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旅をすれば、世界に「スキ」が溢れてく

この6月で、海外を旅するようになって、ちょうど10年が経ちました。

その10年の間に、アジアからヨーロッパ、アメリカ、南米まで、22の国を旅してきました。

「いままで世界各地を旅してきて、自分自身が変化したりした?」

そんな質問を、たまに人にされるし、自問自答することもあります。

確かに僕はいままで世界各地をひとりで旅してきたし、少なからず「自分を変えたい」と思って旅に出たこともあります。

では、この10年の旅を通じて、本当に自分は変わったのか?

そう自分の胸に問いかけてみれば、正直なところ、「自分は変わった」と断言できるほどの変化はとくになかったように思います。

人間的に大きく成長したわけでもなければ、精神的に強くなったわけでもありません。

英語力が向上したなんてこともなく、世界が抱える諸問題への認識が深まったこともありません。

視野は少し広がった気がするけれど、それは「気がする」という程度のものです。

たぶん、これだけ時間とお金を使って旅をしてきたのに、僕はほとんどなにも変わらなかったのです。

でも、ひとつだけ、確実に変わったことがあります。

それは、世界中に「好きな国」が生まれたこと。

いままで旅してきた22の国。そのすべてが、僕にとっての「好きな国」になりました。

どこか懐かしく、あったかい人々に出会える韓国。

のんびりした風がいつも心を癒してくれる台湾。

子供たちの笑顔が最高に可愛いカンボジア。

この世に天国があることを教えてくれたマルタ。

最果ての岬で見た夕陽が忘れられないポルトガル。

人々の優しい笑顔がイメージを変えてくれたロシア。

夜空にびっくりするほど星々が輝くニュージーランド。

エンターテイメントの素晴らしさを知ったアメリカ。

地球の裏側で、幸せの楽園に出会えたブラジル……。

旅に出る前は、ただの「外国」でしかなかったのに、旅から帰ってくると、「好きな国」になっている。

旅はいつでも、そんな魔法を仕掛けてくれました。

もちろん、好きになったのは「国」だけではありません。

夢中で街歩きをした海辺の街は「好きな街」になり、バスの中から見た絶景は「好きな風景」になり、おそるおそる食べた現地の料理は「好きな料理」になりました。

そしてなにより、たまたま出会って仲良くなった人たち、一緒に食事をした人たち、写真を撮り合った人たち、困ったときに助けてくれた人たちは、「好きな人」になったのです。

この10年間の僕の旅は、世界中に「スキ」という名のハートマークを付けていく過程だったのかもしれません。

10年前には、まっさらだった世界地図。それをいま開けば、世界中に赤いハートマークが溢れているのが、はっきりと目に見えます。

世界のいろんな国を訪れて、いろんな風景や人々に出会い、心動かされたひとつひとつに、「スキ」をそっと付けていく……。

きっと、旅ってそういうものだと思うのです。

僕は正直、「海外には興味ない」みたいな若者に出会っても、「世界へ旅に出た方がいい」みたいなことを言うのは、あまり好きではありません。

でも、こういうことは言えるかもしれません。

たった1度きりの人生、世界地図を真っ白なままにしておくよりも、少しでも「スキ」という名のハートマークを付けていって、鮮やかな世界地図を作り上げた方が楽しいかもしれない、と。

このコロナ禍が明けたら、僕もまた、新たな旅に出る予定です。

もっと世界中を、自分の「スキ」で溢れさせるために。

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