マガジンのカバー画像

映画の感想

155
観た映画の感想です。不定期更新。
運営しているクリエイター

#映画感想

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン

ポップコーンは買わない。vol.141

あらすじお父さんという肩書きの重荷「お父さん、、大丈夫か…大丈夫じゃないんだろうけれど、、頑張ってくれ。。」

と心でずっと声をかけ続けていた。おそらくこの声がけも本人からすると、苦痛に感じてしまうのかもしれない。

精神的に不安定、つまり自死に近い状態にある父親の姿は子供にとっても辛いことだろう。私はそのような経験はないが、親も大なり小なりストレスを抱え

もっとみる
首

vol.140

はじめに北野武監督の最新作
30年前に書いていた脚本をついに映画化したという本作、監督自身の時代劇へのイラつき?大河ドラマや民放時代劇は綺麗に描きすぎだとインタビューで答えていたのが印象的だった。
映画だからこそ描ける、北野武だから描ける描写の数々。狂気と欲望にまみれた戦国時代。ある意味人間らしいといえば人間らしい姿なのかもしれない。
自然と始まるアドリブコントのようなやり取りに

もっとみる
ぼくたちの哲学教室

ぼくたちの哲学教室

vol.139

試験の科目でもない「哲学」を教える小学校舞台は北アイランドのベルファストついこの間、ケネス・ブラナーが幼少期に経験したベルファストでの生活をリアルに描いた「ベルファスト」という作品も記憶に新しいことだろう。

ベルファストでは1969年から紛争によるプロテスタントとカトリックの対立が長く続いていて、1999年に和平合意がなされ、現在は停戦状態になっている。それから激しい戦闘は起こ

もっとみる
霧幻鉄道

霧幻鉄道

ポップコーンは買わない。vol.132

予告編あらすじ観光化されているダムにいった時に、ダム建設の歴史を記した資料館があった。そこにはダム建設に伴って埋もれてしまった集落の存在があった。

公共の福祉とはいえ、自分の住んでいるところや故郷を追われるというのは耐え難い苦痛であることは間違いない。

そういった苦しみや闘争というのは悲しいことに当事者でないとわからない。

対象が自分でないとわかった

もっとみる
もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

ポップコーンは買わない。vol.131

いやぁ、最近サボりすぎてて書く筋力が落ちてきているというか何を書いたらいいのかわからなくなってきたというか。

だいたいぬるっと書き始めてなんとなく言いたいことだけ言って思いついたら足していくみたいな形で今までは書いていたのだけれど、なかなかうまいこといかないのねぇ。

この作品を見終わった時に思ったのは、どんでん返しすぎて正直覚めてしまったー。

演劇が

もっとみる
ある男

ある男

ポップコーンは買わない。vol.127

あらすじ

あの人が羨ましい。あの人になりたい。といって自分自身をそこに近づけるために努力することはポジティブなことだ。

人の実存を客観的に認めるものとして戸籍がある。

その戸籍を交換することで、死ぬまで別の人の人生を歩む人がこの世には存在するらしい。

これはポジティブなのだろうかまたはネガティブなことなのだろうか。

自分の過去を葬り去ってまで他者

もっとみる
片袖の魚

片袖の魚

自分を不完全な存在だと思い込むトランスジェンダーの女性が新たな一歩を踏み出そうとする姿を描いた短編映画。詩人・文月悠光の詩を原案に、ゲイ老人の性と苦悩を描いた「老ナルキソス」で高く評価された東海林毅監督がメガホンをとった。トランスジェンダーの新谷ひかりは、周囲との間に言葉にできない壁を感じながらも、同じくトランスジェンダーの友人・千秋や会社の上司である中山、同僚の辻ら理解者に恵まれ、東京で一人暮ら

もっとみる
ドキュメンタリーは疑ってかかれ。うかつに感動してはいけない。 〜私は白鳥〜

ドキュメンタリーは疑ってかかれ。うかつに感動してはいけない。 〜私は白鳥〜

「私は白鳥」「何気ない日常にある小さな幸せ」

ウクライナへのロシアの侵攻があってそんな小さな幸せというものがいかに尊いものか浮き彫りになってきているのではないだろうか。

物質的な豊かさにまみれた都市の暮らしにはそれを見出すことは難しい。

街を歩く人々は道に生えてる草花や昆虫、雲の形や匂いなど様々な自然が溢れているにもかかわらずそれらに関心が向かない。というより向ける余裕がないのだろう。

もっとみる
コロナ禍で気づいたオフラインで会うこと、そして社会の外に出て一緒に体験することの尊さを感じる。〜アンソニーのハッピーモーテル〜

コロナ禍で気づいたオフラインで会うこと、そして社会の外に出て一緒に体験することの尊さを感じる。〜アンソニーのハッピーモーテル〜

ポップコーンは買わない。vol119

最初の予告編が”アンソニーの…”です。

2週もサボってしもたー。どんどん鑑賞済が溜まっていくので忘れないうちにまとめておかねばと思いつつも、、って感じだよね。

あなたには親友とよべる人はいるのだろうか本作をみて思ったのは、、例えば学生時代に築いた友人関係を社会人になっても、未来永劫つづけたいと願うならその仲間と社会の外に一緒に出る経験が必要になってくる気

もっとみる
ポップコーンは買わない。vol.111

ポップコーンは買わない。vol.111

風の歌を聴け全ては自己満足から始まるのではなぜこの作品を選んだのかと聞かれれば、そういう気分だったからだと言わざると得ない。

あくまで私的な文章であるのだから、最新映画や話題の配信作品ばかりを取り扱うわけではない。

きっかけは村上春樹さんが月に一度放送するラジオ番組には確実に影響を受けている。

「村上RADIO」

村上さん自身が選曲し、自分の話したいこと、リスナーからの悩み相談にも村上春樹

もっとみる
ポップコーンは買わない。vol.110

ポップコーンは買わない。vol.110

アンタッチャブル

映画館で映画を観ることがあまりできてなくて、そのかわり配信で過去の名作を観ることができるのはメリットのひとつではあると思う。

しかしながら、家での鑑賞の大きな欠点として挙げられるのが、眠気。

映画というのはなるべく切りたくない、つまり最後まで通して観たいのだ。

眠気はその思惑を強制的にシャットダウンしてくるから厄介。

かつて、1920年代に禁酒法という法律がアメリカで施

もっとみる
ポップコーンは買わない。vol.109

ポップコーンは買わない。vol.109

桐島、部活やめるってよかつて運動部だった私はその当時、運動部に所属することが当たり前であり、みんながそうする、かっこいいことなんだということだと認識していた。

けれども、それは違ったんじゃないかと思っている。今となっては文化的な活動(音楽やら芸術やら演劇やら映画やら)に取り組むことも必要だったと感じている。

勉強、運動、ルックス、これらが学校における全てだと思っていた。

もちろんそれらは重要

もっとみる
ポップコーンは買わない。

ポップコーンは買わない。

言い訳なんだかんだで見れてないな〜

現在ネタが尽きている状態で、困ってます。

みたい作品はたくさんあるのだけれど、時間を作れていないという現状。

いわゆる名作と呼ばれているものたち。

この世には名作と呼ばれている作品がごまんとあるのですが、それを網羅していくのは大変な時間と労力がかかるわけです。

でもそこにある程度の好みが加わってくるので、絞られてくるとは思うのですが、とはいえサブスクの

もっとみる
ポップコーンは買わないvol.108

ポップコーンは買わないvol.108

東京物語帰省とは逆の概念
〜親が上京してくるパターンのやつ〜自分が関東に進学して一人暮らしをしているときに、親が上京してくることがあった。母と妹×2がやってきた。

その当時は大学2年生で、大学生活に慣れてきて正直帰省も面倒くさくなってきたりましてや田舎から親が来るなんてことはさらに面倒くさいと感じてしまうことの一つだった。

それが来るというのだから、部屋の片付けやら掃除やら見られてはいけないも

もっとみる