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累計5,000食以上の寿司・弁当の食品ロスをTABETEで削減。店舗間輸送や従業員販売からTABETEに切り替えたことにより、輸送コスト・人件費削減にも成功。【株式会社芝寿し様】

北陸三県で直営店を30店舗以上展開する「芝寿し」がTABETEをスタートしたのは、2019年7月。金沢エリアで継続的にTABETEを活用している企業のひとつです。アプリを通じた食品ロス削減量は累計で5,000食以上にのぼります。

また、TABETEによる売上も加味すると、同社の売上高は直近で0.1~0.5%増加している(前年比)とのこと。テイクアウトを主な業態とする「芝寿し」は今までにどんな食品ロス削減施策を取り入れてきたのか、そしてTABETEを導入してどのような変化があったのか、お話を伺いました。

今回お話を伺った方
・北村様:株式会社芝寿し 営業部 全30店舗以上の管理を担当

ロスが削減されている手応えがある。ふだんより若い層の来店や、廃棄コスト減少も嬉しい。

ーー芝寿し様は、金沢市内で最初にTABETEを導入してくださいました。それから2年ほど使っていただいています。TABETEの導入前と導入後で、どういった変化があったのか教えてください。 たとえば来店される客層など、ちがいを感じることはありますか?

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北村さん:うちは若いお客様はあまり多くなくてですね、年配の方にご支持いただいています。50-60代がお客様の5-6割を占めています。だいたい、男性2割、女性8割くらいですね。

以前いただいたTABETEのデータを見ると、アプリを通じて来店している方々は7割くらいが30-40代でしたよね。うちの客層とはかなり違って、若い方に多くご来店いただいていると感じています。

ーー廃棄量やロスの状況についてはどうでしょう。

北村さん:毎月400個から600個くらいはTABETEでレスキューいただいているので、その分は、直接的に廃棄が減っているなと実感しています。

ーー累計で5000食以上、芝寿しさん全体でレスキューされています。すごい量ですよね。

北村さん:一人でだいたい500gくらいとすると、2500kgくらいですね。本来廃棄して産廃業者さんに持っていっていただいているはずのこれほどの量がなくなっているということですので、非常に大きいと感じています。

ーー廃棄をすることが「もったいない」というのはもちろん、お店での食品ロスは、廃棄コストがかかるという点でも企業にとって大きな負担ですよね。

北村さん:そうですね。導入しているお店は、TABETEの売り上げも合わせて計算すると、前年比で0.1%~0.5%くらいは上昇しています。

それから、TABETEを使っているということが「いいことをやっている」というアピールにもなると思っています。

昨年は県知事から表彰される機会もありました。弊社の工場で発生する製造工程のロス削減・ゴミ削減と、店舗販売での食品ロス削減、両方について発表したのですが、その際、販売時の組みとして「TABETE」のことを説明しました。取り組み内容が説明しやすく、こうして目に見える評価にも繋がったということで、大変ありがたいなと。

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↑実際に石川県知事に表彰された際のお写真。

従業員販売や店舗間輸送でロス削減に取り組んでいたが、社内対応だけでは限界があった

ーーTABETEでの削減成果が目覚ましいですが、それ以前にもロス削減に積極的だったと聞きました。具体的に取り組まれていたこと、検討されていたことについて、教えていただけますか?

北村さん:社内の店舗間で商品を融通し合う「転送」や、従業員さん向けの値引き販売などを実施してきました。基本的には直営店の29店舗で転送して対応し、どうしても余ってしまったときは、社販や裏売りをしていました。

社販というのは、本社に併設されている工場の従業員さんに向けての値引き販売。裏売りは、芝寿しのお店が入っているデベロッパーさん・商業施設において、従業員さん向けの販売を実施するものです。

ーーそれらの取り組みによって廃棄率を削減できていたけれども、更に「TABETE」もやってみよう! と決めていただいたんですよね。

北村さん:やはり転送や社販だけでは限界がありまして。特に社販は、毎日できるわけではなく、対応できる日数や商品数に限りがあります。やはり、一般のお客様に購入いただくような活動ができないと、根本的に大きくロス削減をするのは難しかったんです。

ーー一「TABETE」に切り替えてみて、社内の反応はどうですか?

北村さん:以前「社販」の業務をしていた販売員から、非常に好意的な声が届きました。社販はとても大変な作業でして。販売場所となる社員食堂等に商品を運び、現地で販売方法の相談や交渉をして… 色々と手間がかかるんです。

そうして準備を整えてからも、いざ売るときには気持ちの面で少し負担がかかるといいますか… 「お願いですから買ってください」という感じで売っていたと。一方、TABETEでいらっしゃるお客様は、商品が欲しいと思って引き取りに来店されますよね。販売する心持ちが明るくなったという点も含めて、TABETEを使い始めて非常に楽になったと言っています。

ーー苦労の大きいロス削減施策から、お客様にも喜んでいただける「レスキュー」方式に切り替えることができたんですね。

北村さん:はい。これは結構大きな変化だと思います。

店頭での値引き販売は一切していない。理念に共感したからこそTABETEを使っている

ーーTABETEの「レスキュー価格」を見ると、店頭価格よりもお買い得な金額設定になっていますよね。日頃から値引きや割引販売を実施しているのですか?

北村さん:うちでは、店頭での値引きは一切やっていません。過去にもやったことはないですね。裏売りなど、見えないところでの販売のみ、例外的に割安にしていました。

ーー店頭値引きは一切しない方針なのですね。理由としては、値引き待ちのお客様が現れることを懸念して、といったところでしょうか?

北村さん:それもありますが…

製造に携わる皆さんが、深夜・早朝から作業して苦労しながら作っている商品なので、簡単に安くするようなことはしないでおこう、と。そういう理念的なところが大きいです。

ーーTABETEでは、結果的にお買い得になっているけれども、単にアプリ上で値引きしようというわけではないのですね。

北村さん:TABETEの考え方ありきですよね。TABETEさんの「食品ロスを減らそう」という声掛けに賛同しているのが大前提としてあります。弊社は『三方善しの経営』を理念に掲げていて、お客様、地域社会、従業員、みんなを大切にしています。ここの考えがマッチしたことが、TABETE導入を決めた第一の理由です。


唯一の懸念はオペレーションだったが杞憂におわった 2週間で誰でも使えるように

ーーTABETE実働に向けての準備段階で、なにか懸念はありましたか?

北村さん:うちは50代以上の販売員が多く、パソコンやタブレットを使うことに少し苦労しそうだという心配はありました。オペレーションとしては非常に簡単なのですがパソコン等の損さに関して、最初のハードルを感じました。

ーー「芝寿し」の商品は当初から順調にマッチングして「レスキュー」されていましたが、現場ではそういったご苦労があったのですね…

北村さん:とはいっても、実際に使い始めると「けっこう簡単だね」という反応が大半でした。最初の店舗登録の部分と、販売員への指導さえ済んでしまえば、誰でも使いこなせる仕組みだなと思っています。
その日の出品作業が完了すれば、それ以降は、購入されたら画面の購入者欄がすぐ更新されますし、引き渡しが完了したら自動的に消込みされますから、分かりやすいです。

ーー1度やってしまえば、あとはスムーズにできますよね。

北村さん:TABETEを使い始めて最初の2週間くらいは、私が全ての工程をやっていました。出品作業、店舗での商品の引き渡し、管理画面の確認など、「TABETE」の流れを私ひとりで実践して… その様子を販売員さんに見学してもらいながらTABETEのオペレーションを説明しました。

チェーン店の各店舗にも導入するためには、やはり、説明する本人が仕組みを詳しく分かっている必要があると思いまして。

ーー店員さんとしては「導入後、何が変わるんだろう?」というように不安も合ったことと思います。オペレーションの始めから終わりまで、実際に見せてもらいながら説明を受けたら、だいぶ安心して使い始められそうですね。

商品を渡す時に「ありがとう」と言われる! お店とお客様が助け合うTABETEならではの関係性

北村さん:店頭で商品の受け渡しをする工程を自分でやってみて、気づいたことがあるんです。

TABETEで来たお客様にお礼を言われるんですよね。普段のお客様は、当店からすれば「買っていただいている」皆様なので、私たちから「ありがとう」と言って感謝を伝えます。

TABETEで取りにいらっしゃるお客様は、皆さん「ありがとう」とおっしゃって商品を受け取ってくださるんですよ。

ーー私も店頭で接客をしていた経験がありますが、お客様からありがとうと言われる機会はそこまで多くないのが普通というか… 関係値が深くないと、そこまで言ってもらえないですよね。

北村さん:そうですね。「変な感じがする」と言うのは語弊があるかもしれませんが、お客様も私たちもお互いに「ありがとう」と思っているんですよね。いい活動だなと思っています

ーー助け合いの関係性ができ始めているからこそ、お客様の方からも感謝の言葉がいただけるということなんでしょうね。

北村さん:はい。今までの社販というのは、極端に言うと押し売りに近い感じで「安くするからなんとか買ってよ」というものでした。対して、TABETEは、お客さんも人助け、あるいは商品を助ける気持ちで使っていらっしゃる

経費の節減など目に見えやすい効果もでていますが、それだけじゃない取り組みだと思います。

今後:食品に携わる皆さんにTABETEをおすすめしたい。金沢エリア、富山エリアでもTABETEが広まって欲しい

ーー今後の展開といいますか。TABETEを今後どうやって使っていこうか、で考えていることがあれば

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北村さん:8月ごろ、出品価格の上限があがるのと、5アイテムまで並行して出品できるようになると聞きました。そうなれば、廃棄ロスが多く出そうな日には出品アイテム数を増やして対応できるようになりますよね。今まで以上にTABETEを活用できそうです。

ーー「笹寿し」に加えて、これまでは出品できなかった価格帯のアイテムも、きっとレスキューしてもらえると思います!

北村さん:それから、弊社では富山店や小松市・加賀市の店舗でもTABETEを導入していきたいと考えてます。
今のところ利用頻度は高くないのですが、こういった金沢以外の地区でも、TABETEを広めていきたいと思っていまして。芝寿しのお店が入っている商業施設・デベロッパーさんからも、TABETEに前向きだという声を聞くようになりましたので、もっと広がっていくのではないかと。

ーーユーザーさんからも「金沢エリアや富山エリアでレスキューできるお店が増えたら嬉しい」というご意見が届いているんです。ぜひ一緒に、食品ロス削減の取り組みを広めていきたいです!

ーーさいごに、TABETEの導入を検討しているお店・企業の皆様に向けて、メッセージを頂けますか。

北村さん:TABETEを活用すると、自社内のロスの削減とSDGsの取り組み、その両点が実践できますので、食品を扱われている会社さんにおいて非常にいい取り組みとして機能すると思います。結果的に、弊社では、新規のお客様の獲得にも一役買ってもらえましたし、ぜひやってみていただければいいのかなと思います。

あとは、オペレーションも思った以上に簡単ですよ! とお伝えします(笑) うちも、導入するまでは「どんなだろうな」と想像のつかない部分もあったんですけれども、実際に使い始めると「あ、非常に簡単だな」と率直に思いました。これも嬉しいポイントですね。

ーー長年使っていただいている、説得力のあるコメントをありがとうございます。これからもTABETEを活用して、お店のファンの皆様と一緒に食品ロス削減を実現していただけたら、私どもも嬉しく思います。

最後に

今回は、金沢市を中心に「笹寿し」で知られる株式会社芝寿し 北村様にお話を伺いました。従業員販売や店舗間輸といった手法から「TABETE」に切り替えたことで、経済面、そして働く皆さんの心理的な面でも、良い変化が現れた好例でした。

TABETEは現時点でパン業態様に多くご登録いただいておりますが、パン業態以外の法人様においても食品ロス削減とチャンスロスの抑制のお手伝いができるよう、引き続きTABETEを成長させて参ります。

〈企画・調整=金高淳也(@JJ49546430)/編集=山田晴香/取材=篠田沙織(@0815Sama)/撮影=伊作太一(@fuzz139)〉

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今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの飲食店の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。


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