マガジンのカバー画像

異国の旅エッセイ

86
海外旅エッセイの集積。
運営しているクリエイター

記事一覧

カザフスタンの世界遺産は、何もない大草原だった

その朝、ホテルで簡素な朝食を食べながら、そこへ本当に行くべきかどうか、迷っていた。 春の…

手塚 大貴
8日前
57

春のカザフスタンで手に入れた、たったひとつの旅のお土産

この春、中央アジアのカザフスタンを旅してきた。 旅に出る前、「どうしてまたカザフスタンへ…

手塚 大貴
2週間前
74

ただ「今」だけを生きるために、旅に出る

海外へ旅に出るとき、いつも思うことがある。 いや、正確に言えば、国際線の飛行機に乗り込ん…

手塚 大貴
2週間前
97

もしタイムマシーンがあったなら、『深夜特急』の頃の香港へ行きたい

村上春樹さんの紀行文に、「もしタイムマシーンがあったなら」という短編がある。 そんな書き…

手塚 大貴
1か月前
271

夢のある日常を生きるために、航空券を買っている

たぶん、一般的に見れば、物欲のない方だと思う。 お洒落な服を買いたいなんて思わないし、車…

手塚 大貴
1か月前
68

どうしてかわからないけれど、心に残る「旅の記憶」がある

ふと、10年前にブラジルへ行った旅を思い出して、不思議なことに気がついた。 それは僕にとっ…

手塚 大貴
1か月前
54

海外旅行帰りに食べる、吉野家の牛丼の美味しさについて

海外の旅から帰ると、真っ先に食べたくなる、日本の味がある。 飛行機が成田空港に着陸し、しばしの時を経て機内を出ると、多くの乗客たちとともに、ターミナルビルの中を動く歩道に乗って進んでいく。 やがて入国審査を受け、ターンテーブルのフロアを過ぎ(僕の場合、荷物を預けないので通り過ぎるだけ)、さらに税関も抜ければ、無事に到着ロビーに出る。 そこが幸運にも第2ターミナルなら、すぐ見上げた2階に、オレンジ色の看板が輝いている。 それを目にした僕は、エスカレーターで2階へ上がり、

それを思い出に変えられたら。旅する心構え、の話

ベトナムのハロン湾でクルーズに参加したとき、同じテーブルになった日本人の社長さんからもら…

手塚 大貴
2か月前
53

旅もまた、百聞は一見にしかず……だと思う

久しぶりのベトナムの旅では、世界遺産のハロン湾も訪れた。 正直、このハロン湾へは、訪れる…

手塚 大貴
2か月前
83

9年ぶりのベトナムの旅で、やっと手に入れたもの

どんな国でも、旅が終わる頃には、その国のことを好きになっている。 旅人としての僕にとって…

手塚 大貴
2か月前
68

沢木耕太郎さんからのクリスマスプレゼントと、新たな旅立ち

昨年、2023年のクリスマスイブのことだった。 ……と書くと、素敵な恋物語でも始まりそうな気…

手塚 大貴
3か月前
60

海外へ旅に出ると、マクドナルドに入りたくなる

海外へ旅に出ると、マクドナルドに入りたくなる。 せっかく海外まで来たんだから、その土地の…

手塚 大貴
4か月前
118

全然キラキラしていない旅の果てに

普段の僕しか知らない人に、海外ひとり旅が好きで……と打ち明けると、意外な顔をされることが…

手塚 大貴
4か月前
70

秋のシンガポールで気づいた、ずっと旅で大切にしたいもの

海外へ旅に出るなら、若いうちの方がいい。 そう思い、20代の頃から旅を続けてきた自分も、気づけば30代も後半になり、「若い」とも言えない年齢になってきた。 もしも本当に、若いうちの旅が素晴らしいとしたら、年齢を重ねたいま、どんな旅をしていけばいいのだろう……? ぼんやりと心の中で燻っていたその問いに、まるで南国の太陽に照らされたように、はっきりと答えが見えてきたのは、この秋のシンガポールだった。 この秋、イギリスの旅からの帰路、乗り継ぎのために、シンガポールのチャンギ