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王様のカポナータ


今回は『カポナータ』というシチリアを中心とする南イタリアの定番家庭料理をご紹介します。

このカポナータフランスでいうところの『ラタトゥイユ』に似た料理で要は『野菜のトマト煮込み』と認識されていますが僕のレシピでは基本的に煮込みませんも使わず、フライパン大きめのボウル1個があれば作れます。

厳密にはお店で作る場合にはベースとなるトマトソースを仕込む段階で煮込む作業が発生しますが、今回のレシピでは市販のトマトソースを使って作りますので、いわば『野菜のトマトソースマリネ』といった表現のほうがイメージに近いかと思います。

温かくても冷たくてもどちらでも美味しく食べられますので、そのまま前菜お弁当のおかずにしてもいいですし、茹でたパスタとあえれば菜園風オルトラーナ)と呼ばれる立派なパスタ料理にもなります。

オムレツなどの玉子料理鶏肉豚肉白身魚など淡白な味わいの素材ソースとして添えれば豪華なメインディッシュに早変わりしますし、チーズとの相性も抜群なのでピッツァグラタンの具材にしても美味しいです。

バゲットの上に盛ればブルスケッタとしてお洒落な朝食になり、白ご飯にどっさりのせればヘルシーで栄養満点まかない丼としても楽しめます。

冷蔵庫でも5日くらい日持ちしますし、食べきれないときは冷凍保存も可能です。一気にまとめて作り、数回分に小分け冷凍しておけば食べたい前日冷蔵庫に移し替えて一晩解凍しておくだけで、すぐ使えて重宝しますよ。

カポナータ豊富なアレンジが効いて朝食から夕食まで大活躍な上、長期保存もできるという、まさに『惣菜界の王様と呼ぶべき存在です。

調理自体も工程は多く見えますが実際に作ってみると全く難しくはありませんので是非ご家庭でお試しください。

① 基本の材料

[具野菜] ※4人前
・ ナス … 中2本
・ ズッキーニ … 中2本
・ パプリカ(赤) … 1個
・ パプリカ(黄) … 1個
・ タマネギ … 中1個

[カポナータ] ※4人前
・ 具野菜 … 全量(※レシピ参照)
おろしニンニク … 小さじ 1/2
輪切り唐辛子 … 1つまみ
レーズン … 30g
・ 白ワインビネガー … 大さじ2
上白糖 … 大さじ2
市販のトマトソース … 1缶(約300g)
 … 適宜
サラダ油 … 大さじ2
エキストラバージンオリーブオイル … 大さじ1
ドライオレガノ … 適量(※お好みで)
ドライパセリ … 適量(※飾り用)


② 具野菜のカット

1. 全ての野菜を1㎝~3㎝角程度の一口サイズにカットする(※最大で3㎝角以内であれば大きさのばらつきは特に気にせず適当で構いません)。

2. カットした野菜は混ぜずに種類ごとに分けておく(※パプリカの赤と黄は一緒にして構いません)

3. レーズンは分量の白ワインビネガーに浸しておく。


③ カポナータの調理

1. フライパンに分量のサラダ油おろしニンニクを入れ、弱火にかける。

2. ニンニクの香りが立ってきたら、カットしたナスを加えて強火で炒めていく。

3. ナスに軽い焼きめがついてきたら(分量外)を振って下味をつける。

4. 味見をして、ナスだけでも美味しい状態になったら大きめのボウルにナスを移す。

5. 空になったフライパンは洗わず、今度はそこへ分量のエキストラバージンオリーブオイルを注ぎ、カットしたズッキーニを加えて強火で炒めていく。

6. ズッキーニも軽い焼きめがついてきたら(分量外)を振って下味をつける。

7. 味見をして、ズッキーニだけでも美味しい状態になったらナスの入っているボウルにズッキーニも加える。

8. 空になったフライパンは洗わず、今度はそこへ少量のサラダ油(分量外)と輪切り唐辛子を入れ、弱火にかける。

9. 唐辛子の芳ばしい香りが立ってきたらカットしたパプリカ(赤&黄)をまとめて加え、強火で炒めていく。

10. パプリカも軽い焼きめがついてきたら(分量外)を振って下味をつける。

11. 味見をして、パプリカだけでも美味しい状態になったらナスとズッキーニの入っているボウルにパプリカも加える。

12.  空になったフライパンは洗わず、今度はそこ適量のサラダ油(分量外)を注ぎ、カットしたタマネギを加えて中火で炒めていく。

13. タマネギは焼きめをつけないように丁寧に炒め、しんなり炒まったらレーズンを浸していた白ワインビネガーごと加える。

14. タマネギとレーズンがなじんだら分量の上白糖を加え混ぜ、次いでトマトソース1缶(約300g)と2つまみ程度のドライオレガノも加え混ぜて温める(※オレガノは香り付けのハーブですのでお好みで。無くても味に影響はありません)。

15. 全体が温まったら(※煮込む必要はありません)火を止めて味見をし、必要に応じて加減を調整する。

16. タマネギとレーズン入りのトマトソースだけでも美味しい状態になったら他の野菜が入っているボウルにソースごと全てを加える。

17. スパチュラなどを使って、ボウルの中身を底から均一に混ぜ合わせる(※やわらかい野菜をつぶしてしまわないよう優しく混ぜます)。

18. そのまま食べる場合は皿に盛り、ドライパセリドライオレガノを飾りに振りかけて完成(※すぐに食べないときはタッパーなどに移して、冷蔵庫で一晩寝かせると味が馴染んで、より一層美味しくなります)。


④ ポイント&ヒント

・ 工程を見ていただければ分かりますように、このレシピではそれぞれの野菜を個別に仕上げていき、最後にボウルで混ぜ合わせるだけという調理法をとっています。

少し面倒に感じるかもしれませんが、あえて最初から全部の野菜をまとめて炒めないところが1番のポイントです。

具材に使っている野菜はそれぞれ最も美味しい火加減の具合が異なります。

ナスは多めの油を含ませて揚げナスのような軟らかさに、ズッキーニは茄子よりは少し食べごたえのある硬さパプリカフレッシュさを残し、タマネギしんなりとさせます。

全ての野菜をまとめて炒めたり煮込んだりしてしまうと、この具材それぞれの食感を個別に調整することが難しくなります

さらに、ナスにはニンニク風味の油を吸わせ、ズッキーニにはオリーブオイルの香りを吸わせ、パプリカには唐辛子の辛味を吸わせ、タマネギには白ワインビネガーの酸味を吸わせるなど素材ごとに違った個性を吸わせることで食べる際、口の中で噛んだ具材によって食感の違いだけでなく、味わいの変化や風味の広がりを楽しむことができるのです。もちろん、レーズンを噛んだときの甘味重要なアクセントになっています。

レシピ内でもしつこく繰り返していますがフライパンは野菜ごとにいちいち洗う必要はなく、そのままどんどん続けて使っていくほか、大量の具材を一気にまとめて炒めるよりも、野菜の種類ごとに少量を数回に分けて炒めたほうが結果的に手早く美味しく仕上がるのです

・ カポナータに使える具材は他にも以下のようなものがおすすめです。

[カポナータにおすすめの具材]
セロリ、ニンジン、生トマト、オリーブケイパー、ブロッコリー、アスパラガス、カブラ、インゲン、オクラ etc...
※基本的には何でも構わないのですがイモ系は冷凍すると強烈に不味くなりますので冷凍保存を活用するつもりであれば避けたほうが無難です。
※調理は基本と同じく、個別の具材ごとにベストな火加減に加熱し、単体で食べて美味しいと思えるくらいの塩味を付けて最後にあえるだけです。瓶詰めや缶詰のオリーブケイパーならレーズンと同じタイミングでそのまま混ぜ込むだけで良いでしょう。


トマトソース商品によって加減が異なりますパスタ用ソースなど場合によっては最初から味が濃くを全く加える必要のない場合もありますので、レシピ上では『必要に応じて』としてあります。

なお、各具材にもそれぞれしっかり下味が入っていますのでトマトソース自体を特別に濃い味付けにする必要はありません。購入したトマトソースの味が最初から濃すぎる場合は少量の水を加えて薄めてください

ちなみに以下のカゴメの『基本のトマトソースという商品はパスタ以外の料理にも使いやすいよう分は控えめになっており、好みの味加減に調整しやすいのでおすすめです。


⑤ 要点まとめ

・ カポナータは『惣菜界の王様』的存在です。
・ 野菜は1㎝~3㎝角以内のサイズにカット。
・ レーズンは白ワインビネガーに浸しておく。
・ おろしニンニクとサラダ油でナスを炒める。
・ EXVオリーブ油でズッキーニを炒める。
・ 唐辛子とサラダ油でパプリカ赤&黄を炒める。
・ タマネギを炒めレーズンとトマトソース投入。
・ 全ての具材とソースをボウルであえれば完成。
・ 冷蔵庫で一晩寝かしてからのほうが美味しい。
・ 具材はご自由に。冷凍するならイモ系はNG。

※内容にご意見ご質問等ございましたらお気軽にコメントくださいませ。

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イタリアンを中心に3店舗、計8年の下積みを経て渡伊。トスカーナ州の4ツ星ホテルにて修行し、帰国後は複数の大型レストランで料理長職を務めました。2013年に独立し、現在2店舗のバルを展開する現役オーナーシェフです。フードコーディネーターのライセンスも保有しています。

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