私の薬③ジプレキサ(オランザピン)

 ジプレキサは非定型抗精神病薬です。抗躁・抗うつ・再発予防効果があります。
 精神科医はジプレキサが好きです。よく効くからです。患者はジプレキサが嫌いです。太るからです。私は精神科医としてはジプレキサが結構好きで、患者としてもジプレキサはわりと好きです。特に抗躁効果に優れ、他の薬では効かない場合でも、ジプレキサを使ったら躁状態が治った経験が多くあります(私でも患者さんでも)。
 糖尿病の患者さんには禁忌(使ってはいけない)です。副作用では食欲亢進、体重増加、傾眠、コレステロール・中性脂肪の上昇が多い気がします。傾眠とは刺激があれば覚醒するが、放置すれば眠る状態です。ジプレキサの鎮静作用は強く、眠気を認めることが多いので、寝る前や夕食後の内服として下さい。ジプレキサは深い睡眠を増やす効果もあります。ちなみに私はジプレキサでは眠気を感じません。
 このように副作用が多いジプレキサなので、精神科医の私は患者さんの急性期(躁状態の時)にジプレキサを使い、維持期(躁状態でもうつ状態でもなく安定している時)には、他の抗精神病薬に置換することが多いです。太る薬だからとジプレキサを勝手にやめてしまう患者さんは多いので。効果抜群なので、急性期だけでも内服していただけると助かります。
 私はジプレキサを毎日少量を内服し、軽躁状態になりかけたら増量します。太ることより気分の安定を優先しています。
(私の薬④に続く)

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