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のびのびTRPG ザ・ホラー 〜1人リプレイ

のびのびTRPGを買ったので、早速プレイしました(ボッチなので一人プレイ)。
以下、リプレイとなります。

■一人で遊ぶ時のルール

一人で遊ぶ場合は以下のようなルールとなるようです。

▼1人で遊ぶ場合
カードをもとに物語を書く」という、変則的な遊び方になる。

◎PCカードを1枚選ぶ
◎場面カードを1枚引き、通常の流れで判定/ロールプレイに挑む
 (自分自身がGMを兼ねる。判定の場合、目標値を-4してダイスを振る)
◎結果を踏まえて、場面の内容をツイートしたり、短文として執筆する
◎場面を5回行ったら、クライマックスカードを引く
◎クライマックスでは判定を行わない。どのように盛り上がったかを想像し、物語の山場としてやはり執筆を行う
◎最後にエンディングを付け加えておしまい。書き終わった物語を見返してにやりとしよう

おお! まさに物語作りの練習になるではないか!!
これぞ、望んでいた遊び!
ということで、このルールを元に遊んでみます。

■PCカードを1枚選ぶ

PCカードをランダムに引いた結果、「看護師」となりました。

ステータスは【力:2】【技:5】。看護師なのに、黒いナース服を着ているのが気になったので、こちらを使うことにします。(キャラカードは表裏で2種類のデザインが用意されています)

脳内設定は以下のようになりました。

▼名前:音羽リサ (22才)
黒いナース服に身を包む彼女は、社会の悪を憎み、闇に紛れて制裁を下す……という裏の顔を持っているのだ……

勝手にこんな設定にしていいのかな……。と思いましたが気にせず進めます。
あと、余談ですが、適当に名前を考えたらAV女優の名前とかぶったので、女の子の名前を決める場合はそのあたり気をつける必要がありそうですね。
(※名前を決めたら、Google検索してすでに存在する名前かどうか調べましょう)

■イントロダクション

導入をするために「イントロダクションカード」を引きます。

▼ゾンビでいっぱい
気がつけば、街はすっかりゾンビでいっぱいになってしまった。
ゾンビ化した人々を救うことができるかどうか……とりあえず、生き延びてから考えるしかないんじゃないかな。

わずかな生存者は手を取り合い、身を潜め、街からの脱出を試みる。

いきなりハードな展開が始まった! ゾンビから生き延びれるかどうかよりも、どんな物語になるか不安でいっぱいです。

■場面カード(1枚目)

場面カードを引いて話を進めていくのが「のびのびTRPG」の核となるゲームシステムです。早速、場面カードを引くと……

▼日記
机の上に古ぼけたノートが転がっている。
どうやら、ここの住人が書き残した日記らしい。

内容は……君たちより先に、君たちと同じようなひどい目に遭ったってことがよーくわかるものだった。

後半になると錯乱した文章やら断末魔やらべったりとしたものとかが載っているので、ショックを受けたかどうか判定すること。

判定:【技:13】以上で成功する

クトゥルフなんかで定番の日記イベントですね……。
これに対して以下のストーリーを考えました。

これは、ある犯罪組織が以前に開発していたウィルスに感染した人間のものだ。
音羽は、昔に壊滅させたはずの組織を思い出す。
「……そういえば」
その組織の残党が再び集まり、活動を再開していたという噂を耳にしていた。
音羽は、その噂が事実かもしれないと気がつき、恐怖する。

早速ダイスを振って判定……

目標値:13-4=9
技:5+1
2D → 1+5=6 (6+5+1=12 「成功」)

一人プレイだと目標値から-4するというルールがあるのと、+1スキルを持っているので、2Dの数は3以上で成功。余裕でしたね……。

音羽は、恐怖よりも正義感が勝り、過去のトラウマ……、目の前で幼い子供がウィルスに感染し、ゾンビ化した子供を自らの手で葬り去った恐怖の記憶をねのける。

イベントに勝利したので、光カードを獲得しました。

▼簡易結界
やっかいごとを避けるための手段を君は持っている。
君や仲間が何かにさらされたとき、微力ではあるが、結界の技が役にたつかもしれない

能力が+1されるスキルを獲得!

■場面カード (2枚目)

続けていくよー

▼失われた像
「この一帯を守る像が、何者かに奪われてしまった」
「ここは間もなく滅んでしまう」
「おしまいだあ!」
人々が右往左往している。
まさか、そんな……と疑うのは自由だが、とりあえず彼らを安心させれば、滅びを遠ざけておけるだろう。

判定:【技:13】以上で成功する

これまた唐突な……。かなり悩んだ結果以下の話にしました。

「皆さん、落ち着いてください! まだ助かる道は残っています!!」
音羽は心の奥に秘めたる正義感を信じて、人々を説得しようと試みる。

ダイスロール!

目標値:13-4:9
技:5+1+1
2D → 2+3=5 (5+5+1+1=12 成功)

スキルのおかげでまたまた余裕でした。看護師の【技:5】は結構強いのかもしれない。
そして光カードを引くと……

▼愛こそすべて
ちょっと危険な場面だって恋を盛り上げるし、事件の真相にはきっと悲しい恋愛が絡んでるし、これから素敵な出会いがあるかもしれないし、君の見た世界は恋愛でいっぱいだ

場面に恋愛要素を盛り込むロールプレイができると、+2できるスキルのようです。
しっかし、うーん、恋愛かあ……。そんなキャラだったのか……。まあこれもありかもしれないと以下の話をでっち上げ。

音羽の説得がうまくいったのは、音羽に味方してくれた一人の男がいたからだ。
彼は「像がなくなっても、まだ我々は生きている。生きてれいば、まだ希望は残っているんだ」と力強く人々を説得する。
音羽だけでは説得はうまくいかなかった。
音羽は、そんな頼もしい男に淡い恋心を抱くのだった。

■場面カード (3枚目)

物語も中盤(3/5)。場面カードを引く。

▼ハンサムの危機
雨に濡れた石畳。
君の前に重傷を負った青年が転がり込んできた。
腕を抑えながら彼は「逃げてください! ここは……危険です!」と叫ぶ。

青年は警告を発すると同時に、恐るべき鋭利な爪を持つ怪人が石畳を踏みしめて現れた。
彼を置いて逃げるわけにはいかない。

判定:【力:11】以上で成功する。

ふーむ。ゾンビとは話が少しずれている気もするけど、恋愛カードのスキル「オンリーラブワールド」を使うため、強引に以下の話をねじ込む。

「力仕事は苦手なのよね……」
音羽は、暗殺は得意だが、力自慢の怪物と真っ向から戦うのは苦手だった。
しかし男は、学生時代に恋い焦がれていた先輩によく似ていた。
「何とかして助けたい……!」
音羽は、怪人と戦うには非力な武器を指でクルクルと回しながら、怪人と戦うことを決意する。

なんか違う気がする。さっき助けてもらった男も気になっていたのだし、ホイホイと男を好きになるのはちょっと微妙。
ということで、「オンリーラブワールド」は不発判定とします。

目標値:11-4=7
力:2+1=3
2D -> 5+6=11 (11+3=14 成功)

力判定は厳しいと思いましたが、意外と余裕でした。

音羽は、暗殺で手慣れた素早い動きで、怪人を撹乱する。
図体の大きい怪人は、音羽を完全に見失う。
音羽は静かに後ろに近づき、手慣れた動きで急所を突いて、怪人を絶命させることに成功する。

これにより、またまた光カードを獲得。

▼懐中電灯
闇を切り裂きすべてを明らかにする……には、やや頼りない光だけど、足下の危機を照らす役には立ってくれるだろう。電池が続く限り。

さらにステータスを+1するスキルを獲得。どんどん強化されていく音羽であった。

■場面カード (4枚目)

さて次はどんな場面となるのか……

▼ねばねば
……その結果、君は謎の粘液にどっぷり浸かってしまい、すっかりねばねばになってしまう(災難だったね、かわいそうに)。
その様子にどんな感想を抱いたって自由だが、少なくともこれからの行動に支障は出る。
歩くとぬちゃぬちゃするし、どうにか洗い流そう。

【力:10】または【技:11】以上で成功する

ナニコレ……。しかしエロ展開を期待できるイベントではある。なるほど、探索中にこういうことは起こるもしれないと、以下の話をでっち上げる。

「気持ち悪い……」
大量のゾンビに囲まれ、それから逃げるために飛び込んだ屋敷で、音羽は散々な目に遭う。
特に害はなさそうだが、スライムが天井からボトボトと降ってくるスライム屋敷だったのだ。
外はゾンビ、中はスライム……。
音羽は、すっかりネチャネチャと気持ち悪くなってしまった身体と服をキレイにできる施設を探し回る。

ダイスロールっ!

目標値:技11-4=7
技:5+1+1=7
-> 自動成功

光カードを引きすぎて自動成功となりました。

音羽は地下室への入り口を見つける。
地下室にはスライムは入ってこない。
地下室で、音羽はシャワールームと乾燥機を見つけ、安堵のため息をつく。

こんな感じでしょうか。さて光カードは……

▼霊感がない
君はホラーにまったく向いていない奴だよ。
だって心霊現象とか、なんにも見えないんだから!

心霊に関するイベントを全て無効化できるカードのようです。
これはかなりの強カードの予感。
心霊のせいにすれば全てのイベントが自動成功になるし。

■場面カード (5枚目)

物語も終盤。最後の場面カードを引きますよー

▼怨霊
恨みを持った魂が強力な霊的怪物と化し徘徊している。
場面PCの向かい側のプレイヤーがこれから怨霊役となるので(何か適当に恨み言をぼやこう)、襲いかかってきた怨霊を撃退するのだ。

・判定
怨霊役は4Dを振る。場面PCは、その合計を目標とした「力」判定に挑むこと

狙ったかのように心霊イベントが来てしまいました。もうこれは自動成功でいいんじゃないかな……

怨霊が音羽を取り囲む。
「お前に殺されたものの恨みだー」
怨霊は強力な呪詛で、音羽を呪い殺そうと襲い掛かる。
しかし、音羽は霊感がないので、見ることも呪いも聞くことができなかったのだ。
音羽に呪詛が全く効果がないことがわかると、怨霊たちはすごすごと退散していった。

だんだん疲れてきたので、適当になってきました。
怨霊さん涙目。
そして光カードを引く。

▼家族↑
矢印タイルを任意のPCに向けてもいいし、ランダムに決めてもいい(放り投げたり回したり)。
対象と君は、実は家族である。
うっとうしいこともあるけど、やっぱり家族っていいよね。

おお、家族が登場。家族となるPCと自分の能力を両方+1するスキルを獲得。
しかし一人プレイの場合はPCが他にいないのでどうしよう。
ひとまず、新規のNPCを登場させてみます。

音羽は生き別れになった妹と出会う。
妹は、とある研究所で働き、この事件の原因となったゾンビウィルスの撲滅を新薬の力で解決しようとしていた。
現状は、ゾンビ化を遅延させるだけの薬であれば作れるとのこと。
「姉さん、無茶はしないでね」
音羽は、愛すべき妹の言葉を胸に、犯罪組織の拠点の調査を続ける。

ゾンビウィルスを撲滅するための研究所で働く妹を出してみました。
白衣姿にメガネの似合う理知的な女の子をイメージ。
さて、クライマックスはどうなるのか……。

■クライマックスカード

最後のカードをドロー!

▼応援の声が響く
今まで出くわした怪異が一斉に襲いかかってくる(こういういい加減な書き方を、みんなはいい感じに言い換えて欲しい)。
ここまでか……と絶望しかけた君たちを、懐かしい声が叱咤する。
「諦めるな! 信じれば、必ず、道は開く!」
その声は世界の希望、そのものだ。

どうも一人プレイの場合は、クライマックスのダイスロールはないみたいなので、お話だけ考えます。

音羽は妹の助けなどにより、復活した犯罪組織の本拠地を見つけ出し、潜入する。
しかしそこは想像とは違っていた。
組織の人間のほとんどが、ゾンビウィルスに感染し、ゾンビ化していたのだ……!
「ここに来れば、ゾンビウィルスを解決できると思っていたのに」
内部の紛争により、組織が暴走したのか。
潜入を続ける音羽は、緊張による疲れのため、ミスをして敵に囲まれてしまう。
「ニ、ニンゲンダ……」
一斉に、襲ってくるゾンビ。応戦する音羽。
しかし持ってきた銃の弾薬が底を尽きる。
「ここまでか……」
諦めかけた音羽を叱咤する声が聞こえる。
「諦めるな。お前が諦めたら、この街は、お前の妹の苦労はどうなる!」
音羽は、覚悟を決め、ゾンビと戦うことを決意する。

そしてエピローグへ……

■エピローグ

音羽は機転を利かし、ゾンビの群れを退散させることに成功する。先ほどの声の正体は、「像を失った街」で、音羽に協力してくれた男だった。
男は音羽よりも先に組織に潜入して、ゾンビウィルスのワクチンを見つけ出していた。
しかし、男はゾンビ化する末期状態だった。
「これを、妹さんの研究所に——」
「それよりも、あなたにこのワクチンを」
「ダメだ。俺はワクチンを使いすぎて、もう効かなくなってしまった」
「そんな」
「せめて、ゾンビになる前に、君の手で殺してくれないか」
「……」
音羽は男から渡された拳銃で、男の頭を撃ち抜いた。

数日後。
音羽が持ち帰ったワクチンにより、街中にいたゾンビの存在は消滅し、街には平和が戻っていた。

そして、警察が組織の本拠地を調べたところ……。
あるリーダー格の男だけ、所在が分からなくなっていた。
ひょっとしたら、男はゾンビウィルスを持ち出し、あなたの街の近くに潜んでいるかもしれない—
(終)

■ゲームを終えての感想

最初はどうなることやら、と思っていたのですが、終わってみたらそれなりにまとまりましたね。

ランダムで場面カードを引くことにより、全部は繋がらなくても、どれかはうまく繋がって話として成立する、という「ランダム性のあるパズル」のような面白さがありました。

あと、一人プレイの場合は目標値から-4されるので、ダイスロール判定が結構ゆるいかもしれません。
カード運もありそうですが、今回はダイスロール判定が成功しか出ず、闇カードが引けなかったのが気になりました。
なので次回は-3か-2にするかも。

のびのびTRPG、とても良いゲームです。
TRPGで遊んだことはなかったのですが、リプレイ本・リプレイ動画を読んだり見るのが好きなので、とても楽しんでプレイできました。

というわけで、のびのびTRPGは一人でもこのように遊べるので、ぼっちプレイヤーにもオススメです。

■追記(2回目をプレイした感想)

2回目をプレイしてみましたが、話の辻褄が合わず、今ひとつ盛り上がりに欠ける展開となりました。
なんでもかんでもうまく話がつながるわけでもなく、良い話ができるかどうかは、自分の妄想に対して波長があう(テンションが上がる)カードを引けるかどうかの運に依存するところがあるかもしれません。

■関連ページ

「脱出ゲームの作り方」を解説している本の紹介ページです。脱出ゲームに適したシナリオや世界観設定などの情報もあり、TRPGのシナリオ作成にも活用できる、と感想を書いておられる方もいました。(ホラーの定番は「閉鎖空間に閉じ込められ、命を脅かす脅威から逃げ回りながら、閉鎖空間から脱出する」という構成が多いので、ある意味、脱出ゲームですよね)
また、のびのびTRPGでシナリオ作りを練習した後、脱出ゲームのシナリオを書いてみるのも良いかもしれません。

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