ここを離れる10の理由と、あちらに移る10の理由...ん?
(写真はタイ、ホアヒンの夜景:2015年6月撮影)
27歳で英会話教室の統括マネージャーになった時、初めてコンサルティングというものを体験しました。
それまでは、コンサルタントにぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。
アドバイスや提案をしてくれるんだろうなくらい。
ところが、ビジネスの考え方やマネジメントを、自分の現場を使って学ぶ機会になったと思います。
そのコンサルタントはアメリカから来ていました。
アメリカ人の三分の一くらいの人が私の名前を間違えて覚えます。
「たかし」
このコンサルタントに呼ばれました。私の名前は「たけし」
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
この記事を読んでくださっているあなたが、「最高の自分」に向かって成長するために、少しでもお役に立ちたいと願いながら書いています。
彼の名前は「ボブ」
このコンサルタントの名前は、「ボブ」でした。
でも、Bobではなくて、「Bobb」。
彼が駆け出しの頃、営業のセミナーに行って、「普通のことを普通でないようにする」ことで訪問先に覚えてもらうということを聞きました。
彼は自分にとって普通って何だろうと考えて思いついたのが、自分の名前。
「ボブ」アメリカ男性の名前で最も多い名前の一つです。
彼はこれを普通ではなく変えることで覚えてもらおうとの考えでした。
普通は「Bob」。
これを普通でなくすために、もう一個bを最後につけたわけです。
「Bobb」
これで誰もが世界で一人だけの「ボブ(Bobb)」を覚えるようになったのでした。
(私の名前は間違えて覚えてしまったのですが)
彼のコンサルティングもユニークなもので、まだ日本にビジネスコーチングが入る前に、彼からコーチングのすばらしさをコーチングという言葉を使わずに学んだのでした。
ボブはカリフォルニアからフロリダへ
その彼が、ある時こう話しかけてきました。
「たかし、僕は今度カリフォルニアからフロリダに引っ越すんだよ」
「西海岸から東海岸。アメリカの端から端へと引越ですね。」と私。
「カリフォルニアを離れる理由が10個ある。フロリダに移る理由が10個あるんだよ。」
コンサルティング自体がいつもこんな感じのフレーズではじまるので、余り驚かなかったのですが、何を言っているのだろうかわからない。
10の理由の裏表をわざわざ、「普通のことを普通でないようにする」ようにこんなこと言っているのかなと思って黙って続きを待っていました。
ところが、彼はその後、何も言わずニッコリと微笑むだけでした。
あれこれと考えているうちに、「あ〜なるほど」とひらめきました。
YesとNoは表裏ではない
私たちには願望があります。
「したい!(なりたい!)」と
積極的な部分が前面にでている場合
「したくない!(なりたくない!)」と
消極的な部分が前面にでている場合
このように、意識にはどちらかが出ていることでしょう。
「石橋をたたいて渡る」私の父を見て育ちながら、こんな大人にはなりたくないと私は思いました。(実際は「石橋をたたいて壊して渡らない」ように見えたからでした。父は堅実な歩みをする人でした。)
これは私の意識の中に、「したくない!(なりたくない!)」という消極的な願望があったからです。
でも、じゃ「たけしは、どんな大人になりたいの?」と聞かれると「『最高の自分』に向かって成長し続ける大人になりたい」と答えるでしょう。
単純にYesはNoの裏ではないし、NoはYesの裏でもないわけです。
カリフォルニアを離れる理由=消極的な願望(何に対してNOと言うのか)
フロリダに移る理由=積極的な願望(何に対してYESと言うのか)
ボブはこのことを教えてくれたのでした。
その時以来、対人支援をする私はこう質問するのです。
何をしたいのですか?
どのようになりたいのですか?
何をしたくないのですか?
どのようになりたくないのですか?
あなたが、十分な考慮をして意思決定をされますように。
最後までお読み下さってありがとうございます。
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