自分の体だから・自分の体なのに

「右腕を体と平行に上げる」
「脚を前にまっすぐに上げる」
見ながら確認してなくても目を閉じていてもできるし、必死に「やるぞ…やるぞ!」と考えなくても自然にできる。自分の体だから当たり前と言えば当たり前だけど、当たり前がすごい。熟練してくると自分の体の外側も感覚でコントロールできるようになる。(お寿司の職人さんが切る一貫の魚の大きさに寸分の狂いも無い、みたいなもの)
自分の体だから簡単に分かる。

その反面、体の中のことになると途端に難しくなる。何かが歯に詰まって舌で探るけれど指で触っても見当違いの場所だったり、鼻毛のお掃除してたら「お前どこにいたんだ…?」と剛で長なやつがいたりする。
自分の体なのに全然分からない。

四十余年生きてきて、自分の体の使い方を最近になって少し知った。喉が弱いので、大きい声を出すとすぐに喉が枯れるのが悩みだった。ある日、大きい声を出すときの喉の広げ方を、普段枯れやすいときは円形に広げるイメージでやっていたところ、だ円形を横に広げるイメージでやってみたところ、全然枯れなかった。声の大きさも十分。自分的エポックメイキング。

また、よく笑顔を作るときに「口角を上げましょう」と言うが、口を左右斜め上にグッと引き上げるイメージで何回やってみても胡散臭い作り笑顔にしかならないから、口角上げたくないなと思っていた。自分で見ても好感の持てない笑顔。しかし、上記の「喉を横に開く方法」を受けて、口角も同じように真横に引っ張るイメージでやってみたところ、前述の「口角を上げる」よりは自然な笑顔になることが分かった。万人が同じじゃないかもしれないけど、自分にとっては「口角を上げる」よりは「口を左右に広げる」が合っている気がした。

自分の体なのに扱い難しくな、と思った最近の出来事。

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