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エリスのABC理論で転職理由を深掘りしてみる

論理療法、あるいはREBTで調べてみると型はたくさん出てくる。

我々転職エージェントの実務にエリスの理論を照らし合わせると、求職者の転職理由を深掘りするときに役立つ。
何故転職活動をしているのか、そもそものきっかけはなんだったのか、そのきっかけから「転職しよう」という結論、行動に結び付いたのは何故か。

A Activating event
実際に起きたこと、出来事、事実
B Belief
信念、価値観、固定観念
C Consequence
結果、結論

ABC理論は、人は出来事からいきなり結論にいかない、必ずそれを解釈する信念が挟まっている、とする。信念が人によって異なるからこそ、「同じ出来事でも人によって受け止め方が違う」のである。チャンスと捉えるかピンチと捉えるか、とかコップに半分入った水をどう解釈するか、とか有名な問題があるでしょう。

自分は、ABC理論は「本来こうでなくてはいけない」という思い込みを取り払うものだと考えている。
たとえば、「やりだしたらやめずに続けるべきだ」とか
「やるからには一位を目指すべきだ」とか
「リーダーはみんなから好かれ、信頼されるべきだ」とか
「豊かな人生はこうであるべきだ」とか。

思い込みと現状を照らし合わせて、「自分は出来ていない、満たしていないから不幸だ」と劣等感をもってしまう。

「出世していない」「評価が低い」「良いプロジェクトにアサインされていない」という出来事(A)から

「自分の仕事は評価されるべきだ」「評価されている人が出世しさらに活躍出来るはずだ」「評価がされていない現状で、この会社では活躍が難しい」という思い込み、価値観(B)を通過し、

もっといい仕事につくべきだ、という結論(C)に至ってしまうのである。

イラショナル・ビリーフで検索すると「反駁の例」が出てくる。ABC理論には続きがあって、DとEを足してABCDE理論というのもある。DはDespute、EはEffectである。
「それはそんなに我慢ならないものか?」というストレートなものもあって面白い。

深掘りするときに注意したいのが、求職者の話を聞きながら「それは極端だなあ」と思ったとしても「それはイラショナル・ビリーフですね」と指摘してしまわないこと。「どんな思い、考え方でその結論に至ったのか」に焦点をあてることが重要だなあと感じた。


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