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累計約100kg分のホテルビュッフェにおける食品ロス削減に成功。衛生ルールを緩和してまで、TABETE導入を決めた理由。【藤田観光株式会社様】

藤田観光株式会社様は多様なホテル事業に加え、婚礼・宴会施設、その他レストラン・レジャー施設など、幅広い事業を展開されています。

今回インタビューさせていただいた「秋葉原ワシントンホテル ボンサルーテ・カフェ」様では、2021年12月からTABETEを導入いただき、朝食ビュッフェで余ってしまったお料理をお弁当として出品されています。

まだTABETEにおけるホテル導入実績が少ない中で、先進的にTABETEをご活用いただいている藤田観光株式会社様に食品ロス削減のノウハウをお伺いしました。

※累計約100kg分:1食を500gとした時の、TABETE内の基準値における概算に基づき算出しております。

今回お話を伺った方
・石井さん(写真左から2番目):
  藤田観光株式会社 WHG事業部  WHG東京東
  ホテルグレイスリー田町 支配人
・塩谷さん(写真右から2番目):
  藤田観光株式会社 WHG事業部  WHG東京東
  秋葉原ワシントンホテル 宿泊担当 マネージャー 
・山口さん(写真一番左):
   藤田観光株式会社 WHG事業部  WHG東京東 
・加藤さん:
   藤田観光株式会社 WHG事業部  WHG東京東 料理長

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ホテルビュッフェ再開における食品ロスが課題に。テレビでTABETEを観て「これだ!」と思った。

篠田:最初に、石井さんがTABETEを知っていただいたきっかけについて教えていただけますか?

石井さん:私がめざましテレビで、たまたまTABETEの紹介を観たのがきっかけです。コロナ禍で客足が減って、余ってしまった食品の対策特集の中で、紹介されていました。その特集を観た時に「これだ!」と思って。そこから通勤中の電車の中でTABETEを検索して、資料請求したところがはじまりですね。

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篠田:テレビでTABETEをみつけていただいたのがきっかけだったのですね!そこからすぐに検索されたということは、元々食品ロスへの課題感は強かったということでしょうか?

石井さん:はい。スタッフ全員、元々食品ロスへの課題にはとても敏感でした。緊急事態宣言で宿泊のお客様が減少してしまったこともあり、一時的にビュッフェを停止してお弁当での朝食提供を実施していたのですが、オリンピック期間前の予約が増えるタイミングでは、必ずビュッフェは再開する方向で決めていました。

ですが、スタッフから「ビュッフェを再開すると、どうしても残食が出てしまうのが辛い。」という声を聞きました。それが凄く印象に残っていて、どうにかできないものかと個人としても強い課題感を持っていました。

山口さん:こちらの「秋葉原ワシントンホテル」のビュッフェは料理長が手作りに拘っていて、殆ど既製品は使っていません。ジャムや調味料まで1から仕込んでいて、ビュッフェのほぼ9割は手作りで構成されています。その分、そこまで丹精込めてつくったお料理が捨てられてしまうことは、キッチンのメンバーもとても心を痛めていました。

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喫食予測や小鉢の活用で対策はしたものの、自社だけでの取り組みに限界を感じていた。

篠田:調味料まで1から仕込まれているこだわりのメニューが廃棄されてしまうのは、ビュッフェの仕組み上仕方ないとしても心苦しいですね。TABETE導入前は、どのような食品ロス削減対策を実施されていたのでしょうか?

石井さん:ひとつは、「日毎の喫食予測」です。前日に宿泊のお客様の人数と、外来(朝食ビュッフェのみ利用される)のお客様数を予想して、どの程度仕込むべきかを決定しています。

あとは、ビュッフェ後半で「お料理を小鉢に移し替える」工夫も実施しています。食品ロスが大量に出ないよう、後半は陳列する量を減らしつつ、見栄えもキープできるように小鉢に移してご提供しています。

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それでも、ビュッフェである以上食品ロスを絶対に0にすることはできないので、自分たちだけの取り組みに限界を感じていました

他サービスと比較し、「食品ロス削減における知名度の高さ」と「使いやすさ」からTABETE導入を決定。

篠田:ビュッフェという形式上、どうしても食品ロスが発生してしまうということが課題だったのですね。ちなみに、TABETE導入検討時に、他のサービスは検討されたのでしょうか?

石井さん:はい、他のアプリも実は導入前に比較しました。比較した結果、食品ロス削減における知名度の高さと、使いやすさから、まずはTABETEさんからやってみようということになりました。

篠田:実際にTABETEを導入された流れについて教えていただけますか。

石井さん:まず最初に、私が担当している「ホテルグレイスリー田町」で導入しました。そこから社内でも取り組みが話題になり、社長の耳にも入って、実際に社長が田町までレスキューにいらっしゃったこともあります。

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そこで社長にも良い取り組みとして評価をしていただいて、田町に続き、この「秋葉原ワシントンホテル」での導入も決まりました。現在弊社のホテルではコロナの影響で朝食ビュッフェを実施していない所が殆どですが、再開した際には各ホテルにもTABETEの導入も検討しています。

TABETE導入に向けて既存の衛生ルールを緩和。新たに4つのルールを守ることで運用が実現。

篠田:ちなみに、TABETE導入までに懸念されていたことや、社内からの反対意見等はございましたか?

石井さん:一点だけ、社内の衛生基準ルールを変更する必要がありました。

元々、弊社では「お客様に一度ご提供したお料理を、再度ご提供することはNG」というルールが設定されていました。TABETE導入にあたり、このルールの変更が課題となりました。

しかし、「食品ロス削減」については飲食業をやっている弊社としても、非常に課題認識が強い領域です。社内でもルール変更を訴えかけた時、本部担当者にその必要性について強く共感してもらえました。

その結果、本部から衛生基準を徹底することを条件に、既存ルールの緩和の承諾を受けることができました。

篠田:これまで絶対だったルールが、石井さんが中心となって食品ロス削減のために動かれた結果、緩和に繋がったのですね...!実際にTABETE導入において、どのような衛生基準やオペレーションを設定されたのでしょうか?

石井さん:具体的には、以下ルールを設定いたしました。

thank you!のコピー
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↑実際に「ボンサルーテ・カフェ」様で使用されているアレルギー表示の紙

衛生的に絶対に守らなければいけないルールを設定して守れるなら、やってみようと本社の衛生担当者も応援してくれました。運用に関しては、上記ルールを守りながら実施しております。

テイクアウトにおける栄養成分表示については港区の保健所にも確認しましたが、ホテルスタッフがホテル内で対面でお渡しする場合は、栄養成分表示は不要との回答をいただいています。他のホテルに展開する時も、各地域保健所の指示に従って実施する段取りになっています。

食品ロス削減に敏感なお客様に発信する手段として、TABETEは有効な仕組み。

石井さん:実は元々、ビュッフェで余った料理をお弁当に詰めて販売したいね、という話は社内で出ていたのですが、その手段が無くて困っていました。

ホテルの前で販売することはできたとしても、お客様に伝える手段が無かったので...。TABETEなら、手間をかけず、食品ロス削減に感度の高いユーザーに発信する仕組みとして活用できるのでは、と思いました。

篠田:そうなのですね...!個人的には、貴社ほどのブランド力とTwitterの発信力であれば、正直TABETEを活用しなくても十分に取り組みができるのでは?と思っていたので、意外でした。

塩谷さん:TABETEのようにSDGs特集などで頻繁にメディアに露出されて、食品ロス削減の目的の元に集まっているユーザーさんに見ていただけるのは、とてもありがたいと感じています。その方々が秋葉原に立ち寄られた際に、見つけていただけるのが嬉しいですね。

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食品ロス削減に繋がっただけではなく、周辺住民のレストランへの送客効果も実感。


篠田:その後、実際にTABETEを導入されてどのような効果がでているのでしょうか?

石井さん:食品ロスについては、確実に改善できていると実感しています。調理スタッフからも、料理ごとのお皿が完全に空になることで、廃棄の手間が減って片付けの効率が上がったと聞いています。

また、食品ロス削減効果だけでなく、新規のお客様が来店いただくきっかけにも繋がりました。当初「ホテルグレイスリー田町」でTABETEを運用していた時は、「周辺のビジネスマンの方がランチ用にレスキューされるのでは?」と思っていました。実際は、食品ロスへの感度が高いご近所の方がレスキューに来てくださいました。

そこで何回かレスキューしていただく内に、レストランの方にもお越しいただけるようになりました。

篠田:TABETEがきっかけで、周辺住民の方の新規来店にも繋がったのですね。私たちも、お店とユーザーさんの橋渡しができて、嬉しいです。

山口さん:現在は、お弁当という形で出品させていただいてるため、「ご飯の残量」に合わせて出品するお弁当の数を決めるようにしています。

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今のやり方だとお惣菜だけ余ってしまうこともあるので、「お惣菜パック」のようにいずれお惣菜だけでも出品できるようにして、更に食品ロスを削減できるようにしていきたいと考えています。

食品ロス削減の目的からブレないことが重要。「食品ロスが発生しているなら、やって損はない取り組み」

篠田:最後に、TABETEの導入を検討されているホテルのご担当者様に向けて、一言アドバイスをお願いいたします。

加藤さん:一番大切なことは、食品ロス削減であってそこから目的がズレないように注意すること思います。レスキューされてただ喜んでいる場合ではなくて、どうすればより根本的な食品ロス削減につながるかを、社内でも考え続ける姿勢が大切だと思います。

石井さん:TABETEでレスキューされやすい分、TABETEを使うことそのものが、売上や利益目的になってしまうのを防がなければならないと思います。社内でもルール整備をしっかりと実施して、目的を明確にしておくことが非常に重要だと感じています。

塩谷さん:新しい取り組みはなんであれ、どの企業やホテルであってもハードルが高くなりがちですが、やってやれないことはないと思っています。TABETEは他のホテルさんでも、積極的にやって欲しいですね。

食品ロス削減につながることはもちろんですが、TABETEきっかけで新規のお客様が来店されて、知ってもらうきっかけになったというお店も多いのではないでしょうか。もし現状でロスが出てしまっているなら、やって損はない取り組みだと思います。

篠田:最後に素敵なアドバイスをありがとうございます。みなさま、今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました!

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〈取材・編集・文=篠田沙織(@0815Sama)/撮影=伊作太一(@fuzz139)〉

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今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの飲食店の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。

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