小野田紀美参議院議員の「罰則」発言について

自民党所属の小野田紀美参議院議員が、国会で「報道機関への罰則」を主張した問題。

ご本人はTwitterで「台湾の罰則の例を挙げ「デマや意図的な誤報はそれだけ深刻なことなんだ」と伝えたかっただけ」と主張していますが、
国会議員であるからには国会での発言にこそ責任を負うべきであり、それをTwitterで「真意はコレです。誤解です」などと主張することは責任逃れというべきである。

同じ自民党の河野太郎防衛相が記者や国民などをブロックしていることに対して「個人が暇つぶしでやっているもの」と発言しているが、
自民党はTwitterを「公人としての発言ツール」と考えるのか「個人の暇つぶしツール」と考えるのか、ハッキリして欲しいところだ。

さて、一部界隈(表現の自由戦士)の人たちに「表現の自由の味方」であると認識されている小野田議員ですが、僕は過去の問題における発言で、この人は「表現規制派であり、決して表現の自由を守る人ではない」と確信している。。

そう確信したのは、クジラックス氏の家に、警察が訪れた問題だ。

「放射能を調べる」と偽り、女子中学生にわいせつ行為をした容疑者が逮捕された事件。
このときに容疑者が「クジラックス氏のマンガを模倣した」と答えたことから、埼玉県警がクジラックス氏に対して「配慮してほしい」と要請したと報じられた。

これはまさに警察が表現内容に介入する問題であると認識されるのが当たり前だが、これに対して小野田議員はこういう内容をFacebookに投稿した

重要な部分を抜き出すと

「結論から申しますと、新聞の記事にあるように「少女が性的被害に遭うような漫画は今後描かない」というような了承を作者にとったという事実は確認できず、そういった圧力も加えていないとのことです。訪問の理由も、何かを指導するためということではなく、捜査の中での調査報告であり、そういったお話をするなかで、今後「作品を模倣して犯罪を行った」と容疑者に言われる等の供述に巻き込まれないように、例えば「この作品はフィクションです、作中の行為を真似すると犯罪になります。一切の責任を負いません」というような作家さんへの自衛の試みをご提案したような形である...という認識だったというご説明を頂きました。」

と説明している。そしてさらにこのように論じている。

「本件の作家さんのSNSを拝見すると警察の方は低姿勢で円満にお話をされていったというようにお見受けしましたので、上記の警察庁のご説明が本当であるとも思うのです。
思うのですが、記事を読むととてもそうは思えない書きぶりです。真実の如何はもちろん重要ですが、真実でなくても、こういった報道があり、表現者が委縮してしまうことも大きなダメージを与える行為であると考えます。」

これを読めば分かるとおり、小野田議員は警察が、本来犯罪とは無関係のはずのクジラックス氏の家を警官が訪れ、なぜか「調査報告」を行ったとし、さらには警官が家に訪れることで発生する「表現者の萎縮」の問題を、「報道によって表現者が萎縮してしまう」と報道のせいにして論じているのである。

今回の国会での主張も「報道がデマを流すなど、問題があるから、総務省が指導しろ。台湾は罰則もやってるぞ」と迫るものであり、このときも「問題は報道にある」と論じている。

つまり、小野田紀美参議院議員の目的は「報道規制」であって、彼女は表現の自由側どころか、表現規制側の人間なのである。

こうした人物を、表現の規制側とみなす人も含めて、表現の自由を理解していないとしか、言いようがないのである。

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追記(2020/3/7)

そもそも、小野田議員が「指導や罰則を考えるべき」と主張する報道は「トイレットペーパーなどがないと棚を映して不安を煽る」「NHKがクルーズ船を含めて国内感染者が1000人越えと報じた」という話である。

しかし、これらは虚偽や風説に当たるものではない。

トイレットペーパーなどがないという報道が不安を煽るにしても、実際に無かったことは事実である。

また国内感染者にしても、少なくともクルーズ船での感染対応は日本政府が主導的に行っおり、感染者の数はその結果である。

WHOも一定のルールに従ってカウントをしているのだろうが、報道がそのルールを同様に遵守する必要があるとは思わない。

小野田議員は発言の中で「WHOがそのようにカウントしてくれている」と、さもWHOが日本に対する配慮をしているかのような発言をしている。つまりそれが小野田議員の「真意」なのだろう。報道もWHOのように「配慮せよ」と。

どちらにしても、これらの報道内容は虚偽でも無ければ風説でもない。いずれも事実の切り取り方の1つであり、とても総務省が指導するような内容ではないのである。

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フリーライターの赤木智弘です