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今できる【生徒指導】準備③ 揉め事の仲裁準備

③では、学級内での揉め事があったときの仲裁の準備について書きたいと思います。

今回は、揉め事に対する具体的な対応(事後の対応)というより、事前にケーススタディのように練習したり、もしもそうなったらの対応について確認したりするという準備(事前の対応)になります。

あまり多くても子どもは覚えていられない上、混乱するので、今回は、2つのことにしぼってお話しておきます。

①もしも相手と言っていることが違っていたら…の確認

こちら、かなりよくあるトラブルですよね。

先にポイントをお話すると、もしも食い違ってしまう場合はこうしようという準備をしておくことが最重要だと私は思います。

「強く言われた」、「ひどいこと言われた」という訴えがあり、相手に聞いてみると「言っていない」という具合に平行線になり、解決の見通しが立たない状態に陥ります。

これを避けるために学級のスタートする頃、事前に、指導をしておきましょう。
事後指導で話しても良いのですが、後出しするより、全員に周知しおくとメリットがあります。
事前に話すのは、以下のような内容です。

1、先生が1人2役になり、揉め事の例をみせる。
2、こういうトラブルがよくあるということを伝える
3、解決するためにはどうしたらよいか聞いてみる
4、解決の方法を出し合います。
5、最後に、解決の方法の幅を広げるため、先輩たちがやっていてよかった方法として、オススメの方法を紹介する

オススメの方法では解決のための流れを伝えます。

解決のための流れでは、相手と言っていることが違う場合は、時系列に状況を整理しながら確認をすること、周りの人に聞くことを伝えます。
また、最後まで食い違っている場合は、相手が嫌な気持ちになった部分があることを理解して声をかけてあげるようにしようと話しておきます。


重大な案件の場合は、周りに目撃者がいることが多いです。また、事前にこの流れの共通理解を子どもと図っておくことで、教師の対応も一貫してできますし、子どもたちの協力が得られます。これが大きなメリットです。しかしトラブルの複雑化も近年は多くなっていますので、次の②の項目と合わせてセーフティネットを張っておきます。

クラスで起きたことはみんなでフォローしあって解決しようという共通の認識をもっておけば、何かの時に互いに支え合えるようになっていくのでないかと思います。

②嫌な気持ちをため込みすぎないことの共通理解

友達とのトラブルで嫌な気持ちになってしまっても自分で我慢してしまう人が多くいます。

性格もありますが、そうしたことはやっていると癖になってしまうので、少しずつ自分の気持ちを伝えられるよう、日記等使も使っていろんな気持ちのアウトプットの機会を設けておいてあげましょう。

また、一つの有効な手段として、我慢していてもトラブルが解決することはあまりなく、エスカレートしていくことが多いということを伝える手も考えられます。
マイナスなことを伝えるのは気が引けますが、ここは実感を伴わせたいところですので、しっかりと伝えるのが良いと私は思います。
「周りにいうともっとやると言われた」「誰かに言ったらもっとやられるかもしれないと思った」という話を聞いたことがある人も少なくないと思います。

私は、言わなかったらもっとやられるし、やられ続けるということを思っているタイプです。
なので、「そういうときは、相談だけでも必ずしてね」と熱を入れて、話をします。
後から言われても対応が難しいことも多いためことも合わせて伝えておきます。

最後には、「すぐに相談してくれると迅速に解決ができることも多いし、被害も大きくなったり長引いたりしないから相談することは、自分にとっても周りにとっても良いことだと思う。だから悲しい時、嫌な気持ちの時ほど、勇気をもって相談しよう」と話をしておきます。

・まとめ

こんなときはこうしようと事前の共通理解を図っておくと子どもは動きやすくなる。コミュニケーションが苦手な子も得意な子も「〜のときは、どうしたらよいのだろう。」ではなく、「〜のときはこうしてみよう」に意識を変えておく。

①もしも相手と言っていることが違っていたら…の確認をしておく
事前にトラブルの際の対応の流れを説明しておくことがポイント

②嫌な気持ちをためこみすぎないことの共通理解
嫌な気持ちをためこんでもあまり良いことはないと伝える。
気持ちをアウトプットすることのよさや様々な方法を伝えてあげるのがポイント


以上です。
子どもたちの心の健康と安全を保つためにしっかりと今のうちから準備して良いスタートが切れるようにしておきましょう。



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