「知らなかった」で差別しないために。 不適切な呼び方とアウティングについて
学校総選挙プロジェクト10月~12月のテーマは『LGBTQ』。
多様な性のあり方を互いに尊重し、誰もが自分らしく生きられる社会のために「まず個人として何ができるか」を10代・20代のみなさんと一緒に考え、発信します。
今回は、LGBTQ当事者の差別や不利益につながってしまう2つのシーンを紹介します。自分の周りに当事者がいる、いない(と思っている)に関わらず日頃から意識してみましょう。
まずは基礎知識を知りたい!という方は前回の記事 からご覧ください。
その呼び方、ネガティブな意味じゃない?
LGBT、LGBTQという言葉と同時に、レズビアンやトランスジェンダーといった「性のあり方」を表す言葉を聞く機会も増えてきました。しかしそういった言葉の中には、差別的な意味を含むものや、過去に差別的な使われ方をされたことがあるものも含まれています。
知っておこう!「カミングアウト」と「アウティング」
カミングアウトという言葉を聞いたことはありますか?これは、LGBTQの人が自分の「性のあり方」を周囲に伝えること。
元々は“Coming out of the closet”(自分の身を隠していたクローゼットから外に出る)という表現から生まれた言葉です。
一方、
アウティングは、本人の「性のあり方」を同意なく第三者に伝えること。
LGBTQの認知が広まりつつある現在でも、残念ながらLGBTQ当事者への差別や偏見、不利益な社会構造は多く残っています。たとえ善意によるものでも、自身がLGBTQであると知られることで差別されたり、不利な扱いを受ける可能性がある以上、アウティングは絶対にしてはいけない行為です。
また、三重県では2021年3月から”LGBT平等条例”が定められ、「アウティングをしてはいけない」ことも定められています。
多様な性を互いに尊重する社会は、個人の意識だけでなく適切な知識もとても大切です。「まずこの言動は絶対やめよう」から始めても大丈夫。知識を学び、まず自分は何ができるか?を考えてみましょう!
【マンガ提供】
パレットーク Twitter: @palettalk_
【参考文献】
パレットーク『マンガでわかるLGBTQ+』(講談社)
神谷 悠一, 松岡 宗嗣『LGBTとハラスメント』(集英社新書)