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『コロナ禍日記』編集日記 ひとまず、了

8月1日(土)
web「MAG2NEWS」でやっている春日武彦先生と穂村弘さんの「死」をめぐる対談連載「俺たちはどう死ぬのか?」、久々の収録@春日先生宅。穂村さんとは少し前に別の対談仕事でお会いしていたけど、春日先生、漫画担当のニコ・ニコルソンさん、担当編集の穂原さんとは3月以来。みんなお元気そうで安心した。盛り上がり、収録後も1時間以上お喋り(もちろんマスクは着用)。先生んちの飼い猫「ねごと」ちゃんも相変わらずの愛くるしさで、つい写真を撮りまくってしまった。
衿沢世衣子さんの新作『光の箱』読了。え、これ1冊完結なの? ぜんぜんまだまだ続けられそうだし、続くならぜひ読みたいのだけど。ヤミネコかわいい。

8月2日(日)
原稿書いて、取材の準備。
『コロナ禍日記』の執筆者の1人、楠本まきさんの新刊『赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いの』はもう買ってあるのだが、その前にと、今『赤白つるばみ』(上・下)を読み返し中。
8月3日(月)
文藝春秋で『文學界』時々号に収録する対談の収録。仕事だが、やや趣味の範疇にある話でもあり、ただただ楽しかった。
帰りにカツカレー食べたら油が古かったのか、自分の体調の問題か、胃がもたれて辛い。ジムで脚をやったが、そんなわけであまり集中できず。
酒抜いたら眠れず、3時過ぎまで本読んだりゲームしたりしてしまった。

8月4日(火)
午前中、CINRA.JOBのインタビュー連載「その仕事、やめる?やめない?」のゲラが来てたので、確認して担当編集Yさんに戻す。メールに、日記本楽しみにしてます、何かウチでお手伝いできることあったら言ってください、とのメッセージが。ありがとうございます、超嬉しいです。
6日にオンラインでやる予定だった対談仕事がリスケに。
仕事のやりとりの流れで、タバブックス代表・宮川さんが誕生日だったので「おめでとう」メールを送る。事務所スタッフを募集したいとのことで、募集内容を見てくれと頼まれるなど(後記:たくさんご応募いただいている模様。ありがとうございます)。
胃をいたわって、おやつは「たねや」の水羊羹。夕飯はお粥と茗荷梅味噌、高野豆腐煮、かぼちゃの漬物。ジジイのメシだな。でも、これはこれでけっこう旨い。
イソジン? そして結局、臨時国会は開かれないっぽい? なんつーかもうね……。東京都では、ここ1週間、連日新規感染者200〜400人台が続いている。

8月5日(水)
「NHK短歌」の穂村弘さんの対談連載を仕上げて担当編集Oさんに送信。
ギリギリまで仕事して、都立家政の時々行く居酒屋で近所の友人と軽く飲む。店のロゴ入りTシャツの購入希望者を募っていたので、ノリで注文(店への愛ゆえ)。受注生産らしい。ただ、特に控えとかないので、また店に行った時に「出来た?」と聞く感じのようだ。常連客の女性が「ピンクにしなよ!」と激しく勧めてくるので、「いや、僕似合わないし、パジャマになっちゃうからイヤですよ。お姉さんこそピンクにすればいいじゃないですか」と言うと、「いや、私ピンク似合わないから」。普通に黒を買った。

8月6日(木)
健康を考え、なんとなく毎朝えごま油を飲んでみることにした(アマニ油とどちらにするかで迷った)。
『コロナ禍日記』の著者献本用の手紙を書いたり、プレスリリースを書いたり。
夕飯に作った、ささみの梅シソ挟み焼きと、豚バラとゴーヤのスープが旨かった。
そういえば誕生日だったが、特に何もしなかった。

8月7日(金)
いよいよ『コロナ禍日記』の見本が上がってくる日。著者への発送作業などがあるため、昼過ぎに下北沢にあるタバブックスの事務所へ。まだブツは来てなかったので、宛名書きなどをして待つ。
そして、到着! とてもきれいな仕上がり。そこそこ分厚いけど、思っていたほどの重さはなく、軽やかな感じ。早く読者に届けたい。
近所の中華料理屋で買ったボリューミーな鳥唐揚げ弁当をガシガシ食って、クリックポストをガンガン入力して、バンバン封筒詰めして、袋いっぱいになったそれを郵便局に運ぶ。アメリカ在住の著者・大和田俊之さんの分が、今日本からアメリカへの航空便がストップしているとのことで送れず。船便ならあるとのことで、どのくらいかかるか聞いたところ「半年とかかかる場合も……」という非現実的な回答で断念。電書のデータを送るなどの代案を考える。
帰りに下北の「古書ビビビ」さんに寄って、日記本お願いしますと伝えがてら近況話など。書いそびれていたZINE『最近の好物100人 2020・春』や80年代の筋トレ本などを購入。

8月8日(土)
家で書き仕事。
夕方、小岩BUSHBASHでShe luv itとPayback Boysのライブ。素晴らしい組み合わせ。25人限定。モッシュする人たちを久々に目の当たりにして、なんかいろいろ戻ってきた感が。元気になったわ。1組終わるごとに、置いてあるアルコールスプレーを手にプシュっとする。『生活考察』でお世話になっているライターの須藤さんも来てたので、帰りに軽く飲む。普段飲まない彼が珍しく生ビールを頼むから驚いた。小岩は、開いているお店がやや少なかったのが気になった。お盆的なこともあったのかもしれないが、コロナの影響で閉店してしまった店とかもあるのかも……と心配に。

8月9日(日)
原稿が書けず辛い。

8月10日(月)
書評原稿、なんとか脱稿。何度も直してようやく。
ネットを見ていて、『コロナ禍日記2020』というタイトルの本が9月に出版されることを知る。
最近、ちょっとだけやって投げ出していたSwitch版「Skyrim」を再びプレイしている(キャラクターの種族はアルゴニアン)。多少レベルが上がって、即殺されることが少し減ったことで「こんなんやってられっか!」となる頻度が減ったから耐えられているのか。面白さがだんだん分かってきたかも。

8月11日(火)
近所の道路工事の音で起こされ、どうにも寝足りない。
本当は、今日はタバブックスの事務所に行って直取引の書店さんへの発送作業を手伝うはずだったのだが、バイトの葛原さんの出勤日なので、事務所が密になるのを避けるため明日に変更となった。
イマイチ仕事に身が入らず、ダメな日。たぶん、いや確実にこの異常な暑さのせい。夕方、ガクンときて、30分のつもりで横になったら2時間以上経っていた……。罪滅ぼしに、夜原稿を書く。

8月12日(水)
午前中、カナダ在住の友人から相談事がある、とのことでオンラインで話す。某アートプロジェクト絡みの話で、いくつかアイデアを出してみた。少しは役に立てたっぽいのでよかった。
午後イチでタバブックスの事務所に行き、直取引店への『コロナ禍日記』発送作業。延々と梱包作業→郵便局。途中、著者の1人である植本一子さんがご自身のオンラインショップで販売する用の『コロナ禍日記』を取りに来たので、書いてくれたお礼を伝える。雷が鳴って天気が怪しくなったが、下北はそこまで激しく降ることなく、発送作業はつつがなく終了。夕方、近くの古書ビビビさんに手持ちで納品。すぐにツイッターに入荷情報をアップしてくださった。いつもありがとうございます。店主より「さっき植本さんいらっしゃいましたよ」との情報。
そのまま表参道へ。見たかった青山ブックセンターの選書フェアと、衿沢世衣子さんの原画展を拝見。いいものを見せていただいた。
しっかし暑い。最近ほとんど家から出てなかったからこたえる。裏通りにあるカフェで、普段あまり飲まないアイスラテ的な飲料を飲んだ。エスプレッソの苦味とミルクのもったりとした脂肪分が沁みた。
「コロナ禍日記」でツイッター検索をかけたところ、ポツポツと入荷しているお店があるようだ。また、さっそく感想をつぶやいてくれている読者の方も。嬉しい。

8月13日(木) 朝
というわけで本日、『コロナ禍日記』発売日。どんなふうに読んでもらえるのか、まずは読者の方々の反応が楽しみ。今日は近くの書店を回ってみようと思う。

読者の皆様へ
本書には、「当たり前」の日々が次第に変容していく中で生まれる、戸惑い、悲しみ、怒りといったさまざまな感情が生々しく記録されています。業界によって異なる対コロナの活動や新しい働き方の模索は、緊急事態宣言解除後も事態が終息しない今、「これから」を考える上で示唆に富んだ視点がたくさん内包されていると思います。また、アメリカ、イギリス、韓国、ドイツでのコロナ対策やロックダウン下の日常、あるいは差別の問題など、日本に先駆けて深刻な状況に陥った海外の様子を知ることができるのも特徴です。渦中にある現在だけでなく、後年「こんな時代があった」ということを知る上でも貴重な資料ともなり得る、充実した内容となりました。ぜひお手に取っていただけたら幸いです。
また本書は、生活と想像力をめぐる“ある種の“ライフスタイル・マガジン『生活考察』から新たに生まれた書籍レーベル「生活考察叢書」第1弾として刊行されます。この日記本を読んで、雑誌の方にも興味を持っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
(ひとまず了)


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