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明日、会社に行きたくない……毎週日曜夜に抱える葛藤【仏教で答える悩み相談8】


人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。

今月のお悩み

Qいまの職場には特に不満はありませんが、毎週日曜日の夜になると、「明日からまた仕事か……」と気持ちが憂鬱になります。こんな気持ちを乗り越える秘策を教えてください。(30代・男性)

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A1 休日あってこその憂鬱と捉えて

お仕事お疲れさまです。明日の仕事のことを考えて憂鬱になるのは、きっと、お仕事が大変なのだろうと思います。

そんな仕事に嫌々行って稼がなくても、食うに困らず、欲しいものが手に入り、「24時間好きなことをしていいですよ」と言われたら……素敵ですね。

でも、煩悩に囚われている人間というものは、たとえ今望んでいる状況が手に入ったとしても、現状に満足せずに更に求めてしまいます。今は大変な仕事を持っているから仕事に行くのが憂鬱ですが、仕事がなく自分の時間が持てるようになると暇を持て余して不満を持つ、なんてことがあり得る気がします。

具体的な対策としては、休日なく毎日働き続ければ、日曜の夜も月曜の朝も関係なく同じ気持ちでいられると思います。だけどそれでは休日の前の喜びもないですね。休日があってこその憂鬱を味わえている、と逆の発想で捉えてみるのはどうでしょう。
(築地本願寺コンタクトセンター・相馬顕子)

A2 ネガティブな感情から自己を知る

なぜ仕事に行くのが憂鬱なのでしょうか?  

職場の人間関係が合わないのか、仕事にやりがいが感じられないのか……いずれにしても大変なご苦労があるのだと思います。本当にお疲れさまです。

仏教では「因」と「果」の関係を大切にします。「仕事に行くのが憂鬱」と感じている事実(結果)の背景には、必ず原因があるはずです。職場の人間関係や仕事内容はもちろん、もしかしたら今のご自身の体調や感覚などにも仕事に行くのが憂鬱となる原因が隠れているのかもしれません。

その場しのぎの気持ちの切り替えも必要ですが、「どうして仕事に行くのが憂鬱になるのか」「不満がないのになぜそんな気持ちになるのか」ということをひたすら突き詰めてみると、今までは知り得なかった自分自身と向き合うことができるかもしれません。
(本願寺派布教使・横内教順)

A3 憂鬱さは月曜日に先送りして

私は、むしろ月曜日の朝が憂鬱でグダグタしてしまいますが、仕事に行った後はどうにかなるものです。なので、憂鬱感を月曜日に先送りしてみるのはいかがでしょうか?

日曜日も夜まで思いっきり楽しむ。まだ30代ですから、体力もあることでしょう。家にいても、好きな映画を見る、ギターの練習をする、ストレッチをする。お風呂にゆっくり浸かるなど、平日では時間がなくてなかなかできないことに思い切りトライする。日曜日の夜まで楽しんだら、気づいたら月曜日の朝になっていますよ。

でも、深酒は避けた方が無難というのは、私の経験。お酒は場合によっては不安感をあおるので、飲んでも嗜む程度がいいと思います。

ただ、心身に影響を及ぼすほどしんどいのなら専門家に診てもらうとか、職場の上司や同僚に相談されることを勧めます。
(NPO団体事務局長・枝木美香)

※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。


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