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夏のコンクリートは乾くのが早い早い

コンクリートは打設してから、実際にその上を人が歩いたり、車や自転車が通れるようになるまで、一定の時間がかかります。なぜなら、コンクリートが固まるのを待つ必要があるからです。コンクリートが固まる前に足を踏み入れてしまうと、足の形が跡になってしまいます。

打設:生コンクリート(固まっていないコンクリート)を枠の中に流しこむ作業のこと

では、コンクリートが固まるまでにはどのくらいの時間がかかるのか?

そもそもコンクリートは何からできているかと言うと、
セメント+砂利+砂+水を混合して生成されます。コンクリートと一緒によく比較される、壁の仕上げなどで使用されることが多いモルタルですが、モルタルはセメント+砂+水から生成されています。

コンクリートが固まる原理を簡単に説明すると、
セメントを生成する元素であるカルシウム、珪素、アルミニウム、鉄が水に触れることでイオンが溶け出します。これらのイオンが水に溶けにくいセメント水和物という結晶を生成し、セメント水和物が時間の経過とともに、セメント粒子間の隙間に充填され、硬化していきます。

よく「コンクリートは乾燥することで固まる」と勘違いして認識されていますが、そうではありません。

また、水が少ないと硬いコンクリートができるのは、より緻密な結晶(セメント水和物)ができ、セメント粒子間をより隙間なく充填するからです。

ただ、水が少なすぎるとセメントと水による水和反応が進まなくなり、流動性が悪くなることがあります。

また一方で、水が多すぎる場合、水和反応に不要な量の水は蒸発してしまうため、セメント粒子間に隙間が生まれてしまい、コンクリートの強度や耐久性が低下します。よく起こるコンクリートのひび割れの原因の一つです。


コンクリートが固まる構造が理解できたところで、コンクリートが固まる時間を決める要素についても触れてみましょう。

コンクリートが固まる時間を決める要素は、温度、湿度の2つです。

◯温度:高いほど固まりやすい
コンクリートは温度が高いほど硬化する時間は短くなります。なので、温度が低いと表面が中々固まらないです。

◯湿度:低いほど固まりやすい
湿度が低いほど、コンクリートは固まりやすいです。ただ、湿度が低いとひび割れを起こしてしまう場合もあります。
逆に湿度が高い場合、コンクリートは中々固まりません。


さて、コンクリートが固まる原理が大方わかってきたところで、タイトルの話題に戻りたいと思います。

上述のように、夏場は「温度が高い」ため、水分の蒸発が早く、コンクリートが固まる速度が他の季節よりも早くなります。

コンクリートが早く固まることは一見、特に問題はなさそうに聞こえますが、施工する側からすると注意が必要になります。

これはコンクリートで何を施工しているのかにもよりますが、特にコンクリートの土間打ちを施工している場合は、固まったコンクリートがそのまま完成品になるため、表面を綺麗に均した状態にしておく必要があります。

もちろん、表面を均すことができるのは、コンクリートが固まる前のタイミングなので、固まってしまってからではコンクリートを均すことができなくなります。

なので、均す前にコンクリートが固まってしまわぬように、注意しなければならない、ということです。


本日は以上です。

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