理論問題の解答方法【#税理士試験】
税理士試験では税法の理論問題が大きなウエイトを占めます。
前回は、暗記の仕方について書きましたが、今回は暗記をしたものをベースにどのように解答を作っていけば良いのかをまとめてみます。
本試験における理論問題は、大別すると2つになります。
①個別理論
~事業税・住民税などミニ税法に多い~
理論マスターの理論を、そのマスター番号のまま、または、一部抜粋して回答を作成するパターンです。
②応用理論
~所得税法・法人税法・消費税法などボリュームの多い税法に多い~
特に法人税法にはその特徴が顕著に表れていると思います。
問題に対して、複数の理論マスターの該当部分を抜き出し、問題の指示に基づき柱を言い換えるなどしながら解答を作成するパターンです。
1.理論問題へのアプローチ
個別理論・応用理論も解答へのアプローチは大きく変わりません。
以下がベースとなります。
①問題文から解答要求事項を把握する。
「~について答えなさい」の前に解答要求事項が書かれているため、テクニックとして知っておくと良いです。
②理論マスターの柱を列挙する。
すぐに書きはじめないで、一旦、計算用紙や余白(僕は問題の余白を使っていました)に、解答の柱やタイトルを書いて、解答の原案作っていました。
③解答
①、②で準備ができたら、あとは止まらずに一心不乱に書いてください。
ここのスピードは暗記勝負のところもあります。覚えていたものを書いた方が思い出しながら書くよりも早いです。
2.こんな表現に注意
解答を書き出したら、止まってはいけません。う~んと、え~とと考えている時間は本試験にはほぼないと思ってください。
それなので、いざ書き始めて解答の途中に書き直すのはもってのほかです。
少し、時間をかけてでも、軌道修正のいらない綿密な計画を練っていってください。
「また、」や「ただし、」、「注」など問題文の解答範囲を限定するために用いられる表現があります。
これにより解答範囲が狭められているため、書かなくても良いことを書いてしまい時間をロスするようなことがないよう注意です。
逆に、こういった表現がない一行で問題文が終わってしまうような場合には、何の限定もかかってないためより範囲が広く、難しい問題であることが多いです。
3.解答の一工夫
おもむろに解答の柱を書いていくよりも、まず、冒頭に解答の骨子となる「概要」を書いて、それから答案を作り上げていくと、より良い答案となる可能性が高いです。
「問題文でこれが問われていますが、それに対する答えはこうです。この答を導きだしたプロセスはこうで、以下に該当する規定を書きます。」といった内容の文章を書いてから、柱を列挙することで答案に深みが出ます。
採点をする側の目線でも、ここがしっかり書けていると分かっているんだなと思いながら採点をする気になります。
もちろん、法律の試験ですから、法律でない概要に点数がくるとは限りません。
ただ、この人はわかってるのかな、わかってないのかなと迷わせながら採点させるより、分かっている人の答案だという意識で採点させた方が印象が良いです。やはり、採点をしていてもそう思わさせられます。
以前も書きましたが、採点するのはあくまでも人なので印象の良い答案を作成するべきだと思います。
理論問題の解答に不安を感じている方は、是非ご自身の解答の仕方を見直して精度やスピードを高めていってください。