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門前仲町「たにたや」さんと、季節のお弁当を考える。(その6 清明)

「清明(せいめい)」とは万物が清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を訳した季語です。

花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃です。

ちょうど4月4日から8日にあたっては、玄鳥至(つばめきたる)とし、冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたツバメが海を渡って、日本にやってくる頃です。つばめの飛来は、本格的な春と農耕シーズンを表しています。

一方9日を越えた頃から鴻雁北(こうがんかえる)とし、ツバメとは反対に、冬の間を日本で過ごした雁(がん)が北のロシアへと帰っていく頃でもあります。まさに、季節の変わり目。

さて、今日のお弁当。春に芽吹きはじめる山のもの、椎茸、筍、蕗などが、お弁当の味わいに深みを与えてくれている。そして、赤軸ほうれん草を久しぶりに食べた。実は大好きなお野菜のひとつ。ナムルっぽい味わいが、さらに好き。

そしてとうとう新玉ねぎの季節。先日、出張で淡路島に行ったとき、淡路島の道の駅で、新玉ねぎが段ボールで販売されていて、毎年この季節には「淡路島の新玉ねぎ」を思い出す。それにしても、旬というのは、ツバメ、雁とともに「移動」することが面白いと感じている。この玉ねぎでさえ、まもなく、北へ北へと移動していく。一方で、南からは、また新たな旬が訪れるのだ、雨と共に。

そう、4月20日は「穀雨」である。春季の最後の節気でもある。
まもなく田植えの季節だ。

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