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【レビュー】歯車を集めて機関獣を作れ! リソース管理の苦しい東洋スチームパンクゲーム『東洋の機関士』

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タイトル:東洋の機関士(東方機関術/Jigūan: The Eastern Mechanist)
パブリッシャー:EmperorS4
デザイナー:Eros Lin
プレー人数:2~4人
プレー時間:45~90分
ゲーム背景:
プレーヤーは科学技術が発達した古代中華文明の機関士となり、部品を集め、動力源を確保し、技術力を高めて機関獣を作る。自身の名声を高めつつ、中華機関文明を発達させよう!

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台湾・EmperorS4の2019年エッセン新作。東洋風スチームパンクという珍しいテーマを扱っている。世界観にどことなくジブリっぽさを感じるのは「千と千尋」とラピュタを想起するからだろうか。

このゲームの基本的な流れはシンプルで、歯車を集めて設計図を完成させる、という流れを繰り返す。しかしながら、得点やアクションに関わる要素が複数あるので、どうすれば効率よくやりたいことができるのか悩むことになるだろう。

手番でのアクションは歯車を取るか機械獣を完成させるかの2択。

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歯車を取る場合は、このような全プレーヤー共用のボードに円形に並べられた歯車の中から隣り合う2個を選ぶ。

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取った歯車はこのような個人ボードに描かれた九つの丸いマスに配置していく。なお、外周に置かれるのが機関獣の設計図である。

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このように、設計図と同一直線上にある歯車に書かれた数字の和が設計図に書かれた数字と同じ場合は、機関獣完成のアクションを行うことができる。

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完成させると設計図が裏返り、かっこいい機関獣が姿を現す。このとき、使用した3枚の歯車のうち2枚は個人ボードの隣に捨てるが、1枚はボード上に残しておける。この数合わせのシステムはなかなかに独特。歯車を効率的に利用できるように配置していきたいところだ。

と、歯車を手に入れて設計図を完成させるというシンプルな流れが基本なのだが、実際にプレイしてみるとあれこれ頭を悩ませることになる。

というのも、歯車を置いた位置によって動力源が手に入ったり、機関獣を完成させると塔での階級が上がってボーナスが手に入ったり、その階級がラウンド終了時の得点計算に影響したり、特殊効果や点数を提供してくれるカードがあったり、と考えるべき要素が多いからだ。

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歯車、設計図、リソース(お金・動力源)、階級、カード……とさまざまな要素をわずか二つのアクションでやり繰りしていかなければならないので、終盤にもなると、あれもこれもやりたいけど圧倒的に手数が足りない、という状況になる。

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共用ボード上の歯車がなくなったら間もなく1ラウンド終了の合図(真ん中に置かれた飛行船は終了のトリガーを引いた人に渡され、点数となる)。ラウンドが終了すると決算が発生する。これを2ラウンド行ったらゲーム終了である。歯車は機関獣の完成に不可欠なだけに、みんな欲しがるので、終わりは思ったよりも早くやってくるだろう。

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ステファン・フェルトをこよなく愛するErosらしく、プレーヤーに固有の能力も用意されている。これがプレーの指針になるし、何度かプレーしていろんな戦略を試してみたくもなるだろう。

特殊効果は複数種類あるものの、すべてアイコン化されているので慣れればわかりやすい。特殊効果を駆使しつつ、カツカツなリソース管理をしながら得点を伸ばす、重めのゲームが好きな方にお勧め。

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