卓球とは「他者と関わること」です。│ハンナ・アーレントの『人間の条件』を通じて「卓球人の条件」を考えよう!①
第二章 公的領域と私的領域
4 人間―社会的または政治的動物
たとえば労働という活動力は他者の存在を必要としない。もっとも、完全な孤独のうちに労働する存在は、もはや人間ではなく、まったく文字通りの意味で労働する動物ではあるが。
(中略)
そして、活動だけが、他者の絶えざる存在に完全に依存しているのである。
卓球は「活動」であり、活動とは、
「他者と関わること」
です。
卓球は対人スポーツであり、相手のことを考えるところに本質があります。
「相手はどのコースに打とうとしているのか。」
「相手はどのコースを待っているのか。」
「相手の長所・短所はどこか。」
「どの技術が相手に効くのか。」
「相手は何の技術をやりたがっているのか。」
などを観察し、最善の策を使うことで、勝てるようになります。
しかし普段の練習で、「活動」ではなく、「仕事」ばかりしてしまいがちです。
「仕事」とは、創作活動です。
「チキータができるようになりたい!」
「ドライブの威力を上げたい!」
など、自分の技術を磨く作業が「仕事」にあたります。
もちろん「仕事」自体は必要です。
しかし、仕事ばかりになってしまってはいけないわけです。
「あの人、良いボール打つのになぜか勝てないんだよなぁ。」
って人いますよね?
こういう人は、「仕事」ばかりしてしまっています。
「仕事」はよくやっているので、技術自体はよく磨かれています。
しかし、「活動」をしていないので、技術を上手く使うことができないのです。
せっかく良いボールを打っても、そのコースは相手が待っているので、簡単に返されてしまうのです。
なので、せっかく磨いた技術を活かすために、「活動」を意識的に行う必要があります。
さらに、卓球が「労働」になってしまってはいけません。
例えば、
「与えられた練習メニューをただこなしている。」
これは労働になってしまっていると言えるでしょう。
「ただこなしている」というのが、いかにも「労働」という感じです。
これでは楽しくもないし、成長もあまりしません。
ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返すのが、仕事であり活動であり卓球であります。
特に「相手を見る」という部分は強く意識して、卓球が「活動」になるように心がけましょう。
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