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職場のウェルビーイングを高める を読んで 著者:ジム・クリフトン(ギャラップ社会長兼CEO)

2023/3/23にソフトバンク大神田さん(人事本部 人事企画統括部 人事企画部 ワークスタイルデザイン課 課長兼Well-being推進室 担当課長)とコラボウェビナーでウェルビーイングについて話すため知識のインプットとして読んだ。

著者はアメリカのギャラップ社会長兼CEOのジム・クリフトン。

世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査が有名。
日本は「熱意あふれる社員」の割合が6パーセントで、調査した139国中132位という結果だった。(感覚的には納得)

ウェルビーイング=ウェルネス(健康)というイメージがあり、企業が従業員の健康促進に取り組むことを指すように思うが決して、それだけではない。本著書を読んだ解釈は以下。


・コロナによってメンタルヘルス・パンデミックが起きた。生活に苦しんでいる、日々葛藤している人が増加、それは深刻な地球規模の問題である。

・ただ企業単位で自社の従業員がどれくらいの割合で苦しんでいるか把握できるデータはない。

・ギャラップ社の調査でわかったことは「よい仕事に就くこと」を世界中の人が望んでいる。

・ウェルビーイング(活き活きと生活を送る)はキャリア、人間関係、経済、身体、コミュニティの5つの要素からなる。その中で最も大事なのがキャリアのウェルビーイング。

・キャリアのウェルビーイングを向上させるためにまずやるべきことは従業員をエンゲージさせること。(意欲をもって仕事に取り組む)
エンゲージしている従業員は組織のウェルビーイングの取組みに積極的に参加する可能性が高いことが理由。

・ウェルビーイングは個人のパフォーマンス、健康面に相乗効果をもたらす。(複数のウェルビーイング要素が高いほど充足度につながる)

・多くの企業は健康(ウェルネス)に限定し取組みをしてきたが、最も焦点をあてるべきはキャリア・ウェルビーイング

・キャリア・ウェルビーイング(仕事に活き活きと取り組んでいる)が高い人は生活全体が活き活きとしている。

・人間関係ウェルビーイング(人との関わり)は人的資本を生み出す。

・経済的ウェルビーイングを高めるために企業は退職後に向けた貯蓄(ファイナンシャルの知識)、福利厚生を充実させる必要がある。

・身体的ウェルビーイング(よく眠り、運動し、健康的に食べる習慣)が悪い、ないことは大きなリスクを生む。

・コミュニティウェルビーイングが高い(仕事を超えて自分の人生に重要な意味があることを実感したい)ことが他のウェルビーイングに影響するため、企業は地域社会の活動に参加する従業員を称える。

あるべき姿
・エンゲージしたキャリア
・固い絆で結ばれた人間関係
・経済的安定
・健康的でエネルギーに溢れた身体
・安全的に暮らせる場所

良くない姿
・成長を感じられない職場、パワハラ上司のいる職場。
・忙しすぎて友達・家族との時間がおろそか。
・必要ないものを買って浪費する。
・1日中デスクワーク。
・地域活動に関与しない。

5つの要素を満たすために企業は福利厚生やプログラムを用意する。
そしてその取り組みの波及、浸透にもっとも大事なことがCEOが率先して始めること。よい選択をしている人が周りにいることで組織文化が作られる。

それを続けることでウェルビーイングとレジリエンスの高い組織文化を作ることができる。そうすれば外部環境に影響されない組織を作ることができる。

そのための根幹は従業員エンゲージメント。仕事自体がつまらないとどれだけウェルビーイングを向上させようと努力しても従業員の心には響かない。


先ず大前提に就いている仕事が楽しいことがある。面白くない仕事に就いている場合、ウェルビーイングも何もない。
企業を主語にすると、やりがいのある仕事だと(社会的意義・パーパス)従業員に伝えられているか?従業員の能力を活かす適材適所の場所を与えられているか?。並行してウェルビーイングを高める取り組みを行うということ。

伊藤レポートに書かれている経営戦略と人材戦略が連動することが大事で、ウェルビーイングを高める取り組みが点になっては意味がない。
入社~退職まで企業が提供するプログラムが点になっているケースが多い。昔から変わらない福利厚生、属人的手当、働く場所や働き方が変わっていくことに合わせて制度も変えていく必要がある。

ウェルビーイングについて改めて理解できる良い著書だった。


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