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Task と To Do:なんとなくなシンクタンク「PDCAよりOODAか?違います」

もう5週間ほどだろうか、リモートワークを続けている。仕事そのものは会社のシステムがしっかりしているので特に問題はないが、読書が進まないのが悩みの種だ。

以前、京都から門真に勤めていたときは、長時間通勤で door to door で片道 1.5時間かかっていた。とはいえ、45分は京阪電車の快適な特急車両に揺られ、本読んでもよし、寝ていてもよし、だったのでさほど苦にはならなかった。この5年間は、片道で40分ほどだが、そのうち電車に乗る20分ほどの間に、たいていは本を読んでいる。

洋書だとたいてい文字がぎっしりで300ページから、場合によっては600ページなんてものものあるし、難しいトピックだったり、文体がフォーマルで、複雑な構文を駆使して、かつ一文が長い、そんな本だとときに2か月かかってやっと一冊、という場合もある。その他、軽く読み飛ばせる大好きな探偵小説なども交えて、1か月で平均 1冊のペースとして、年間12冊の洋書を読もうと思っている。

日本語の本の場合、コンパクトにまとまっているものが多く、装丁は綺麗で凝っているが、ページ数もページあたりの文字数も少ないものが多く、たいていは数時間で読めてしまう。週末や連休などで少し時間があるときに読むようにして、こちらはあまり管理していないが、やはり月1-2 冊は読みたいものである。

というわけで、2週間前の週末に読んだ本書であるが、一気に読めて、なかなか面白かった。

コンパクトにまとまっていてすぐに読み終えることができる。そんなん当たり前でしょ、という人も読んでみる価値あろうかと思う。自分で覚書をする手間が省ける。。。というと言いすぎか。ソフトな語り口も読みやすい。

PDCAにしてもOODAにしても、
- A が改善であることが肝心
- 改善とはあるべき姿に対して現状のギャップを埋めていくこと
- サイクルを早くするには、網羅思考でなく仮説思考が大事

Taskと to do はわけて考えるべきだ、というのが非常に大事だと思った。この点は多くの人が誤解しているところであろう。

私がうまくないのは P と A 、改善への行動に結びつけてこそ、である。そして改善、とは上に書いたように、あるべき姿と現状を照らし合わせてそのギャップを埋めるということである。あるべき姿という軸がなければ、改善のためのPDCA / OODA サイクルはまわらない。

この本はPDRも触れている。

-Prepare 準備
-Do 実行
-Review 見直し

よく考えてみればこれは普段の仕事をこなしながら、その中で、生産性を改善するための視点である。

なかなか面白かった。

閑話休題、上に書いたように、5週間ほどリモートワークが続いている。読書がなかなか進まない。英語の勉強も滞りがちである。

朝から晩まで切れ目とメリハリがなく、せっかく早く仕事を切り上げて「ここからは自分の時間」と思っても、座っているチェアやデスクは同じ、仕事用の Laptop と個人用の Laptop を切り替えるだけ。ついつい、気が散って仕事のメールやチャットに反応してしまったり、ふらっとYouTubeでラーメン二郎や家系の食レポなどぼんやり見てしまう。

時間管理なんて仕事の基本のキ、仕事と時間管理の仕組みを自ら作るのができないなんて、社会人としてどうか、と猛省しているところだ。

先日、比較的時間があったので、連日のリモートワークで切々と感じる自分の時間管理の拙さを考えてみることにした。

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そもそも、なぜ時間管理をしたいのか。これがまず大事である。もちろん仕事の生産性を高めたいからだ。インプットを減らしつつ、アウトプットの質と量を高めたいからだ。漫然と来た仕事をこなして、ぼんやりネットをサーフしているだけなら、別に時間管理は必要はない。

限られた時間の中で、降ってくる様々な仕事を捌きながら、生産性を高めるための取り組みの時間を確保したい。そう思うからこその時間管理だ。

マネージャーの仕事の形態としては、降ってくる様々な仕事を捌く、ということになりがちである。開発上の技術課題、市場での問題の解決、技術検討依頼、人事や労務の課題、部下からの相談、ツールや仕組み、情報共有などなど、あちらこちらから降ってわくように問題が降りかかる。不思議なことに困難な一件を片付け「あぁやれやれなんとか乗り切った」と一息つくと、別方面から晴天の霹靂で引き合いが入ることが多い。

それぞれ分野も違えば関係者も違い、重要度も期限も異なる。そしていつ何が来るかなんて予想がつかない。

ただし、仕事ができる人をよく見ていると、周囲の動きを普段から注意深く見ていて、「あ、来週にはこんなことになりそうだな。ちょっと準備しとこっか」とか「この議事録見たけどまずいなー。放っといたらやばいから今のうち手打っとこ」とか鼻が利く。私は「もう優先順位なんかつけない。来た順番にやっつける。」とうそぶいている。超多忙な友人などは「催促が来ない仕事は後回しだ、場合によっては無視」ともいう。が、これは話がそれた。

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つまり、マネージャーの仕事はそもそもスケジューリングや時間管理が難しい。しかし、段取りと準備をうまくできるかどうかで、よいアウトプットを出せるかどうか、かなりの部分が決まる。

PDRを使い、何をして何を達成しようとしたのか、実行した結果、どうだったのか、仕事を漫然とこなすのではなく、仕事をこなしながら、常に意識して振り返りフィードバックすることが大事である。

よいアウトプットを出すには成果を見込めるいい仕事を受けることが大事である。いい仕事が多く入ってくるには信頼が必要である。「こんな案件は絶対に成約したいから、検討はAさんに頼もう。」とか「どうせこれは出来レース、ちょっと成約の見込みないんだよなー。Aさん忙しそうだし、Bさんはちょっとアレだけど、ま、軽く頼んでみようか」とか、そういうのはあるだろう。

信頼を積み上げるのは時間がかかる。一つ一つの仕事をしっかりとこなして結果を出して時間がかかった積みあがるものだ。こちらはスケジュールしようとしても、なかなか積みあがる信頼を評価するのが難しいので、たいていは時間管理の対象外である。

仕事をうまく遂行するには次の要素が必要であろう。まず、専門知識を持ちながら周辺の幅広い知識を持っていてそれらを組み合わせ使うことができること、ITをはじめとする各種ツールを使いこなして自在に利用できること、外国人を含む人とのコミュニケーションスキルを持つこと。

そしてアイディアを自分の懐にいつも温めておくこと。

「なぁ、今、社長が君に5000万円出す、と言ったら何する。」
「うーん、えーとえーと。」
「アホ。普段から何も考えてないやろ、お前は。」

こういう自分の仕事遂行能力の向上、あるいはアイディア考案、といったことは、計画を立てて地道に長い時間かけて実行すること大事だ、どちらかというとスケジュールをきちんとたてて、PDCAを回すことが大事である。

また、普段の仕事にどのように自分のスキルや能力を生かして結果を出していくのか、そこがOODAの使いどころだと思う。

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イシュー・ドリブンのスケジューリングをしにくい通常の慌ただしい仕事のサイクル、人間や組織との関係の中で時間をかけて培かっていく信頼、そして、スキル・ツールと知識や考える力などを鍛えるための本来スケジュールドリブンのサイクルと時間。

これらの時間に対する様々な依存性を理解してダイナミックに進めるには、意識した時間管理が必要で、とうてい、今までのような力任せで押し切るような仕方ではダメなのだ。

「なにをいまさら。」
「ごめん、できてるつもりってのは怖いんだなぁ。」

とにかく、私にとっては、今はいろいろ見直すいい機会でもある。そのわりには、かなりパフォーマンスが悪いことを実感しつつ、来週から立て直すつもりだ。



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