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【学び㉖冊目】社長100人までの会長の社長の仕事


学び①経営は未来を企画すること、社長の思いを社員へ。

多くの会社が、戦略から具体的なKPIの策定から入ってしまいますが、これはオフロードカーで道なき道を走っているようなもので、これでは会社が一体どこに向かっているのかわかりません。経営者はまず、経営者理念(社長の信念)、経営ビジョン(会社が事業を通して成し遂げたい)を真剣に考える必要があります。

家業であれば、ここでの学び必ずしも当てはまるとは限りません。ですが、企業である限り、社長一人だけではなく、社員が下につくことになります。ワクワクするような、かつ明確な社員は着いてきません。売上や利益などの数値だけでは、社員を動かすことは出来ず、社長の自己満足にとどまってしまいます。会社は経営者の信念の現れであり、働くもの達は、その信念に共感するかどうかで会社を選ぶにも関わらず、それがいい加減では元も子もありません。


学び②「勘定合って、銭足りず」を防ぐ

黒字倒産を表す、経営者であれば必ず聞いたことがあるであろうこの言葉ですが、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。

原因は様々ですが、その一つとして利益にだけ着目した経営企画をしてしまっていることが挙げられます。利益さえ出ていれば、会社が長続きするほど簡単ではありません。

更に具体的な例としては、負債を返済するためのキャッシュが手元にないことが挙げられます。

利益だけ見ていては当期のお金の動きしか見えないため、前期からたまっている負債を返せるだけの流動資産があるかどうかに、目が行きません。利益を出すことはたしかに重要かもしれませんが、それと同時に会社を長続きさせることも考えなくてはなりません。多くの場合、後者に目が行かずに失敗してしまうようです。

学び③損益計算書だけ見ていてはダメ!!


損益計算書ももちろん大事な項目であることは間違いありません。しかし、あくまで損益計算書はスナップショットにしか過ぎません。貸借対照表の負債項目やキャッシュフロー計算書などを合わせてみるようにしなければ、先程のように利益が出ているにも関わらず、倒産ということにもなりかねません。

それに加え、貸借対照表ひとつとってもただ見ていれば良いわけではありません。多くの経営者が当月の増減だけを見ますか、機首からの累計を見ることで、よりお金の動きが見えてきます。また、流動資産、固定資産の出入りも月単位でマークしておくとお金と貸借対照表のズレもより、読みやすくなります。


財務諸表は立体的に読む必要があるのです。

まとめ


まさに、中小企業の経営に特化した1冊と言えます。筆者が冒頭に述べているように、市場に出ている経営本の多くは大企業の経営向けのものです。もちろん、そのような本から学び、中小企業の経営に活かすことができるエッセンスも多くあるでしょう。

大企業は、仕組みが業務のあらゆる部分が既に仕組み化されて、当たり前になっていることに対して、中小企業では、まだ仕組み化がなされていない部分が多く、経営を行うにおいての気にかけておくべき点が大企業に比べて遥かに多くあります。多くの経営本は、その相違点を親切に考慮してくれることはありません。中小企業の経営者はポジティブでありながら、ネガティブでなくてはならず、想定して置かなければならない最悪の事態の項目が多いのです。この本では、中小企業の経営者が注意しなければならないそれらのポイントをカバーしています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!




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