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詩集:どこにもいけない

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行き場もなく日々わだかまる言葉達は、詩の中以外はどこにも行けない
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2018年8月の記事一覧

詩:ちいさなまひる

詩:ちいさなまひる

つつしみぶかい
たましいのなみだ
かなしくすさむ
らじうむのひかり

なつのくも
うみのにおいつれて
かぜもなくまっていれば
なみまにゆれる
しろいうみうしのゆめをみる

てりさかる
あおいらむねのような
とうめいなたましいは
きぎをゆらし
そらのそこでとどろく

にじりよる
やわらかなけものたちは
あふれんばかり
つめくさをふみくだき

こはくいろ
おだやかなまひるのうつろは
かぜにながれる

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詩:きらきらひかるいなびかり

人のいない部屋
亡霊のような埃たち
真夏日の
白昼夢のような高校野球
金属音が切り裂いて
遠のいていく

ぬるい午後
湿った風
べたつく汗
埃っぽい車の排気ガス
あんなに無邪気に
手のひらをくすぐった夏草も
乾きはじめて色が褪せていく
すりぬけていくように消える私の夏

思い出す
何かを思い出す
果てのない海
突き抜けるミントの辛さ
宇宙の心臓が縮んでから
膨らむまでのわずかな間
生まれた命と

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