発刊順:69 ヒッコリー・ロードの殺人
発刊順:69(1955年) ヒッコリー・ロードの殺人/高橋豊訳
このお話は、私の大好きなミス・レモンとポアロのやり取りから始まる。
完全無欠で決してミスを犯すはずのないミス・レモンが、簡単な手紙のタイプになんと3つも間違いがあり、しかも彼女がその誤字に気づかなかったのだ・・・青天の霹靂!
身内の存在すらも感じさせない、まるで精密な機械であるかのようなミス・レモン。
そして、彼女は余暇すらもある新しい書類整理システムの研究に熱中して、それが完成の暁には特許を取り、彼女の名前にちなんだ名称をつけることにしていた。
さらに続きますが・・・こういうくだりが私はほんと好き。
ミス・レモンの姉はというと、
ミス・レモンの姉のハバード夫人は、学生たちの寮の寮母をしており、最近学生寮の中で盗難事件が相次いでいて、そのことで頭を悩ませているのだ。
ポアロは、ミス・レモンにこれ以上タイプミスをさせないため、そして自らの退屈をまぎらわすためにヒッコリー・ロードにある下宿に赴くのだ。
導入部分はとても面白かったのだが、本編が始まるとたくさんの学生たちが出てきて、名前とキャラクターがなかなか一致せず物語に入り込めないパターンのやつ!だ。(私はね)
盗まれた品物は、一貫性がなくしかもそれほど高価なものではない。それではなぜ盗まれたのだろうか。
調べていくうちに、盗難事件の犯人がわかり事件は解決したかに思われた矢先、さらに事件が発生する。
しかも、それは自殺を装った殺人なのだ。
盗難事件の真相から、別の事件が浮かび上がり、さらにその背後にある犯罪。ポアロが事件に関わらなければ解決しなかったであろう。
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