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良いパズルを作る方法

◾️パズルとは

ここではパズルを以下の定義とします。

1つの正しい答え” を持つ玩具や仕掛け。工夫や忍耐努力で答えを求めることが楽しいと思えるもの

◾️パズルを楽しくするためのポイント

パズルを楽しくするためには、以下の3つを取り入れることを意識します。

1. 目新しさ
2. 「解けそう」と思わせる
3. 多面的な視点を必要とする

パズルは、ありふれていてどこかで見たことのあるものでは興味を得られにくいです。例えば、詰め将棋やクロスワードパズルの形式をそのまま使うのは目新しさがありません。既存のルールを使うパズルも面白いですが、それはレベルデザインに近く、ルールをデザインしているわけではありません。
「おや、これはなんだろう?」と疑問に思わせる目新しさがプレイヤーをゲームに誘う効果があります。

プレイヤーの興味を引こうとするあまり、難解さをアピールするパズルは敬遠されやすいです。逆に簡単すぎるものは考える余地が少なく正解にたどり着いてしまいます。
このバランスをうまく取るには「一見簡単そうに見える」という印象のトリックを利用します。例えば取りうる選択肢を10程度に抑えると「総当たりで解けるのでは」と思わせることができます。もしくは正解にたどり着くまでに3つの過程があるとして、2つまでを簡単なものにしておいて、最後の答えを難しくします。

最後にパズルを解くために多面的な視点を要求することです。例えば平面上に描かれた図形やオブジェクトを立体的に捉えることで解けるようになるもの、キーとなるアイテムの意外な使い道、複数のアイテムを組み合わせることで別の使い道が生まれる、言葉の予想外の解釈を利用した解放、などです。

◾️1つの正しい答えという制約

この記事ではパズルを “1つの正しい答え” を要求するものと定義しました。答えが1つしかないということは、一度答えがわかってしまうとそれを解き直しする際、同じ手順をたどるだけなのであまり面白くありません。
これが複数の答えを持つゲームの場合、異なる解法で異なる解を求める楽しさ、もしくは手順を最適化することで上達の達成感が得られます。

しかし1つの解しかないという制約は、答えを求めるまでの過程を限定的に考えることができ、それをコントロールしやすいメリットがあります。また、曖昧な答えを認めないことにより、正しい答えを得た時のすっきり感は大きなものになるのではないかと思います。

◾️玩具とパズルの違い

良い玩具は触っているだけで楽しいオモチャです。ただ、玩具そのものは目的を持ちません。パズルは答えを持つため、それを達成するための “目標” が生まれます。"良い目標設定" が良いパズルとする1つの方法となりそうです。

また、答えに至るまでの過程が、玩具を楽しく触っているようなものであれば、パズルを解く過程そのものがとても魅力的なものになる可能性があります。

* 最初に良い玩具を作って、それをパズルとすると良いパズルになる

■参考書籍

今回の記事は、この本の「2章 ゲームの構造」から  Scott Kim氏の記事「パズルとは何か?」を参考にしました。

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