としてもデジタル人材のさらなる育成を目指しています。

マネーフォワードは社会のDX化への貢献を目指し、全国の金融機関、会計事務所、税理士事務所などの多様な事業パートナーのみなさまと一緒に「Society Forward」という取り組みを行っています。これからも様々な取り組みを通じて、日本全国のDX化をサポートしていきます!

※出典:帝国データバンク「DX推進に関する企業の意識調査」2022年1月


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