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Tabio Cotton Vol.5 綿花の品種

Tabioが奈良県広陵町の休耕田で栽培している「Tabio Cotton」の品種は『USシーアイランド綿』。
世界4大最高級綿といわれる「シーアイランド綿」「スーピマ綿」「ギザ綿」「新疆綿」の1つに該当します。
繊維長、太さ、色などによりランク分けされ繊維長が長く細いものが良いとされます。

■繊維長により大きく4つに分かれます。
  1.超長繊維綿 35mm以上 
         ※世界4大最高級綿の繊維長は35mmを超え、
             栽培量は綿花全体の5%以下と言われています。
  2.長繊維綿 28mm〜
  3.中繊維綿 22mm〜 栽培量の80〜90%を占めるアップランド綿はここ。
  4.短繊維綿 22mm以下 布団などに利用される綿花はここ。

繊維長比較2

超長繊維綿が最高ランクに位置する理由は細くて長い特徴から引っ張り強度のある細くしなやかな糸を紡績することができるからです。
この糸で作る製品はとてもやわらかく肌触りの良いものとなります。
また、綿花自体の光沢のあるなしにも関係しますが糸を細くすると光沢が増してくるため、シルクのような光沢を放ちます。
綿花の繊維を撚ることで糸になるのですが、繊維長の短い綿花を細い糸に紡績すると繊維長が短い分繊維と繊維のつながり部分が多くなるため引っ張り強度が低くなりプチプチ切れやすい糸になります。
紡績工程の話もしたいのですが今回のブログでは語りつくせないボリュームがありますのでまたの機会とさせて下さい。

品種の話に戻りますが近年、ファストファッションでも使用されることのある最高級綿「スーピマ綿」、世界栽培量が1%程度と言われていますがTabioが国内栽培している「USシーアイランドコットン」は0.00001%と希少性の高い品種になります。
希少性が高い理由としては非常に病害虫に弱く栽培が難しいこと、他の品種に比べて採取できる綿の量が少ないことがあげられますが、門外不出の品種であるため栽培許可を得ることができず広まることが少ない所もあります。
Tabioでは正規ルートで栽培許可を取得しさらに遺伝子検査など真贋も行った種子を使用しています。
ご興味のある方はインターネットなどで「遺伝子組み換え綿花」についてお調べ頂くと世界の綿花事情を垣間見ることができます。

タイトル用写真

■品種選定 
 綿花栽培のきっかけは2009年、Tabioの物流センターがある奈良県広陵町からの休耕田とシルバー人材の皆さまの活用依頼でした。
  ※広陵町は国産靴下生産量日本一 「靴下の町」と言われています。
   また、『竹取物語』に書かれた竹取翁とかぐや姫のゆかりがあることから「かぐや姫の里」にもなっています。
Tabioのプロパー靴下は履き心地の良さと耐久性にこだわり原料となる糸を靴下それぞれの特徴にあわせて世界から取り寄せ日本で編立を行っています。
広陵町の休耕田とシルバー人材の皆さまを活用させていただくことでTabioが考える最高の「靴下専用綿花」を靴下の町で栽培できると考えました。
2009年より6年かけて最高の靴下専用となる綿花選定と日本での栽培技術の確立を行ってきました。
選定基準としてTabioではそれぞれの靴下の特徴にあわせ糸を使い分けます。
すべての靴下にあう綿花はないと考え、綿花そのものの素材の良さと編立職人の技量が活かせる靴下に照準をあわせて品種選定を開始し、日本古来の「和綿」から一般品種そして最高級品種と幾種類もの品種の中から『USシーアイランド綿』を選択するに至りました。
繊維長だけをみるともっと長い品種もありますが靴下には耐久性が求められるため、太さとしなやかさも重要になります。
『USシーアイランド綿』はそれらの基準からベストな品種と判断しました。

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Tabio Cottonの特徴
 ・さわった感触は「しっとり」「やわらかい」
 ・糸に紡績すると「とてもしなやか」「肌触りがよい」
 ・「光沢」がある。
 ・繊維断面が太く引っ張り強度が高い。
 ・細番手の糸にできる。

2009年の栽培開始から12年目を迎え気付けば、洋綿の国内生産量50%をTabioが占めるまでになりました。
「Tabio Cotton」で編立た靴下はもう少しでお披露目できるかと思います。
その時が来ましたら本ブログにて紹介させて頂きます。
以上がTabioが栽培する綿花の品種紹介となりますが今後、このほかにも綿花から糸にする紡績や靴下編立の紹介もできればと思います。

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