採用基準

かなりの数の採用をこれまで行なってきたが、これまでの経験から採用の基準を皆さんのためにも自分のためにも記述していきたいと思う。自分のためというのは何故かと言うと、どうしても時間を優先して妥協してしまうからだ。これまで日本マイクロソフトでは延40人は面接をしたし、現在の立ち上げでも15人は会っている。
まず基本的に二つを大事にしている。地頭の良さと素直かどうか。地頭についてはどのように測るかと言うと、会話の内容と一定の学歴で見る。ただ学歴はあるに越した事はないレベル。東大でもまずい人はまずいし、高卒でもイケてる人はイケてる。ただひとつの尺度で見るので、学歴なんて関係なんて言葉に騙されないように笑。はっきり言って見ます。一定レベルだけど。会話の内容はロジカルか、矛盾がないか、会話の切り口など。次に素直さをなぜ求めるかと言うと、組織に入った後も継続して学ぶ必要があり、自分が足りていないことを認め、学び続けられる事が必須になるからである。これも質問をしていく中で分かってくる。
次に他者を考えられる素質を持っているかどうか。言い換えるとチームプレーが出来るかどうか。人間は自分が一番かわいいものだが、そこを超えてどこまでチームに徹する事ができるかこれを見る。何故なら一匹狼的な自己中心的な人間がいると、パフォーマンスは上がるかもしれないが、チームに悪影響が出るようになり、結局組織のパフォーマンスは下がる。マネジメントはここの修正に時間が取られるようになり、あとで苦労する。ここが少しでも見えたら採用は見送った方が良い。この類の人間は絶対にマネジャーにさせてはいけない。
次に外資系で気をつけたいのは英語が出来るからという採用。これは最悪で絶対に避けるべきものである。やってしまいがちな事であるがこの悪影響は計り知れない。もちろん英語ができるに越したことはないが、ここに惑わされて採用すると後で大変なことになる。色々な所に悪影響が出る。どうしても英語が必要なロールであり、その候補者の英語以外のケイパビリティが足りない場合は一旦待ち、通訳を入れて誰かに兼務をさせるべき。
スタートアップの初期メンバーで採用の失敗は致命的になるため、さらに記載すると、基本的にはレファラルが良い。自分の知っている範囲、自分が信頼している人間の範囲で紹介をしてもらう。次にインタビューループを必ず設定し、自分が信頼する人間と忖度無しに判断できる人間の双方を混ぜる。レファラルでの候補者でも誰か一人がNOであれば採用を見送る。ただしNOの理由はきちんと聞く。何故なら自分のポジションを守るためにNOを出す人間がいるからだ。さらに気をつけたいのは、年収含めたOTE(On Target Earning)はケチってはいけない。優秀な人間はそうそういるものではないので、ここは思い切って出すべきもの。
リーダーは心しておくと良い。採用で入ってきてくれる人間は自分のケイパビリティに関わってくると言うことを。自分がイケていないのであれば、それ相応の採用しかできない。そうでないなら優秀な、ましてや自分より優秀な人間が入ってきてくれる。採用には時間を使いすぎることはない。ここでの失敗の影響は計り知れないのであるだけの時間を使うべきである。

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