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ポップコーンは買わない派です。vol.91

ミステリー・トレイン


エルヴィス・プレスリーの影に迫る作品?


立て続けにジム・ジャームッシュを観ているので連チャンで取り上げるぜ。


こちらもナイトオンザプラネットの時と同様に同じ時間軸で展開されるオムニバス作品である。


舞台はホテル。

このホテルに泊まる別々の人間の物語の組み合わせ。

この作品もナイトオンザプラネットの時と同様、特に大きな事件が起きるわけではない。笑


それを踏まえた上で、


ホテルに宿泊する際に自分の部屋以外の人間のことを考えることってないし、すれ違っても無だと思う。。

皆が皆自分のことしか考えていない状態。


極限的にプライベートな空間であるが故に他で行われていることがわかない、周りにはバレない状況であることは逆にとれば

非常にエンタメ性が高いと思える。


だから大きな事件が起きなくても観てられるのかも。


最後のパートは事件性高いけど、大ごとになる前に映画が終わってしまった。笑


本作で登場する人物たちは

ホテルというハコの中では一緒にいるのだが、一度も交流することはない。


どこかで交わるんじゃないか、事件が起きるんじゃないかっていう雰囲気はすごいんだが、そうはならずにすれ違って終わっていく。


終始、不気味な雰囲気を醸し出しているのだ。


タイトルにもなっているミステリートレインは

エルヴィスプレスリーが歌う楽曲に基づいている。

いい笑顔。


ここで引用文。

もともとリズム&ブルースだった「MYSTERY TRAIN」の歌詞にはホラー的要素があります。
戦前からのブルースソングには列車もの、旅物が多く存在しますが、多くは本人の内情、不安感を歌詞にする事が多く、悪魔が出てきたり何か得体の知れない物が自分の家族、彼女、財産など、何かを奪って行く内容だったりします。

「長く黒い列車が俺の彼女を連れ去ってしまった…」
最初に録音したのはジュニア・パーカー、彼のバージョンは素晴らしく不気味で、ジム・ジャームッシュ映画「ミステリー・トレイン」のエンディングで効果的に使われています。
対してエルヴィス版は全く雰囲気が違います。
エルヴィスは
「俺の彼女を連れ去っていってしまった、でも二度とそうさせない…」
「でも、彼女を連れ戻す、彼女は俺の物、すべて俺のもの…」
ここの部分を自身に満ちた感じで歌っていますが、一方ジュニア・パーカーの場合は悲しく切望している印象でブルース感満点です。
エルヴィスの解釈も未来ある若者らしく素晴らしいと思いますが、歌詞の内容についてサム・フィリップスと口論になったと言う話が最近の研究で明らかになった様です。

引用:http://706union.jp/mysterytrain/


エルヴィスのこの感じ、笑顔からも取れるように女の子が「きゃー!」ってなる要素をしっかり汲み取って表現しているように思える。

でもその考え方が仇となってエルヴィス自身が苦しい思いをする羽目になっていくんだろうな。

そりゃミツコ(工藤夕貴)はエルヴィスが好きになるでしょうね。笑


オープニングと、エンディングで流れるミステリートレインを歌う人物が違うというところも興味深いですね。


エンディングで流れたジュニア・パーカー版のミステリートレインの方が、作品にあっているように僕は思った。


そもそもブルースというのは日頃の鬱々として気持ちやうまくいかないことを吐露する内容が多いのにそれをわざわざ表向きに明るく取り繕って表現したエルヴィスはプロだなあと思う反面、スーパースターというとんでもないものを背負ってたんだなってわかる。

だからこそ、OPとEDの対比はエルヴィスの影を感じさせる表現ではないかと勝手に感じてしまった。


エルヴィスの末路

エルヴィス・プレスリーは、スーパースターで在り続けることのプレッシャーからか、過食や、さまざまな薬物を摂取することによる極度の肥満で、体を蝕んでいきます。そして1977年8月16日、メンフィスの自宅バスルームで倒れているところを発見されました。ドーナツを食べ過ぎて喉に詰まらせて死んだ、ドラッグをやりすぎて死んだなど、もはや都市伝説化しているエルヴィス・プレスリーの死因。しかし、実際のところは、処方された薬の摂り過ぎからなる不整脈による突然死という検死結果でした。


んーー。マイケルジャクソンとかもそうだけど、

こういう形で若くして亡くなってしまうアーティストが多いのは確かで、

スポーツ界でも大坂なおみさんがうつ病状態で悩まされていたという理由から記者会見を辞退し、全仏オープンを棄権した。

本人は歌うこと、踊ること、テニスを楽しみたい、というのが根底にあるのは間違いないのに外的環境によって狂わされてしまう部分て大いにあると思うし、

記者会見も考えものだと思う。末路は受け取りての私たちにも問題があると思うわけで。


エンタメを提供してくれるのはモノじゃねえんだよ。

それは食糧生産をしている自分からしても同じ。

人間がつくる意味について考えていきたいと思うよ。


はーい、話がかなり脱線しそうなのでまた別の機会に詳しく話すことにして。


最後に

エルヴィスプレスリーや作中に出てくる名前として、カールパーキンス、ロイオービソンなど、調べてみると、引っかかってくるシーンが増えたり、また別の視点で物事を見れたりするのはとても面白い。

とは言いつつも、肩の力を入れすぎては余計にジム・ジャームッシュ監督と のシンクロ率が下がってしまうので、ほどほどに。



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