見出し画像

大好きな広告クリエイティブへの想い。

決断した1カ月ちょっと前には思いもしなかった。コロナの影響で世の中がこんな大変なことになるだなんて。そして、生き方や価値観、これまでの当たり前が変わろとする中で、働くステージを変えることになるなんて。

十数年前、人の心に届くものをつくりたいと憧れ何とか入った広告業界を、必死でもがいてきた広告クリエイティブを、今日2020年3月31日で卒業する。

共に歩んでくれた広告業界の仲間、そして直接会ってご挨拶できなかった方にも、ここで想いを伝えられたらと思います。これから出会う人にも、僕がどんな想いで大好きな広告をやめてまで新たな道を進もうと考えたか、これからどう歩んでいきたいのかわかるように、ここに残そうと思います。ちょっと長くなるけれど、読んでほしいです。

それにしてもみんなが在宅で仕事している今の状況を考えると、直接会えるって、それ自体が価値だったんだなぁ。

はじめての広告クリエイティブ~福岡~

大学を卒業して僕が最初に広告の現場に触れたのが福岡。当時の福岡の広告は「日本で一番カンヌに近い」と言われていたように、自由でユニークで、ローカル色があって、すごく尖ってて(いろんな方向に)、東京に比べて予算が全然ないことを「アイデア」という唯一無二の武器で超えていこうとする人たちばかりだった。当然そんなレベルにない自分は、師匠や先輩方とのアウトプットとの差に愕然とする日々。

でもチャンスは常に平等だった。そういう文化だった。企画やコピーが通れば、その人の言葉を中心に進んでいく。はじめて自分のコピーが選ばれて、キャンペーンの中心にその言葉がレイアウトされ、docomoショップにポスターが貼られ、CMが流れ、店員さんが説明をするツールになり、人の購買に関係する。カタチになって世に出た時のインパクト、感動は今も鮮明に思い出せる。これだけ長い間、広告クリエイティブをやってきた原点なのかもしれない。

コピーの師匠であり、自分が好きなコピーライターの一人、門田陽さんともこの時にご縁をいただき、ペーペーの自分をいろんな現場に連れて行っていただいたり、コピーにダメ出しをいただいたり、文字通り広告と格闘する日々だった。一番最初に入った会社がアド・パスカルで本当によかった。どんな時もアイデアをぶつけあう水島チームで、先輩方の背中を追いかけた時間が今につながっています。福岡でお世話になったみなさま、一年だけでしたがありがとうございました!福岡、大好き

宣伝会議の金のえんぴつ。まだ持ってた(笑)

画像1



ブランドに寄与するクリエイティブを~東京~

東京で働くとは1ミリも思っていなかった(東京こわいと思ってた)自分が、もう東京の広告業界で15年近く働いているのだから、今回の転職も数年前の自分にすら予想できない。だから、人生はおもしろい。

東京にやってきて、J.C.SPARKに3年お世話になりました。ナショナルクライアントのグラフィックを多数手がけ、福岡とはまた違うカルチャーで、とにかくかっこいいデザインや精度の高いフィニッシュにびっくりしたよなぁ。
また電通のいろんなクリエイティブの方とご一緒できたのも刺激的でしたし、ここでも門田さんの下で学びながら働けたのは本当に幸せでした。この時からグラフィックだけではなく、トータルでコミュニケーションを担当したい、ブランディングに寄与するクリエイティブに携わりたいという想いが日に日に大きくなったんだよな。今もお世話になっているAD崎谷さんとの出会いも大きかった。広告のあり方が変わりはじめる中で、「広告」のこと真剣に語り合いましたよね、飲みながら。よくケンカする人もいたな(笑)本当に充実の3年だった。

3度目の転職は2008年、東銀座の朝日広告会社へ。今日まで11年半お世話になりました!入社当時プライベートでも長男が誕生したばかり、そしてその後リーマンショックとすごいスタートだった。今回もそれよりも大変な事態になっているけれど。。当時自分が思っていたトータルでコミュニケーションを担当し、幅広い領域で価値を提供すること、それを少しずつではあるけれど今できていて本当に充実感があり恵まれていたなと感じる。担当させていただい中でも特に個人的な想いが強いのが、丸美屋さんと東京ガスさん。どちらも直近まで約8年、クリエイティブディレクター兼コピーライターとして大切なブランドやプロダクト、サービスのコミュニケーションに携わらせていただいた。

丸美屋ではここには書ききれないほどたくさんのクリエイティブをつくったし、戦略の議論もしたし、社内でバチバチしたり。クライアント、広告会社、パートナー会社みんなそれぞれが商品への想いを持って、まっすぐ向き合えるいいチームだった。何様だよって感じだけれど、本当にそう思う。一緒にCMやグラフィック、パッケージをつくってくれるパートナーのみなさんも、プロとしてベストなものを共に最後まで、細部まで向き合っていただいた。その一つひとつの過程が、今の自分をつくってくれている。

今年60周年を迎える丸美屋の「のりたま」、50周年を迎える「釜めしの素」のCMが最後の制作になりました。2月からO.Aされてます。国民的商品を担当させていただく責任とやりがいのある環境、本当に幸せでした。宣伝部・マーケ部のみなさま、丸美屋チームのみんなありがとうございました!!

画像3

混ぜ込みわかめも思い入れが強い。他にもたくさん・・


東京ガスに関しても、僕たちの生活を365日支えるインフラ、暮らしを豊かにしてくれるコンロやエネファーム、料理教室など、サービスやプロダクトのブランディング、営業ツール、WEBコンテンツなどクリエイティブの観点からサポートさせていただきました。6年続いているライフバルのシリーズ広告を雑誌広告だけではなく、渋谷・東京・横浜など主要駅で展開したのだけれど・・コロナめ・・。僕がいなくなった後も、このシリーズは何年も続けてほしいなと願っています。東京ガスのみなさま、東京ガスチームのみんな、本当にありがとうございました!

他にもたくさんの企業のサポートをさせていただきました。TCC賞(東京コピーライターズクラブ)を取ったこともない自分ですが、一つひとつのプロジェクトを一生懸命やってきたつもりです。長く続く案件が多かったのも、自分の特徴かなと思っています。これまでご一緒させていただいたご担当のみなさま、一緒にクリエイティブに携わってくれたみなさま、本当にありがとうございました。すべてが僕の財産です。

広告クリエイティブにはいろんな可能性がある

この1,2年は、広告のあり方についても考えるようになりました。少しは大人になりました(笑) いろんなモノやコトがデジタルで変革される中、「広告はどうするのか?」「広告会社はどんな価値を提供するのか?」そんなことを尊敬する上司の橋本さんと何度も何度も話しました。「自分たちならではの」「自分たちらしい」価値を生み出せないか。そこで広告クリエイティブをつくる一方、日本のCSV企業を考察するサイト「J-naradewa」と企業の志やパーパスブランディングを考察する「Rashii」というサイトを立ち上げました。この取り組みが自分の視野を広げ、広告クリエイティブの価値を再認識するきっかけになりました。そして同志と呼べる仲間も増えました。

フーディソンの山本社長にはスタートアップとして事業を立ち上げた覚悟と志を。川崎フロンターレの井川さんにはサッカークラブの独自の価値提供やコミュニティの関係性を。中川政七商店の中川会長には伝統工芸におけるビジョンとブランディングの話を。NRIの古西さんと伊吹さんには個人がパーパスを持つことの大切さを。他にも深く、濃い話を聞く機会に恵まれました。本当にありがとうございました。

広告の枠を超えた取り組みをしたからこそ出会えた人やコト、想いに触れ、自分自身のパーパス=存在意義や志の部分を問うことが増えました。


挑戦に終わりはない。これからのこと

僕は相変わらず、広告やコピーやデザインや動画が好きです。そして広告を愛するプロと一緒に課題を解決していくことにも可能性を感じています。けれど、僕はこれまで培ってきた広告クリエイティブの力をちがった使い方で、ちがった価値の提供ができないかと考えるようになりました。子どもたちが生きる未来につながること。僕が生まれた鹿児島や大学生活を送った福岡など都心から離れた場所の暮らしに貢献できること。生きるという本質的な部分を豊かにすること。クリエイティブの力でまだまだ解決できることがあるのではないかと。

僕は明日から、「kurashiru」を展開する「dely」で、クリエイティブディレクターとして、新たな領域でゼロから挑戦します。食の不をこれからどんどん解決しようとしている若い会社です。delyでどんな挑戦をして、何を成すのか。どんな個人のパーパスを掲げて挑むのか。また次のnoteでまとめたいと思います。また見てくださいね!
食の領域で事業を拡大させるdelyを通して、いろんな価値を提供できるブランドにしていきます!

最後に

僕のまわりには志を持って、コトに向かう人たちがたくさんいます。地元で愛されてラーメン屋を10年やっている弟。薩摩切子や江戸切子の器でお酒を出し文化も楽しめる店を出した友人。広告業界の未来をつくろうとする仲間たち。いい社会をつくるために起業した人。コロナで明日のこともわからない現状で不安もあるけれど、いい未来にするのは僕たち一人ひとりだと思っています。大きなことでなくても、日常の小さなことからいい方に変えていきたい。そのために、大好きな広告からちょっと離れて、新しい挑戦をします。これからも仲間として、どうぞよろしくお願いします。コピーライターのくせに、とりとめもなく書いちゃいました。

ありがとうございました!また一緒につくろう!

吉岡崇


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

あいがとさげもした!(鹿児島弁です)
18
クリエイティブディレクター・コピーライター|今日もクリエイティブの現場から|広告|コピー|パーパス|ブランディング|食| など いろいろと。 2020年Twitterはじめました。こちらのフォローもお願いします! https://twitter.com/Yoshioka_Taj
コメント (1)
吉岡さん、今さらですがASAKOお疲れ様でした!
そして次の会社delyだったんですね、知らなかったです!
またお話聞かせてください!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。