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ここに消えない会話がある | 山崎ナオコーラ | ⭐︎☆☆☆

食パン、何気ない食パンが、妙な印象を残す重要なグッズとなりました。

明らかにサブキャラ扱いな彼が、地味に存在感を現し、やがて私は彼の虜になりました。
彼の歩む道が、輝かしいものとまでは言いませんけど、穏やかで優しいものであってほしいと願ってやまないような、そんな読後感です。

私は、自分の世界はありつつも、世界は私を中心として回ってないと思っているタイプで、

わかりませんけど、

小説ってそういう人を主人公にするのは難しいのではないかと日々思っていて、

理由は「何考えてるか分からない」からなんですけど、

ここに出てくる食パン好きに彼も、そういうタイプなのではないかと思うんすよね。

そんな彼にスポットライトが当たる瞬間。

彼にもそんな瞬間が!と思いました、けど、

結局ふられちゃいましたけど、それでも彼はその結果に満足し、

またもそもそと食パンを食べる日々に戻るのではないかと思うのです。

山崎ナオコーラさんのいいところは、そんなつかみどころのない人にクローズアップし、きちんとした言葉で切り取り、伝え、感じさせるところにあるのではないかな。
私はそんなふうに思う。

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