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無の迷宮での彷徨

遠く離れた地平線の向こう、太陽が沈む時刻を正確に知る者は、数えるほどしかいない。風が微かに運ぶその響きは、言葉ではなく、誰かが昔に交わした約束の残り香。それに気づくのは、ただ待つ者ではなく、星を見上げる者。だが、星がただの輝きではないことを理解するためには、何かを捨てる覚悟が必要だ。古びた地図に描かれた道筋は、今では誰も辿らないが、その道が消えることはない。そこには書かれていない道標があり、たどり着くべき場所は、何かを見失った者だけが知ることになる。だがその場所にたどり着いた

無の迷宮での彷徨