見出し画像

個人的な四月/植本一子

2020/5/5 火曜 晴

持続化給付金を申請。案外簡単で拍子抜け。しかし簡単に申請できて安心したことで、ちょっとのことは許せるような気がしてしまうのが危ない。もっと複雑で、申請させまいとしてくるかと思っていたからだ。これは非常に危ないと思った。騙されてる!そんな話を砂鉄さんにすると、雇用調整助成金は相談件数20万件、実際に申請されたのはおよそ2500件、そのうち支給が決まったのはわずか282件だというリンクが送られてきた。おいおいおいおいこんな感じなの!?これにはお店をやっている友達も、申請するために役所に並んだり税理士さんとやりとりしていると言っていたはずだ。書類を確認したりだのなんだの時間がかかるのはわかるが、あまりにも遅すぎるのと、じゃあ公文書が数分で黒塗りにされたのとか、あの速さはなんだったんだ。100万給付されるか一気に怪しく、不安になってきた。
「NHKニュースで、45年やってきた洋食屋さんが、スマホで今日の会見の映像を見ながら「閉店します」と決断していて、わたし、泣きました」
と砂鉄さんからLINE。練馬区のとんかつ屋さんが油をかぶって焼死したというニュースのリンクも送られてきた。人殺し内閣!!!

ステイホーム、いい加減飽きてきた。3日に一回なんて、買い物という一人になる時間さえも制限されてうんざり。

植本一子
1984年広島県生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞。 写真家としてのキャリアをスタートさせる。2013年、下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を設立。一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。写真家としての活動のかたわら執筆を行い、日記をコンスタントに出版している。著書に『かなわない』(タバブックス)、『台風一過』(河出書房新社)等。写真集に『うれしい生活』(河出書房新社)がある。2018年に夫のECDが亡くなり、現在は娘2人とパートナーと生活している。東京都在住。



お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!