自分は主人公か否か

年末年始に、この1年で同じチームになったメンバーと初めて対面で会って話したりご飯食べる機会があった。生来のネガティブがそこで爆発してしまい「自分の半分くらいの年齢なのに、自分よりよっぽど将来性がある」「この人たちが20年経って自分くらいになったら、自分なんて全然敵わないに違いない」「こんな上司で申し訳ない」みたいな気持ちがそれ以降グルグルと回り始めた。その気持ちの添加剤として、体力の衰えや醜く肥えてしまった体、汚い肌などがさらに惨めな気持ちにさせる。

よく言われる言葉で「何歳からでもリスタートできる」みたいなことが言われるが、それはそこまでの人生において真っ当に、真面目に走ってきた人が一度つまづいたときにはリスタート頑張って、と後押しされる言葉であり、怠惰に過ごしてきた者が軽々しく口にしちゃいけない、と思ってしまう。勤勉な兎と怠惰な亀なら、何万回勝負しても兎が勝つのに、根拠なく夢物語を描いちゃいけない。

そんな陰鬱な気持ちで、自分の人生のピークはこれから先にあるんだ、みたいな顔して努力するべきなのか、本当に分からず2023年に突入した。平たく言うのであれば「主役の人のために、もっと脇役らしく生きなきゃ」という気持ち。

昔から自分の中で「自分の人生においては自分が主役。だけど他者の人生においてはその人が主役だから、自分の範疇を弁えて生きるべき」だと思っていた。50:50のような感じで。それが、昨今の自分喪失(自信ではなく)のさ中で、50:50ではなくそろそろ40:60とか30:70で生きるべきなのかな、なんて思いになっていた。


そんなことを考えながら過ごす日々の中で、今日買い物帰りの車中でTVを見ていたら、NHKで「NHKアカデミア」なる番組をやっていた。途中から見たのだが、一流のシェフに対してたくさんの人がQ&A形式で問答する番組のようだった。


世界のトップランナーが語る特別な時間。第9回は日本料理人・山本征治さん。12年連続三つ星に輝く“日本料理の革命児”が明かす料理の神髄、信じる道を貫く生き方とは?

その中で「自分の人生の主人公は自分なんだから」という話をされており、最近自分が考えていたこととあまりにも合致しており、少し胸に引っかかったものが取れた気がした。他にもたくさんの質問に答えておられた。そのどれもが自信に裏打ちされたもののように感じた。

成功者に対して質問をする場面というのはよく見かけるが、おおよその場合質問者は成功者に対して「あなたは(自分とは違って)特別ですよね?何か特殊な秘訣があるんですよね?」といった質問をし、成功者は「特別なことは何もありません。私も凡人です。ただ愚直にやるのみです」といった回答をする。質問者は成功者に、自分とは違う特別なものがあるから成功したんだ、だから自分ができなくてもしょうがないんだ、といった「できない自分の肯定」をしてくれる期待を含んだ質問をしているように見える。けれど、いつだって期待は想定外の「私も凡人です」によって打ち砕かれる。

また明日から、主役の凡人を真面目に頑張ろう、と思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?