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L結界について調べてみました


注意

この記事は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のネタバレを含んでおります。
ネタバレを見たくない方は記事を閉じることをオススメします。

L結界について劇中で触れられてること

初めてL結界という言葉が出てきたのはQの最後だったかと思うのですが、アスカたちがいた場所はL結界密度が強すぎてリリンは近づけないという独り言をアスカが言います。

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その後シンエヴァの冒頭ではパリにあったアンチLシステムというのを起動させてリリンが活動できるような空間を作ります。
このアンチLシステムがL結界と直接関係あるかはわかりませんが、Lという文字が共通しているため同じLを差している説が濃厚です。

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その後の描写でアスカたちを迎えに来たケンケンは防護服を着ていました。

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第3村ではケンケンが相補性L結界浄化無効阻止装置の説明をします。
これがあるおかげで第3村がコア化されないとのことです。
さらにこの後ケンケンはハイカイは封印柱より内側には入ってこれないと言います。
封印柱というのは恐らく使徒封印用呪詛柱の略で、ベタニアベースを始め、様々なシーンで出てきます。具体的にどこに出てきたかはこちらの記事を参照してください。

このケンケンの発言から、相補性L結界浄化無効阻止装置は複数の封印柱を使っている装置だと考えられます。
そしてコア化とL結界は密接な関係があると考えられます。
更にその装置の名前からしてL結界というのは何かを浄化する作用があると考えられます。

ケンケンは野外ラボを行き来している時も防護服を着ていました。
野外ラボにも封印柱があり、作業員たちも防護服を着ていたと記憶しています。

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場面は変わって旧南極爆心地にて北上ミドリ(ピンク髪)が言っていたのですが、彼女曰くL結界とは「原罪で汚れた生命を阻む」とのことです。(シンエヴァのセリフより)
高雄コウジ曰く人類がL結界の上を祝福も受けずに進むことは本来ありえないことであり、それを可能にしているアンチLシステムは加持のおかげだと語ります。

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加持はセカンド・インパクトで赤くなった海を青に戻す研究をしている「日本海洋生態系保存研究機構」と関係があったため、封印柱のデータを機構に流していたのか、機構のデータをNERVに流していたのかは不明ですが、その技術が使われているのだと思います。

そのセカンド・インパクトは海の浄化だったとゲンドウの口から語られます。サード・インパクトは大地の浄化、フォース・インパクトは魂の浄化です。

ヴンダーは黒き月を追うようにL結界境界面を突破し、L結界に潜行していきます。L結界は3層あるらしく、第1層と比べて第2層はL結界密度は濃いみたいです。第2層にはインフィニティの群れがありました。

L結界の最下層には地獄の門があり、ゲンドウはそこからマイナス宇宙に向かったように見えます。
◆(※訂正 地獄の門から行ったというよりは黒き月をマテリアルにして作った2本の槍を地獄の門に入れたらガフの扉が開き、そのガフの扉からマイナス宇宙に行ったみたいでした)◆

このしばらく後のマイナス宇宙か何かの説明の場面でリツコの持っている端末にL結界の図が映るのですが、私が見た限りでは「RIVER」という記載があったように見えます。つまりL結界には川があるみたいです。これは一瞬しか映らないので自信が無いのですが、もし今後劇場に行くことがあれば注目してみてください。
◆(※追記 5/22)
本日劇場に行って確認してきました。恐らく紫色の津波が第3村に迫ってきてヒカリが怯えていたシーンの次くらいにリツコがヴンダーではマイナス宇宙には行けないと嘆いていて、「万事休すね」と言うシーンがあるのですが、このシーンにL結界の見取り図が出てきます。
そこに第1層と第2層の間か、第2層と第3層の間に「River of blood」が存在し(Twitterの情報では第2層と第3層の間らしいです)、これを直訳すると血の川となります。
ダンテの神曲という叙事詩には地獄にはプレゲトンという血の川があるとされています。なので神曲の地獄とL結界にはいくつか共通点があり、L結界は地獄をモチーフに作られているのではないかと私は考えています。
ですが色々と相違点もあり、例えば神曲では地獄の門は最下層には無かったり、L結界は3層になっていますが地獄は大きく分けて9層になっています。
とはいえエヴァがダンテの神曲から単語を引っ張ってきているのは言い逃れのできない事実でして、ベタニアベースでもリンボ(辺獄)やアケロンという単語が出てきます。
この見取り図にはL結界の英名も出てくるので動体視力の良い人は是非見てみてください。

NERV戦艦の中でも有人仕様ではない2番艦エアレーズングのブリッジはL結界密度が高いため、冬月が浄化(?)されて液体になってしまいます。
ヴンダーはそのあたりはしっかりしているらしく、脱出筒の中でも液体化はされないみたいです。

以上がL結界とそれに関係ありそうな描写です。

L結界と赤い海は関係あるのか

大地がコア化していることとL結界は関係があると予想しましたが、では同じく赤くなっている海はどうなのでしょう。

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破で加持は生命がいないという意味で「あの何もない赤い海は」と言いました。なので赤い海は人類や魚などの海洋生物にとって有害なものだと考えられます。
では海の近くがL結界密度が高いのかというとそうではないらしく、シンジや加持は赤い海の真上で会話をしているため赤い海をそれほど危険視している感じでもありません。

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マリが仮設5号機から脱出した後はエントリープラグは海上に浮いていてマリは海面スレスレにいました。
この頃からマリがリリンではなかったのかどうかは不明ですが、2号機の裏コードを使う前なのでリリンだった可能性はあります。
マリが不老である謎は解けていないのでこの時点でリリンではない可能性は高いですが。

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第7の使徒が襲来して来た時も赤い水の上に護衛艦が浮かんでいました。もしこの護衛艦が有人であるならば危険な水上を移動するなんて命を捨てにいくようなものです。
なので赤い海には生命がいませんが、触れただけで死ぬレベルで有毒なわけではないようです。

もしかしたら赤いのは結果で、海が赤くなったから生命がいなくなったのではなく、生命が消えたことによって赤くなったのかもしれません。

しかしそれだと常に恐れられているコア化した大地とは性質が違うように思えてしまいます。

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また、海の浄化であるセカンド・インパクトはヴンダーが突入する時でもガフの扉が開いたままのように見えます。
ニアサーやフォースはそのトリガーとなるエヴァ、つまりは初号機や第13号機が活動を止めることでガフの扉が閉じたように思えます。
そう考えるとセカンド・インパクトのトリガーとなったものは終盤まで活動を続けていたのでしょうか?

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ヴンダーを始動させる時に周りには封印柱を乗せた護衛艦がありました。やはり海でもリリンが活動するのには制限があり、その活動場所を広げるために封印柱を使っていたということなのでしょうか。

インパクトの爆心地に近いとL結界密度が高いのかもと考えましたが、日本からかなり離れたパリも日本と同じような状況でしたし、南極から正反対の北極でも海は赤いので距離の問題ではないのかもしれません。

原罪とは何か

高雄の口ぶりからして通常なら原罪で汚れた生命はL結界の上を進むことはできません。

原罪というのはキリスト教の言葉で、最初の人間アダムが罪を犯し楽園を追放され、その罪が子孫である人間たちにも受け継がれたという考え方で、宗派によっても色々違うので明確に「こう」というのは言えないのですがそんな感じに思ってください。

余談ですがエヴァンゲリオンという作品はキリスト教の中でも特にカトリックの影響を受けており、この原罪というのもカトリックでは強く説かれているようです。

その罪というのは楽園にあった知恵の樹の実を食べて善悪の知識を得たことで神の怒りに触れてしまったとか、そもそも神の命令に逆らって食べてはいけない実を食べたことしまったことで信頼を失ったとか色々解釈があるのですが、知恵の樹の実を食べたのが関係しているというのは共通点なのではないかと思います。

エヴァがカトリックの要素を強く取り入れてるとはいえそのまま取り入れているかというとそういうわけでもなく、例えば使徒というのは本来キリストの弟子のことを差すので英語にしたらAngelではありませんし、リリスやリリンというのは悪魔のような存在ですし、エヴァはアダムと共に知恵の実を最初に食べた人間なのでL結界密度が高いところでは浄化されてもおかしくないと思います。
なのでカトリックに当てはまることが必ずしもエヴァに当てはまるかというとそういうわけでもないので注意していただきたいです。
エヴァ考察をこじらせると旧作に当てはめたりナディアに当てはめたりウルトラマンに当てはめたりカトリックに当てはめたりしてどんどん考えが矛盾していることに気づかなくなるものです。

余談はさておき、上記のことから北上が言っている原罪というのはエヴァで言うところの知恵の実を食べてしまったことだと思います。
知恵の実という単語は序やシンエヴァでゲンドウの口から出てきおり、人類は知恵の実を食し、使徒は生命の実を与えられたと言っています。

なのでL結界というのは知恵の実を食したことに対する罰なのかもしれません。しかし高雄の口ぶりからすると祝福を受ければL結界の上でも平気のように聞こえます。

まとめると

上記のことをまとめるとL結界というのは

・L結界密度が高いとリリンは近づけない
・リリンが長時間そこにいると液体化されてしまう
・原罪で汚れた生命を阻む
・祝福を受ければ近づける
・L結界は3層あり、最下層には地獄の門がある
・有人仕様ではないネルフ戦艦はL結界密度が高い
・L結界と大地のコア化と関係あるっぽい
・封印柱があればL結界による浄化を無効化できるしコア化を防ぐことができる

ということがわかると思います。

妄想を書こうとしましたが

ここまで書くのに序、破、Qを見直したりキリスト教について調べたりしてかなり時間を使ってしまったので今回はここまでにしようと思います。

L結界はよくLCLのLではないかと考えられているみたいですが、私は原罪という単語からLimbo(辺獄)のLなのではないかと思っています。
まあL結界の構造は地獄っぽいのですが、何故かL結界の最下層には地獄の門があり、ダンテの神曲という叙事詩に出てきた地獄とは色々と違います。

他にそれっぽいLから始まる単語があればそれについて考察してみたいのですが見つからないので全然はかどらないのがここ最近の考察事情ですかね。

それでは良き考察ライフを。

【※8/20 追記】

2021年8月13日よりAmazonプライムでシン・エヴァンゲリオン劇場版が公開されたことによる影響か、記事に対するアクセスが増えているみたいなので一時停止を駆使したことによって得た新情報を追加したいと思います。
リツコの端末に映っていたL結界の構成です。
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L-containment field 1st Layer(L結界第一層)

L-containment field 2nd Layer(L結界第二層)

River of Blood / Phlegethon(血の川プレゲトン)

Wunder(ヴンダー)

L-containment field 3rd Layer(L結界第三層)

Door of Guf(ガフの扉)

Anti-Universe(マイナス宇宙)
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一瞬だったので劇場では見逃してましたがプレゲトンと書かれていたのですね。やっぱりダンテの神曲に出てくる地獄じゃないですか!
しかし地獄の門はガフの扉があると思われる場所にありました。
つまりガフの扉が入り口で三層→二層→一層の順番で奥に進んでいるのだとしたら、南極を含めた地球は地獄ということになるんですかね?
それとも地獄の先にあるのが南極上空なのだとしたら地上は煉獄?
うーん、考えても答えは出ませんね・・・。

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