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ザ・ボーイズ シーズン2(2020/アメリカ) ネタバレあり感想 キャラの魅力で引っ張ってくれる感じがある。


汚さがパワーアップしてた。

『ザ・ボーイズ』

(THE BOYS) 

#Season2

ボーイズs2


シーズン1の感想はこちら↓↓↓


以下、ネタバレを含む感想記事です。



■ストーリー

ヒーロービジネスの闇を公表する事でヴォート社を壊滅させようと画策していたボーイズや協力者達。しかし深掘りすればするほど問題や事態が複雑に絡み合っていく。

一方ホームランダーは息子の存在を通じて人間的に成長する可能性をチラつかせ始めていた。



■感想


シーズン1では、ヒーローの超能力の秘密であるコンパウンドVの存在やヒーロー達の裏の姿を公表する事でヴォート社を倒す、という明確な目的の元ストーリーが構成されていました。

だからこそボーイズの面々はヴォート社という脅威から身を護る為にも戦う必要があったわけですが、シーズン2では目的となる部分がストーリーを追うごとにどんどん移り変わり、その都度ヴォート社と様々な理由で対立するような物語構成だったように思います。

ヴォート社やスーパーヒーローにボーイズ達が立ち向かう理由が揺れ動きまくる、というより結果としてヴォート社に立ち向かわなければならないみたいな自体が多いので、つまるところ本筋もサイドストーリーも、統一感みたいなものが前シーズンよりも薄れているような印象を受けました。

まるでキミコが最後にストームフロントをぶちのめす要員として参戦できる理由付けの為に登場して殺されたみたいなキミコの弟とか、不憫すぎん?

そういえばシーズン1ラストでクリフハンガー的に匂わされていたスーパーヴィランの存在も、基本的にはヴォート社の陰謀と深い闇を演出する為の一要素に終始していました。



じゃあ前シーズンより面白くなかったのかというと、個人的には逆でシーズン2の方が楽しめました。

色々面白い部分が多かったんですが、まず最初にホームランダーの人間的な成長を期待させるような展開についてちょっと語りたいです。

当所はライアン君に自分の力が遺伝している事を確信し「お前と俺でこの世界の神になろう」みたいな、ダースベイダー染みた思想の元ライアン君に接していたホームランダー。

ライアン君を6mもの高さから突き落としたりする辺りにサイコ出ちゃってたんですが、それでもライアン君との交流を重ね続け次第に父親らしさや人間らしさを身に付けようと努める姿が描かれ、かなり意外性満載でした。

そうやって息子との絆をたっぷり描いた上で迎えた終盤、ライアン君に拒絶させるという悪意全開すぎる展開が最高に効いてて黒い面白さが詰まってました。結果ホームランダーは狂人のままなわけですが、この謎の安心感。ホームランダーに人間性なんて必要ないんだなぁ。

最後は高台から摩天楼に向かって「俺はなんでもできる」と妄言を繰り返しながら下半身丸出しで抜くシーンで締められてて死ぬほど面白いです。何あのヤバ過ぎる絵面。



前シーズンで僕はヒューイがわりと嫌いだったんですが、今シーズンのヒューイはかなり好意的に観る事ができました。

というのもS1のヒューイと違ってS2のヒューイは"自分の事を「もう一般人に戻れない」と思い込んでる一般人"みたいなキャラクター性に変化していて、当然いい感じに何事にも一人で対処しきれないので、良くも悪くも視聴者目線に近づいたような気がしました。

しかもS1で個人的にはかなり鼻についていた頭の弱さみたいなのも謎の改善を見せていて、S2のヒューイは筋を通すキャラクターになっていたのも個人的に良い変化だと思いました。


恋人との関係がホームランダーにバレて、そこから元気すっかり無くして腐ってバッチリ死亡フラグまで立てていたメイヴが生存しきるの結構意外でした。絶対死ぬと思って観てた。

それどころか最後はストームフロントいじめに加担しますし、ホームランダーを脅して身の安全も確保しました。今後の活躍が一番期待できるヒーロー。


その一方、セブン復帰の為にありとあらゆることに挑戦して、カルト教団にまで入信するも最後まで報われないディープのネタ枠感。

とは言っても元セブンという特殊な立ち位置で活躍できる展開はあるはずで、実際それは何度か訪れるんですが、ランプライターという古参リタイヤ―がその枠獲っちゃいましたし、後半は完全に裏切り者となったアニーちゃんも居るしで、結局物語そのものからも要らん子扱いされてるみたいで可哀想で笑います。


新セブンのメンバーとして加入したストームフロントが、実年齢100歳くらいなのに時代に適応しようと現代っ子らしい事をたくさんしているのが微笑ましいとおもいましたまる

いや実際シーズン2のキーパーソンなんですけど、なんかまだ視聴直後だからなのか印象がそこまで定まってなくて、若作り頑張ったで賞与えるくらいしかできません。



描写不足が否めないシーンが多いと感じます。

ボーイズは指名手配者だから動きづらいという序盤辺りの設定がどんどん死んでいったり、アニーがヒューイがまた自分に嘘を付いていると察してしまう描写がその後のどのシーンにかかっていたのかいまいち分からなかったり、精神病院に居たクソ強そうな女の子は結局なんだったのか分からなかったり。

そういう細かい部分をしれっと流し過ぎな印象でした。


■〆

個人評価:★★★★☆

ちょっと雑な部分もある気がしますが、それでもシーズン1より個人的には楽しめました。

各キャラクターの掘り下げと相関性の描き方とか、その見せ方が上手い印象で、ストーリー自体がころころ行ったり来たりしても、キャラクターの魅力で強引に面白さを引き立たせられるタイプのドラマだと思いました。

ストーリーそのものも、一応描いたもの全てにカタを付けてくれますしスッキリ観終える事ができました。女性議員が実は超能力者だった!どうなる!?みたいな最後のクリフハンガーも、普通に本筋が纏まった上でのプラスワン要素に留まっている気がしますし、内容こそグロいし汚いし散々な事になっていますが、話のまとめ方みたいな部分では謎の上品さを感じられて好きです。

ではまた。


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