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Reconditioning×TRX

最近、スタッフ間でTRXの活用方法について話をする機会がありました。
個人的な活用方法。なぜ。あえてTRXなのか。この点について考えをまとめておきます。

TRXとは。

TRX Japanの公式サイトによると、TRXサスペンショントレーニングは、米国海軍特殊部隊(NAVY SEAL)の司令官であったランディ・へトリックが、隊員および自身が、任務を確実に遂行できるよう、体力、コンディションを維持するために開発したトレーニングシステムです。
へトリックは軍を退役後、このシステムが第一線で活動する軍隊やトップアスリートだけでなく、すべての人に応用できることに気づき、MBA(経営学修士)を取得し、2004年に会社を設立。革新的な製品と、トレーナー向けの教育、多様なプログラムの提供を通して、TRXトレーニングは世界80か国以上の国々で、トップアスリートからフィットネス初心者、子供からお年寄りまで様々な人々に利用されるまでになっています。

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となっています。
トレーニングというイメージから、TRXの運動を見ると少し、強度が劣りそう・・・。と認識されている方もいるかと思いますが、実際にプログラムを
してみるとこれが意外にきついし、しんどい。そんな経験を自身もしてきました。

ガツガツしたトレーニングとは少し違うけれど、実施後は普段あまり感じない部分に生じる筋肉痛と、短時間で全身を使ったと感じれる状態に体を持っていけるツールとして認識しています。

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なぜ?TRXなのか。

TRXの最大の特徴である、①全身運動である事②体重や重力を負荷とする事を最大限に活かしたい時に用いることが多いです。

①全身運動である
TRXを用いた運動の全てが全身運動であることから、Reconditionの際には、メニュー後半で組み込むことが多いです。

例えば、上肢にトラブルがありReconditioningしている場合。また、下肢にトラブルがありReconditioningしている場合。状況はそれぞれ違いますが、トラブルがありReconditioningしていた部分が、

①本来の機能的な動きを取り戻せているのか。

また、

②近隣の関節と協調して動かせているのか。

を確認する意味で用います。

上記の例で話を進めると、例えば、上肢(肩)のトラブルを呈している選手がいたとします。まずは、局所に対してのReconditioningを図ります。(肩であれば腱板に対するチューブトレーニングや、ダンベルを用いたプレス系のメニューかもしれません。)次にTRXを用いて基本的な動作にReconditioningの課題を置き換えてチェックをします。その基本的な動作とは以下の項目になります。

押す(PUSH)
・引く(PULL)
・支える(PROP)

この基本的な動作が行なったCollective Exにて改善しているかを見る上で重要だと考えています。


この基本動作にて本来の機能的な動きが再構築されている事を確認した上で、近隣との関連性をチェックする事を目的にTRXを実施します。
これもまた上肢の話で進めると、肩(肩甲帯)と躯幹が一つの動きに中で共に働きあっているか。などを確認していきます。

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Reconditioningとして、トラブルを起こしている部位と、起こしていない部位に分けそれぞれメニューを実施する。(Colective Ex)


一定の実施回数を踏まえ、CollecitiveExがどれだけ再獲得が必要な基本的動作を再構築する為に影響を及ぼしたかを買う項目に照らし合わせてチェック(Fundamental)。


そして、一定の効果があり、基本的な動作を再獲得できていると判断できれば、トラブルを越していた(A)と、トラブルを起こしていない感部外の(B)を同時に効かせるメニューを実施する。さらに(A)とトラブルをおこしていない(C)さらには(A)+(B)+(C)と動きを派生させていく。



全身運動が特徴と追う事を前提に、TRXを使うのであれば、その再構築した動きが、実際に周囲と連動して動いているかを確認するツールとして大変に有効だと考えます。


②体重や重力を負荷とする事を最大限に活かしたい時に用いる
一方で、運動中に重力や自体重を負荷として用いれることも、メニューの強度の微調整が掛けやすくTRXの持つ特徴だと言えます。

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例えば、中立の状態からどれだけ身体を傾けるか。傾き加減が結果的に負荷を決定することにつながります。
この場合。体幹を固定しながら上肢を動かすという際に念頭に置いていることの一つです。

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まず、TRXで全身運動につなげる為に、PRANKとTriceps Extを先行して実施をしたとします。
そして、TRX上で二つの動きを合わせて一つの動きを作り出します。

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(ここでは詳細を割愛しますが)実際に2つ以上の動きを合わせ、その動きを見ると動きの中でしっかりと安定性を確保できているか(Stability)。また、しっかりと可動しているか(Mobility)をチェックすることができます。
この様に機能回復から機能改善または動作改善を評価するという観点からも非常に役に立ちます。


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例えば、コードをピンと張った状態で実施するTRXですが、そのコードをどれだけ(垂直軸から)動かすか。垂直軸から離れれば離れるほど戻ろうとする力が働くことから運動自体の難易度を高めることにつながります。

この場合。体幹を固定して、下肢を動かすという際に念頭に置いていることのひつとです。

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例えば、シングルスクワットを片足をケーブルに引っかけ実施します。コードに浮かしている足を引っ掛けることから、その足は垂直軸に戻ろうと力が働きます。
この力は、垂直軸からの距離に比例することから、アンカーから離れれば離れるほどに引き戻ろうとするストレスを受けての運動が実施可能となるわけです。
つまり、後方に引っ張られながらシングルスクワットを行う感覚となります。
で、その環境下での姿勢を維持して、シングルスクワットを遂行しようと躯幹が作用することで、躯幹・膝関節Stability/股関節・足関節Mobilityの構成が成立します。

またこの垂直軸からずれるというのは、単一の運動面から、複数の運動面にアプローチすることも可能になります。

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左が、矢状面と前額面の中間に位置。右が水平面の運動と矢状面または前額面の運動を合わせた位置となり互いに複数面での運動形態をとなります。


最後に。


実際にこの様なリハビリアイテムは多数あり、全てをTRXで行うことはまずありません。逆に、ピンポイントで使うことが多いからこそ、その特性を理解しておく必要があると感じました。

・重力を意識しながら動作を作りたいとき
 →支持基底面から重心を外す。外す事でより重力を抵抗として扱える。

・ターゲットとなる部位と他の部位を同時に動かしたいとき
 →安定させるStabilityと動かすMobilityを意識させる。

・動き作りの仕上げとして。
 →個別で刺激を入れて最終的に部位同士を組み合わせて動きの再確認を行う。


また一定の期間が過ぎた頃に、使い方の再考をしたいと思います。

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